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2014年4月 9日

警友会 

【調査会NEWS1521】(26.4.9)

 警友会というのは警察のOB会ですが、先日ある県で救う会の方々が次のような要請をされました。地域を特定しないようにするため一部直してありますが、内容は概ね次のようなものです。
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 報道等でご承知の様に北朝鮮に拉致された可能性のある方々が政府認定を含めて未だ多く北朝鮮当局に拉致され帰国出来ない状況が国連の人権委員会等でも取り上げられ、安倍内閣としても外交の最優先課題として取り組んでおります。

 本県においても拉致の可能性が排除出来ない事案として今判っているだけで●名の方々の情報を求め県警ホームページのトップに情報提供を求めるコーナーが設けられました。
加えて全国の家族から申し出が有った北朝鮮に拉致された可能性を否定できない方々で家族が写真を公開して情報提供を求めた特定失踪者問題調査会が製作したポスターが県警本部、全県の各警察署、派出所、交番に掲示される様になりました。

 つきましては●月●日予定されている県警友会連合会の場においてお時間を頂戴して拉致問題の広報のお時間を頂戴し広報誌あるいは上記ポスター等配布させて頂く事をご検討頂ければ幸いです。卒宜しくお願い申し上げます。
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 これに対して警友会からは次の返事がありました。

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1 申し入れの件につきましては、お受け出来ません。
2 その理由としては、
○ 警友会は既に退職した元警察職員で組織する任意の団体でありまして、会員の親睦と、警友会ができる範囲の、警察への協力支援を目的としており、それ以外の活動は行っていません。
○ 総会は、議案審議や協議検討などで時間的な余裕はなく、また、第三者の出席はこれまでもなく、今後も出席は考えておりません。
○ 会員への資料は、警友会活動に関連するもの以外は配布していません。
以上のとおり、ご回答申し上げます。

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 回答の文書を受け取った救う会役員は「失礼ながら、これでは世間の常識と警友会の常識は年々かけ離れていってしまいますね!」と言って退席したとのことですが、別に金銭の提供を求めるわけでもなく、長時間を必要とすることでもありません。会員以外が入ってはいけないならいけないで、やり方はいくらでもあるはずです。

 拉致問題は古屋国家公安委員長自ら「自分が最後の拉致問題担当大臣になる」と意気込みを見せてやっているのに、この対応はいかがなものでしょう。もちろん、「警友会と警察とは別組織」と言ってしまえばそれまでですが、警友会が現職の意志に逆らうようなことをするとは思えず、逆に言えばこの回答は現職の意志を反映したものとも言えるでしょう。警察の拉致問題への取り組みがそのレベルであるという象徴とも受け取れます。

 年度替わりは中央地方を問わず拉致に担当した国・地方各部署の公務員から転任の挨拶を受けます。お世話になった人には率直に感謝の気持ちを持つものの、「家族も私たちも転任はできないのだけど…」という思いがあるのも事実です。まあ、一日も早く替わってもらいたいのに居座る人もいますが。

 北朝鮮ではありませんから、拉致被害者をいつまでに取り返せなかったら収容所送りとか、実行犯をいつまでに何人逮捕できなかったら公開処刑とかいうわけにはいきませんが、それにしてももう少し本気になってくれないものかと、この回答文を見て色々思いをめぐらした次第です。

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