公開銃殺
【調査会NEWS1460】(25.12.31)
さすがにこういう話題は三が日はしにくいので年が変わる前に。
張成沢の公開銃殺で、あらためて北朝鮮という国の異常性がクローズアップされましたが、北朝鮮において公開銃殺というのは特に珍しいことではありません。
昔、脱北者の方と一緒に集会に出たとき、「公開銃殺を見たことがありますか?」と聞いたらポカーンとしていました。見たことがないのではなく、日常的に見ていたので、「なぜそんな当たり前のことを聞くのか」という反応だったのです。確かに脱北者の体験記を読むとその多くに公開銃殺の話が出てきます。
先日、北朝鮮政治犯収容所で生まれ唯一完全統制区域から脱出した申東赫(シン・ドンヒョク)氏の映画「北朝鮮強制収容所に生まれて」の試写会を見てきました。この映画は来年公開される予定ですが、見ていて頭を抱えたのは、彼の置かれていた状況が私たちの状況と余りにも違い過ぎて、どれだけの人が理解できるだろうかということでした。
11年前の10月15日、蓮池さんたち5人が羽田空港で専用機のタラップから降りてきたとき、下で彼らを見ていた私は「やればできるんだ」と思いました。救出ができると思っているから運動をやってきた自分ですが、それでもふとそんなことを思ってしまったのです。現実の持つ意味は大きいのだなと実感しました。しかし、現実を目の当たりにするのは結果が出たときです。それまでは自らの信ずるところにしたがってやるしかありません。
日常的に公開銃殺が行われており、権力中枢にいた人間すらその対象になる北朝鮮という異常な国家の中に拉致被害者がいます。そこから「全ての」拉致被害者を取り返すということは、こちらも覚悟をしていなければなりません。私自身も来年こそはしっかりと覚悟をもって望みたいと思います。
皆様良いお年をお迎え下さい。来年もよろしくお願い申しあげます。
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