救助
【調査会NEWS1529】(26.4.17)
韓国西南部で沈没したの客船「セウォル号」は現時点でまだ300人近い行方不明者がいるとのこと。特に修学旅行の高校生が多数乗っていたというのは、教職にあるものとして何とも言いようのない思いです。ともかく1人でも多く救助されて欲しいと祈るしかありません。
そんな事態の中ですが、ニュースを見ていて思ったことがあります。
こういう場合、救助が最優先であることは言うまでもありません。原因究明はとりあえず救助に必要な範囲で行われるべきで、いわんや航路の安全確保のための法律改正などは一番最後の問題です。
拉致問題でもともかく救出が最優先課題であり、私たちがやっている調査活動も、どんなに偉そうなことを言っても二次的なものでしかありません。もちろん救出にできるだけ近づけるための調査を最優先にやっていますが、調査自体の限界は認識せざるをえません。その意味では民間団体としては私がもう一つ代表をしている予備役ブルーリボンの会の方がより最優先課題に近いのかも知れませんし、それより遥か近くに外務省であれ自衛隊であれNSCであれ対策本部であれ、関係する政府機関があることは明らかです。
昭和52年(1977)のダッカ・ハイジャック事件のとき、福田赳夫総理は「人命は地球より重い」と言って身代金をハイジャッカーに渡し受刑者まで釈放しました。それは当然人質の生命を重視したからです。ならば拉致被害者の救出にその決断ができないのか。そんなはずはありません。
よく横田早紀江さんが講演で「おぼれている人がいれば皆飛び込んで助けるでしょう」という話をされますが、数分とか数時間という切迫度ではないにせよ、「セウォル号」の姿は拉致被害者と重なってしまいます。
今回の事故で亡くなった方々のご冥福をお祈りするとともにまだ行方不明の方々が一刻も早く、無事にご家族のもとに戻れるよう願いながら、そんなことを感じた次第です。
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