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2013年12月26日

田中実さん

【調査会NEWS1455】(25.12.26)

Tanaka
13日の救う会特別セミナーに参加した元工作員・金東植氏の情報に「タナカ」という工作員の教育係の情報がありました。

 これが政府認定の拉致被害者田中実さんであるという証拠はありませんが、私も数年前に北朝鮮関係者から第三国で田中実さんに関する情報を得たことがあります。このときの話は情報源が田中実さんと直接面識があるという話でした。夫人も日本人で調査会ポスターの中にある女性と顔が似ているとのこと(本当にその人なのか、ただ似ているというだけなのかは不明)。少なくとも金東植氏情報の「夫人も日本人」というのとは一致しています。

 証拠もない話で、その後情報源との間は切れてしまったため確認しようもなく今日に至っています。ただ、その人物は「田中実さんが日本に戻れるように努力したい」と言ってはいましたが。

 ところで田中実さんを警察が拉致と断定、発表したのは平成17(2005)年4月26日でした。そして政府認定は翌27日に行われています。

 このときの警察発表文は調査会ニュース241号に掲載しています(調査会のホームページで閲覧できます)が、内容をかいつまんでまとめれば、「報道される以前から警察はつかんでいたが決定的な証拠に欠けていて断定できなかった。しかし今回あらためて警察の力で証拠が固められたので断定する」というものです。つまり、その間故張龍雲氏の月刊「文藝春秋」の論文や著書『朝鮮総連工作員 黒い蛇の遺言状』など民間の活動は関係ない。警察が全部やったというのが発表の内容でした。

 しかし、張龍雲氏の証言がなく、世論が高まらなかったら警察が拉致断定(これは事実上イコール政府認定ということです)したはずがないことは誰でも分かります。松本京子さんの拉致認定(平成18年11月20日)のときも同様でした。ともかく警察庁には「警察は間違いを起こさない。だから警察のやることは間違いではない。世論などは関係ない」という原則(?)があるようで、事実もそれにあわせないと気がすまないのではないかと思います。だからこそ山本美保さんにかかわるDNAデータ偽造事件も認められないのでしょう。

 金東植氏の情報であれ、私の会った人物の情報であれ、警察の捜査の結果であれ、事実が全てです。そして本人を救出することが最優先のはずです。少なくとも組織の面子で優先順位を誤るようなことだけはしてもらいたくないと、切に思います。


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