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2014年3月16日

金ヘギョン

【調査会NEWS1498】(26.3.16)

 横田滋さん・早紀江さんご夫妻がモンゴルで孫の金ヘギョン(ウンギョン)さんに面会したとのニュースが流れています。

 これについて何件か問合せは受けたものの、正直なところ私自身が今日知ったばかりで、表に出ていること以上には情報を持ち合わせていません。

 ですから、まだあまり決めつけるべきではないと思うのですが、「本当に大丈夫なのか」という思いがあることも確かです。

 3月5日の参議院予算委員会で、井上義行議員の質問に対し安倍総理は「井上委員が私の秘書官をしているときから、国際社会の連携、当時はまだなかなか理解はなかったわけですが、ここまでは来たわけでありまして、北朝鮮に圧力をかけながら、対話と圧力でこの問題を解決していきたいと思います」と答弁しています。

 この答弁自体はCOI(国連事実調査委員会)に関するものですが、井上議員は秘書官時代安倍総理の命を受け密使として北朝鮮にも行っています。3月3日の日朝非公式協議で面会が決まったとなれば、このとき安倍総理の念頭には当然横田夫妻の金ヘギョンさんとの面会があったはずです。

 しかし、同時にこの日の他の井上議員への答弁、そして前日の同じ予算委での答弁からすると、ニュース1488号に書いたように、総理に主体的かつ核心に迫る拉致被害者救出の意志があるのかは疑問です。仮に総理にその意志があったとしても、少なくともそれが実行に移せる状況でないことは間違いありません(予算委の答弁にはそれを感じさせるものもありました)。ですから、総理の周辺にいる人間はこれが北朝鮮のちらつかせる餌だったとしても「進展」であるとアピールするでしょうし、今後もその流れでいこうとするに違いありません。

 ともかく前に進めてはもらいたいと思います。私の言っていることが全て正しいとは思いません。また高齢の横田さんご夫妻の孫娘と会いたいという思いに対してわれわれがどうこう言える資格はありません。しかし根本的な問題は、横田さんご夫妻の孫娘がなぜ北朝鮮にいるのか、ということであるはずです。

 ともかく今回のことが拉致問題全体の最低限の解決のためにマイナスにならないよう、これからも注視していこうと思います。

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