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2013年9月 1日

小山修司さんの死亡確認について

【調査会NEWS1400】(25.9.1)

■小山修司さんの死亡確認について

 すでに確認されていますが、前号ニュースで書いた小山修司さん(平成16年新潟沖で失踪)について、本日千葉県警は山武市の中古船舶輸出入会社が保管していた漁網から見つかった遺体と確認されたと発表しました。

 本件について北朝鮮との可能性は薄いと考えられるため、調査会としては本日付で特定失踪者のリストから外します。これによって全体の数は次のようになります。

 現時点での公開者 270名
    拉致濃厚(通称1000番台リスト) 77名
    拉致疑惑(通称0番台リスト) 193名
これまで公開した人(第1次〜48次) 295名
    うち国内での消息が確認された人 22名(うち2名死亡)
    うち政府認定(警察断定を含む)された人 3名
    うち公開から外れた人 1名
非公開者 約430名(うち調査会独自リスト約200人、警察発表の公開リスト約230人)
    国内での消息が確認された人 27名(うち2名死亡)
現時点での特定失踪者総数 約700名

※警察発表の公開リストは調査会からご家族に直接連絡をとってないため調査会のリストでは非公開扱いになっています。

■数字
                荒木和博

 本件については、上の報告だけで人数の変化をお伝えして終わらせるわけにはいきません。さりとてどのように書いたら良いのか、煩悶しながら1日が過ぎてしまいました。

 失踪がご家族にとって、ときに死別より辛いもであることを私たちは調査会設立以来10年間、身に染みて感じてきました。しかし小山さんの場合9年間の失踪の辛さに死別という辛さが加わるのですから、ご家族には筆舌に尽くしがたい思いであろうと思います。

 最初から海に落ちたという先入観にとらわれたことが9年間も遺体を放置することに繋がったのですから、海保は事件当時漁網をなぜ調べなかったのか、なぜ小山修司さんが漁網に巻き込まれたのかについて、もう一度事件事故の両面から先入観を捨ててしっかりと検証し、ご家族の納得のいく説明をしてもらいたいと切に希望する次第です。

 特定失踪者でこれまで日本国内での所在が確認された人は公開非公開合わせて49人。うち45人は日本国内で生存されていたことが確認されています。拉致でなく、日本国内で見つかってくれればそれに越したことはないのですが、拉致をされている方でももう高齢の方も少なくないはずです。失踪の理由がどうであれ時間は間違いなく過ぎていきます。今後北朝鮮におられるのか日本国内におられるのかにかかわらず、このような思いをすることを覚悟しなければなりません。小山さんがそれを教えてくれたのではないかということでせめて気持ちを納得させている次第です。

 あらためて、謹んで小山修司さんのご冥福をお祈り申し上げます。

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