先入観
【調査会NEWS1510】(26.3.28)
昨日は今治から伊予市を経て高知県の宿毛まで移動しました。伊予市は大政由美さんの自宅があり、平成3年(1991)3月韓国での失踪後、自宅前に不審な車がいたことが確認されています。昨日はその現場でお母さんから当時の状況について説明を受けました。断定はできませんが自宅の様子をうかがっていたのではないかと思われます。
宿毛では昭和56年(1981)5月に当時高校2年生の永本憲子さんが失踪しています。自宅近くのバス停で叔父さんから声をかけられたのを最後に行方が分からなくなっているのですが、今回現地に行ってお話しを聞き、当時付近が極めて海に近かったことが分かりました。「宿毛市片島」という地名なのですが、当時はその名の通り島で、橋で渡っていたのが埋め立てで地続きになったそうです。
特定失踪者の中で何人かは失踪直前に「小さな嘘」をついています。何者かにおびき出されて、ちょっとだけ出てくるつもりだった。おびき出された理由自体は家族に言いにくいことだったので小さな嘘をついたが、本人は直ぐ帰ってくるつもりだったのではないかということです。この場合は家に残したものなどからも長期にわたって不在にするつもりがなかったことが明白な場合が少なくありません。
永本さんは声をかけた叔父さんには「バスで市内に行ってくる」と答えたそうですが、もしこれが「小さな嘘」なら現場が海の直ぐそばということとあわせて考えると全く別の状況が想像されます。永本さんはその後の目撃証言が現時点では存在しません。近くの海岸から移送されたと考えればそのことも理屈が合います。
また、当時高知市内に住んでいた永本さんの友人は「宿毛署から来た」と名乗る2〜3人の男から外で事情聴取を受けたと語ったそうです。このようなことはありえず、何者かが警察の名を語った可能性もあります。この点も不審な点です。
現時点では推測が多いので今後さらに調査を続けなければなりませんが、今回来てみて(岡田副代表や上野理事は既に訪れたところですが)自分自身先入観にとらわれていたことを痛感しました。
この地域では太平洋側ということもあり、拉致問題についての関心は低く、それこそ先入観で「こんなところで北朝鮮による拉致が起きるはずがない」という認識が一般的です。情報の集まりにくい理由でもあると思います。工作船は高知にも来ているはずで、今後世論を喚起して新たな情報の収集に努めたいと思います。
(写真は永本憲子さん)
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