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2013年7月13日

拉致被害者はお花畑にいるわけではない

【調査会NEWS1375】(25.7.13)

 石原慎太郎・維新の会共同代表が街頭演説で横田めぐみさんについて、「非常に日本的な美人だから、強引に結婚させられて子どもまで産まされた。誰か偉い人のお妾さんになっているに違いない」という発言が問題になっています。

 全体の文脈は分かりませんが、確かに不用意な発言であることは間違いありません。その点で石原さんを弁護するつもりはありませんが、あえて言いたいのは、「それなら横田めぐみさんは、そして他の被害者はどうしているのか」ということです。

 これは私自身も例外ではありませんが、何十年も拉致問題を解決できないで放置している後ろめたさのためか、被害者がどうなっているかについて政治家も官僚はもちろん、日本国民すべてが思考停止、あえて考えないようにしているのではないでしょうか。

 拉致被害者はお花畑にいるわけではない。北朝鮮は自国民に対しても厳しい人権侵害をしている国です。政治犯収容所や公開処刑などの話はご存じの方も少なくないでしょう。人権どころか国民の命さえ何とも思っていないのが北朝鮮の独裁体制であり、そこに拉致被害者はいるのです。そのことを私たちは絶対に忘れてはなりません。

 拉致被害者は今日無事であっても明日はどうなるか分からないのです。戦争を覚悟してでも国民を取り返そうとするのが国家であり、少なくともその覚悟がなければ拉致問題の解決はあり得ないし、今後も国民を守ることはできません。

 かつて国会で細田官房長官が答弁した拉致問題解決の方針、「先方も政府で、彼らのこの領土の中においてはあらゆる人に対する権限を持っておりますので、これは我々が説得をして、そして彼らがついに、実は生きておりました、全員返しますと言うまで粘り強く交渉をすることが我々の今の方針でございます」というのが全く問題にならず、今回の石原発言が問題になるというなら、私たちは根本的な間違いを犯しているのではないでしょうか。

 これは今パソコンに向かってのんびりとこのニュースを書いている私自身の自己批判でもありますが、もう一度、一体何が問題なのか、1人でも多くの方にこの問題の本質を理解していただきたく、切にお願いする次第です。

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