モンゴルと北朝鮮・拉致問題のいくつかの接点
モンゴルと北朝鮮・拉致問題のいくつかの接点 【調査会NEWS1502】(26.3.20)
特定失踪者問題調査会副代表 岡田和典
今、何かと関心の国がモンゴルです。横田さんご夫妻とお孫さんの出会いの地であり、朝鮮総連中央本部を落札したのがモンゴル企業(後に無効)でした。
来週、現地調査を行う高知出身の福留貴美子さんは、このモンゴルへの渡航を強く希望していました。当時のモンゴルは現在の北朝鮮と同じく、本国の同意を得た特別な人以外の入国は叶いませんでした。
福留さんは高知県立山田高校卒業後、綜合警備保障に就職し、五反田のTOCビル4階を担当します。同じ階に、高敬美さん・剛さんを拉致したとして国際手配されている、木下陽子が働くユニバーストレーディング社が入居していました。1976年に出国した福留さんはその後消息を絶ち、20年後、よど号犯岡本武の妻として新聞報道されます。
失踪時、モンゴル渡航のオンリーワン企業がS社です。失踪前、福留貴美子さんも訪ねています。北朝鮮との繋がりも強く、1991年5月に名古屋から平壌に民間として初めてチャーター便を飛ばしています。この企てを実質的に仕切ったのが、マダム朴こと朴敬允(金剛山国際観光オーナー)です。猪木議員を最初に北朝鮮に紹介したのがマダム朴と言われています。猪木議員は訪朝から帰国後、執拗に家族会に「北朝鮮に来ないか」と誘っていたようです。
S社のオーナーでモンゴルとのNGO団体理事長がY氏です。10年程前の話になりますが、寺越武志さんのお母さん寺越友枝さんが平壌から帰る飛行機の中で隣席の男性から「私はミスターXに通じる人間です」と声を掛けられ、Y氏の名刺を渡されています。
S社のビルに事務所を設けたのが北朝鮮での墓参と遺骨収集を目指す「北遺族連絡会(前身「全国清津会」)」です。連絡会結成集会には横田滋さんも出席し、連絡会の事務局長であるO女史から「一緒に訪朝してほしい」と再三要請されます。
このO女史、寺越友枝さんと同じ金沢市に住居を構え、兄と共に経営する会社は、モンゴルの道路工事に関係します。この連絡会には事務員として、よど号犯田中義三(日本で受刑中に死亡)の娘も働いています。「小坂浩彰さんにお世話になってます」が赴任の挨拶でした。
小坂浩彰氏とは、帰国した拉致被害者5人の子供たちが未だ北朝鮮に残っている時、子供たちに接触し、TVに度々登場して、当時の家族会事務局長であった蓮池透氏と激しく争った、北朝鮮支援者の一人です。子供たちが帰国後、蓮池透氏の発言が変化するのですが、同時期以降、蓮池透氏・小坂浩彰氏・寺越友枝さんご一緒の姿が目撃されます。また、蓮池透氏は横田さんに北朝鮮で、お孫さんと会うことを進言します。この辺りのことについては17日の朝日新聞に掲載されています。
モンゴルと北朝鮮・拉致問題の不思議な接点、そして怪しげな人々。春一番とともにさらに色々な動きが起きるのでしょうか。
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