北朝鮮当局による妨害電波に異変
【調査会NEWS1449】(25.12.17)
専務理事(しおかぜ担当) 村尾建兒
「しおかぜ」が放送を開始して丸8年、その内の7年半は北朝鮮当局による妨害電波との闘いを続けて来ましたが、この12月4日に周波数変更を実施して以来、12月15日現在まで、北朝鮮による妨害電波追従が全くありません。これまでの状況から見て、北朝鮮内部に大きな混乱が起きている現れであると考えています。
2013(平成25)年10月27日、国際的な電波改変により周波数変更を行い、さらに2005(平成17)年の5月から行って来た、朝の時間帯の放送枠を深夜へと同時に変更し、夜10:30〜11:30と深夜1:00〜2:00の新たな編成で放送を初めた翌日、まさかの妨害電波追従という非常に敏感な反応を北朝鮮当局は見せていました。
金日恩体制になってからラジオ等の取り締まりが厳しくなったとの情報も複数あり、また、このところの妨害追従は2〜3日程度が続いていた事から体制固めに外部情報の遮断は継続されていると判断していました。その中での翌日追従ですから外部情報遮断の指令はさらに厳しくなり、これも次への変化ではないかと捉えていました。
ところが12月4日以降、15日になっても変更後の周波数に妨害に追従は全く無く、変更前の周波数への妨害が続いています。ポイントは妨害が発射し続けられている事です。内部の指揮命令系統に大きな混乱が起きているとしか思えません。これが張成沢処刑とどのように関わっているのかは不明ですが、少なくとも北朝鮮というところで現場の判断により勝手に対応をするという事は考えられません。すなわち上部からの命令が来ていないと考えるのが妥当でしょう。
この7年半、妨害電波との闘いの中で北朝鮮の電力事情(特に冬期)と思われる以外に妨害電波が止まった事はなく、今後、北朝鮮がどのような対応にしてくるのか監視を強化する必要があります。
いずれにせよ北朝鮮に仕掛ける機会は、内部に混乱が起き不安定状態にある今が好機である事は間違いありません。「しおかぜ」では今週から年末年始にかけて、張成沢処刑に伴い北朝鮮の粛清・権力闘争の歴史を繰り返し放送します。
| 固定リンク