いったいどうなっているのか?
【調査会NEWS1403】(25.9.5)
前号ニュースでお知らせした特別現地調査の資料、どうお感じになられましたか。
私たちは市川さん・増元さん拉致にかかわる情報は政府認定の事件でもあり、繰り返し報道されているのですからもう既にほとんど出尽くしたものと思い込んできました。ところが5月に発表した情報(前号ニュースの最初に出てくるAさんの証言)をきっかけに、その後6件の情報が寄せられました。情報を提供された方の中には当時のことがトラウマになっており、吹上浜に行くことができないという人もおられました。
ここでそのような情報があるということは、おそらく日本全国で表に出ていない情報が山ほどあるということです。いったいこの国はどうなっているのでしょうか。
今回に限らずこれまで私たちに情報を提供して下さった方の多くは警察にもその内容を知らせています。しかし、それが活かされたと思われるケースはほとんど聞いていません。
警察はその情報を外に(民間だけでなく他省庁にも)出すことはほとんどありません。警察の性質上捜査にかかわる情報は出せないことは分かるのですが(まあ、自分たちに都合の良い情報はリークしたりしているので、どこまで本当に法に則っているのかは分かりません)、それなら情報を外部に出せない責任を、結果をもって果たしていただかなければなりません。しかし現実にはこの半世紀以上、日本国内で拉致を理由に実行犯や協力者が逮捕されたことは一度もありません。
先日自民党拉致問題対策本部の会合で、出席した議員から「日本国内の協力者の摘発などについてはどうなっているのか」と質問されて警察庁の幹部は「一所懸命やっています」を連発していました。これを翻訳すれば「何も結果が出せていません」ということになります。結果が出ていないということは様々な情報が国民の安全のために活かされることなく埋もれてしまっているということです。
このニュースをお読みいただいている皆様にぜひお願いしたいのですが、拉致に関する情報、北朝鮮工作活動に関する情報をお持ちの方は警察に伝えていただくのと合わせ、私たち調査会にもお寄せ下さい。先日の「反物事案」でもその後情報提供が続いており、そのような情報が集まれば集まる程真実に迫ることができます。もちろん中には間違いや思い過ごしもあるでしょうが、それも含めて材料が必要です。
今回の現地調査では、2年前に行った1万キロ現地調査第4回の結論を再検討する必要性も感じました。自分たちのこれまでやってきたことを白紙にする覚悟でやっていきますので、重ねてご協力をお願いする次第です。
(写真は市川修一さんの自家用車が置かれていた吹上浜の駐車場で証言について説明する森山調査会理事)
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