DNAデータ偽造事件で補充意見書提出
【調査会NEWS1538】(26.4.26)
山本美保さんに関わるDNAデータ偽造事件については一昨年3月、日弁連に対し人権救済申立を行いました。その結果は遠からず出るものと思いますが、去る4月23日、代理人である川人博弁護士が以下の補充意見書を提出しました。これにより一層踏み込んだ執行が行われることが期待されています。
<補充意見書全文(「■」部分は省略)>
平成26年4月23日
日本弁護士連合会人権擁護委員会 御中
「山本美保に関わるDNAデータ事件」についての人権救済申立事件補充意見書
申立人ら代理人 弁護士 川人 博
(申立人ら)
現住所 山梨県甲府市■
氏名 山本文子
現住所 同上
氏名 森本美砂
現住所 山梨県甲府市■
氏名 山下滋夫
現住所 東京都文京区後楽2-3一8 第6松屋ビル301 特定失踪者問題調査会
氏名 荒木和博
(相手方)
警察庁長官 米田壮
記
1 本申立事件において、申立人らは、
「警察庁は、山本美保とYが同一人物であるとする唯一の根拠であるDNA鑑定書について、山本美保の家族(申立人 山本文子、同 森本美砂)及び同代理人が謄写をとることを認めるなど、開示されたい。」
等を求めている。
2 申立人らは、上記DNA鑑定書の謄写が認められた場合には、速やかに謄写のうえ法医学者等の専門家に分析検討していただく予定である。
すでに、申立人森本美砂、同荒木和博、及び当職(弁護士川人博)は、本年2月22日、DNA鑑定に精通している法医学者A氏と面談して、事件の概要を伝え、鑑定に関する意見をうかがった。
A氏は、上記DNA鑑定書が試料を残していないこと、つまり再鑑定できないことの問題点を強く指摘した。また、同氏は、今後新しい証拠が入手できれば、さらに法医学面から意見を述べることが可能である旨、申立人らに話した。
3 上記DNA鑑定書に関しては、これまで申立人家族(山本及び森本)には閲覧のみ許され、投写が認められていない。申立人家族には行方不明となっている山本美保の消息を知る権利があり、この権利は、憲法第13条が定める幸福追求の権利によって保障されていると考える。そして実質的に見ても上記DNA鑑定書を謄写して専門家が分析をすることが山本美保の消息を知るうえで不可欠である。
4 また、死因究明等の推進に関する法律(2012年9月施行)第2条3項は、家族に対し国が身元確認の情報を知らせることが、個人の尊厳の保持につながる旨規定している。同法の趣旨から考えても、本件のように警察が当該ご遺体の家族と断定している申立人家族に対し、鑑定書の謄写を認めるのが相当である。
よって、一日も早く適切なる人権救済を求める吹第である。
5 なお、申立時以降、警察庁長官が変わっています。
以上
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