宮崎県警のビラ
【調査会NEWS1479】(26.2.14)
以下は昭和60(1985)年頃に宮崎県警・宮崎南警察署の名前で配布されたビラの内容です。
----------------------
○県民の皆さんへ
密航者の発見・通報にご協力を
〜おかしいと思ったら、すぐ110番〜
県内では、昭和56年6月に日向市の金ケ浜海岸で北朝鮮スパイが密出国を企てたほか、昭和60年4月には、日南市の海岸に“白い怪船”が出現し、闘争するという事案も起きています。
密航者は、これまでのケースから、夜間沖合に停泊した日本漁船を装った母船からゴムボートで不法に入国、あるいは出国をしています。
なお、その際には、怪しまれないように観光客や釣客等を装っています。そこで次のようなことを見かけたら最寄りの派出所(駐在所)か、110番でお知らせ下さい。
・夜間、人気のない海岸に近づこうとしている小舟やゴムボート
・海岸の松林の中に、カバン、紙袋等を持って隠れている男
・海岸付近の岩場や草むら、無人駅に隠れている男
・暗い海岸で石を叩いたり、又は懐中電灯を点滅させて合図を送っている男
・地元の人なら誰でも知っている地名や駅への道順を、なまりのある日本語で尋ねる見知らぬ男
・夕暮れ時、海岸に向かう釣人風でも観光客風でもない見知らぬ男
宮崎県警察本部
宮崎南警察署
(警察110番、又は53-2141)
---------------------------------------
先程衆議院予算委員会で三宅博議員が質問に立ち、昭和52年の宇出津事件(久米裕さん拉致)などを取り上げ「政府は北朝鮮による拉致事件を知っていたのか」と質問しました。これに対し答弁を求められた岸田外務大臣は質問とは関係ない答弁をし、古屋拉致問題担当大臣兼国家公安委員長は当時は警察も分からなかったとの認識を示しました。本当に分からなかったとしたらこれは当時の警察や政府の大変な不作為ですが、古屋大臣の立場では不作為を認識していたとしても(おそらくそうだと認識しているでしょうが)「分かっていましたが何もできませんでした」とは答弁できないでしょう。
さて、このビラは昭和60年頃に宮崎の海岸周辺で配布されたものです。北朝鮮を特定し、極めて具体的に書かれています。昭和55(1980)年6月の原敕晁さん拉致をはじめ、北朝鮮工作員侵入、脱出などのケースが多数あり、それを警察が把握していたことは明らかです。おそらくそれは原さん拉致があったからではなく、それより遙か前からつかんでいたのだと思います。
このようなビラによる周知を宮崎県警が行ったことは評価されるべきですが、それでも昭和63(1988)年には宮崎市大淀川河口から遊漁船共擁丸で出港した林田幸男さん・水居明さんが全くのべた凪で好天の日中、船ごと失踪しています。日本海側も含めて他の県でこのようなビラが撒かれたという話は聞いておらず、国民が情報を共有することはありませんでした。
明日調査会では理事会を開催します。情報収集についてさらに力を入れていく予定ですが、同時に私たち自身が当然のことと思っているのに一般の方はご存じない情報が多数あるのではないかと最近痛感しています。多くの方が情報を共有することで世論も変わり、政府への圧力も単に「可哀想」という認識ではなくなると思います。情報の出し方についてもさらに検討を加えていくつもりです。
| 固定リンク