入口と出口
【調査会NEWS1420】(25.10.19)
朝鮮総聯本部跡地の売却でモンゴル系の企業が落札したとの話には一瞬驚きましたが、考えてみれば3月に安倍総理、7月に古屋拉致問題担当大臣がモンゴルを訪問しており、ある程度事情は想像できます。そもそも、何もなくてモンゴル系の企業があんなところに手を出すとは思えませんし、昨日あたりも官邸周辺には色々な動きがあったようです。
拉致被害者の救出は、一度に全てというわけにはいきません。5人が帰国して以来11年間、事実上何も結果が出ていないのですから、今必要なのはともかく動かすことだろうと思います。ですから総理の責任において総聯本部を取引材料にして北朝鮮から何らかの譲歩を引き出そうというなら、それは一つの方法でしょう。結果が全てですから何も進まないよりはましです。揺らいでいる金正恩政権の側にとっても日朝関係改善は重要な選択肢の一つでしょう。
しかし、忘れてならないのはそれはあくまで「入口」だということです。この取引をもって決着にしようとするなら(当然北朝鮮側はそれを求めているでしょう)、絶対に許すことはできません。これを突破口にして北朝鮮の中に穴を空けていく、同時に日本国内で隠蔽されていることを一気に表に出していく、最終的には北朝鮮の中に入って拉致被害者を保護できるようにする(それはつまり北朝鮮の体制を変えるということでもありますが)、という「出口」に向かうものでなければなりません。
もっとも、「入口」をこじあけるだけでも大変なエネルギーが必要で、「出口」までの全てをときの政府が完結することは無理でしょう。11年前のときも、国交正常化をしようとする小泉政権と、拉致問題の棚上げを許さないという世論の両方があったからともかく5人は帰国できたのです。もし事態が動くなら、そのときこそが正念場と言えるのではないでしょうか。「安倍さんに任せて高見の見物」だけにはすべきでないと思います。「全ての拉致被害者を救出する」という覚悟が必要なのは政府以上に私たち国民です。
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