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2014年4月 5日

しおかぜ近況報告

【調査会NEWS1517】(26.4.4)

専務理事 村尾建兒 

 これまでもお伝えしている通り、張成沢一派の粛清・処刑以来、北朝鮮当局により妨害電波の異変が続き、現在も妨害電波が出ない、途中で止まるなど不安定な状態が続いています。こうした北朝鮮内部が混乱しているこの時期に、より多くの情報を注入するために、戦略情報研究所研究員であるキム・チョルミン氏(脱北者・仮名)の協力を得て、新たなコーナーとニュース番組が4月からスタートしました。

 内容は、北朝鮮で生きて来た朝鮮人からの視点を生かし、日本での常識が当てはまらない北朝鮮で、どう情報を伝えれば受け入れてもらえるかという点を重視しています。ターゲットは主に北朝鮮の幹部並びに知識人へ向けた物で、日本、韓国のニュース、そして海外での北朝鮮関連ニュースを伝え、また、北朝鮮内部では触れる事の出来ない世界的な常識や知識等を解説し、さらに拉致問題解決が北朝鮮の未来を切り拓く重要な問題である事を伝える等、拉致に関する情報提供を促すアナウンスも交えています。

 多くの脱北者が海外のラジオを聴き、日々の生活情報から真実の北朝鮮の姿を知る機会を得ている現状があり、また、その内容は人民の間で口コミとなり伝えられている事から、幹部や知識人に情報を与える事で、拉致被害者救出への鍵となるよう誘導も可能であると考えています。

今後とも皆様のご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
 
◎新周波数で放送開始

 「しおかぜ」は、国際的周波数変更に伴い3月30日より、新たな周波数で放送を開始しました。

 しかしながら今期においては、残念な事に各放送時間にそれぞれ3波の周波数割り当てを受ける事が出来ませんでした。「しおかぜ」の放送する周波数帯は送信拠点である茨城県古河市と、受信地域である北朝鮮との距離から6MHz帯の周波数を選択しています。ところがこの東アジア地域においては、その6MHz帯の使用頻度が非常に高く、特に中国が多くの周波数を確保している事が分かっています。そのような状況の中で、ITU(国際電気通信連合)の周波数獲得会議では我が国総務省の健闘空しく、希望する周波数の獲得が出来なかったという事でした。

 確かに新たな周波数獲得は他国間との駆け引きもあり、非常に大変な作業である事は理解出来ます。また、送信して見なければ分からないという要素もあるでしょう。これまでも各時間それぞれ3波で放送できるように周波数は確保出来ても、実際に送信して見ると他局との混信で使えない周波数であった事もありました。ただ、総務省は周波数リサーチに必要な設備も持っていますし、安倍総理大臣もオールジャパンで拉致問題解決を目指すと明言している訳ですから、拉致被害者の命が掛かっている事を肝に銘じて、それなりの姿勢で臨んでもらいたいと願うばかりです。

 今回の周波数獲得が出来なかった件については、三宅博衆議院議員(日本維新の会)にもご尽力頂き、総務省電波政策課とも直接やり取りをする事が出来、今後の対応に期待する次第です。この場を借りて感謝申し上げます。

 北朝鮮の状況が大きく変化する中で、夜3波、深夜2波という体制で今期は臨む事になりますが、妨害電波に屈する事無く情報注入に全力を尽くして参ります。
 
周波数は以下の通り
夜 10:30〜11:30 5985kHz 6020kHz 6135kHz
深夜 1:00〜2:00  6090kHz 6165kHz
 
◎現地調査家族収録

 第20回現地調査愛媛高知において、参加同行されたご家族による「しおかぜ」メッセージの収録を実施しました。

 愛媛県今治市では特定失踪者山下綾子さんの従兄弟である長島清志さん、特定失踪者二宮喜一さんの姉である森八千代さん。伊予市では特定失踪者大政由美さんの母である大政悦子さん。高知県宿毛市では特定失踪者永本憲子さんの叔母さんである伊藤博子さん、土佐清水市では特定失踪者亀谷博昭さんの母である亀谷定子さん。そして今回は拉致被害者(救う会認定)で、よど号グループの岡本武の妻である福留貴美子さんの高校時代の同級生4人からもメッセージ収録を行いました。

 この模様は4月5日より放送し、再編集後ランダムでリピート放送します。収録にご協力下さった皆様に心より感謝申し上げます。

▲現在の「しおかぜ」放送時間と周波数は以下の通りです

夜 22:30〜23:30  5985kHz 深夜 1:00〜2:00 6165kHz

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