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2014年5月20日

空いてない(2)

【調査会NEWS1552】(26.5.20)

 1546号のニュースでお知らせした世田谷区のイベントに関する対応について、区内在住の福井義高・青山学院大教授が保坂展人区長に抗議文を送ったところ、「区では、これまでに区内各所の広報板への北朝鮮拉致の啓発ポスターの掲示、区のお知らせ12月1日号1面人権特集においては、重要な人権侵害のひとつとして取り上げるなど、啓発をしてまいりました」という、極めて官僚的な答弁が返ってきました。

 世田谷区の区報12月1日号は区のホームページから見ることができますので、ご覧になればいかに「重要」と考えているか分かります。書いておけば良いというのはいかにも役所的な発送です。

 これに対し福井教授は今日再度抗議文を送りました。他の自治体でも同様のことがあるかも知れませんので参考の意味も含めこの間のやりとりをお知らせします。

5月13日送信(福井教授→保坂区長)-------------------------------

 世田谷区民として極めて残念なことがありましたので、抗議の意を込めて、この一文をしたためさせていただきます。

 我が国政府は「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」に基づき、第二条において「北朝鮮当局による国家的犯罪行為である日本国民の拉致の問題(以下「拉致問題」という。)を解決するため、最大限の努力をするものと」し、具体的には、「北朝鮮当局によって拉致され、又は拉致されたことが疑われる日本国民の安否等について国民に対し広く情報の提供を求めるとともに自ら徹底した調査を行い、その帰国の実現に最大限の努力をする」ことと「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題に関し、国民世論の啓発を図るとともに、その実態の解明に努める」ことを国民に約束しています。

 国だけに限られません。第三条に「地方公共団体は、国と連携を図りつつ、拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題に関する国民世論の啓発を図るよう努める」と明記してあるように、国と一体となって拉致問題解決することが、現在、日本の地方行政に携わるものの義務となっています。

 にもかかわらず、世田谷区在住の齋藤良司氏(昭和36年失踪の齋藤正治氏実弟)が、「区民まつり」に拉致問題のブースを設け「特定失踪者問題調査会」(荒木和博代表)のパネルなどの展示を行おうと申し込んだところ、職員から場所がないと拒絶されました(事実関係については、荒木和博代表を通じ、齋藤氏ご本人に確認済み)。

 私は、かつて「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(「救う会」)事務局次長を務めるなど、この稀にみる国家犯罪が拉致「疑惑」といわれていた1990年代後半から、微力ながらこの問題に取り組んできました。
そして、故金正日総書記が自ら犯行を認めるまで、区長が国会議員として所属しておられた社会民主党は、拉致はでっち上げであるとして、我々の活動を非難妨害し続けました。ひょっとして、区長はいまだ拉致問題解決のための活動に対して否定的な考えをお持ちなのでしょうか。そうは思いたくないものの、区職員の上記法律に悖るともいえる対応を見ると、私はこうした推測を完全に捨て去ることができません。

 区長にお伺いしたいのは以下の点です。今後も世田谷区は今回の拒絶に示されたような拉致解決に消極的な対応を続けるというのが区長のご方針でしょうか。それとも、国会議員在職中の拉致問題への対応を自省され、国や他地方自治体にもまして、世田谷区がこの国際的人権侵害事件の解決に向けて積極的に行動するよう、区長が先頭に立って職員を指導するというお考えはあるのでしょうか。

 以上、お忙しいところ恐縮ながら、早急にご回答いただければ幸いです。

青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授
特定失踪者問題調査会を支援する会会員
福井義高

(世田谷区→福井教授)--------------------------------------

区民の声26−241
平成26年5月19日
青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授
特定失踪者問題調査会を支援する会会員
福井義高 様

世田谷区生活文化部
人権・男女共同参画担当課長  岩渕 博英
区民健康村・ふるさと交流課長 山本 恵造

 日頃から、世田谷区政にご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございます。
このたびお寄せいただきましたご意見につきまして、次のとおり回答をさせていただきます。

 ご指摘のように「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」第三条で地方公共団体の責務について定めており、区では、これまでに区内各所の広報板への北朝鮮拉致の啓発ポスターの掲示、区のお知らせ12月1日号1面人権特集においては、重要な人権侵害のひとつとして取り上げるなど、啓発をしてまいりました。

 さて、「区民まつり」への参加(啓発展示)については、人権・男女共同参画担当課にご相談をいただいた後、区民まつり実行委員会事務局である区民健康村・ふるさと交流課に申し入れました。実行委員会及び区民健康村・ふるさと交流課で検討の結果、予定数を超えた多くの出展希望があり、場所の確保ができませんでした。このことは人権・男女共同参画担当課を通してお伝えしたところです。

 なお、区の取組みをPRする場は他の区事業でもございます。それら区事業の中で北朝鮮拉致問題に関する啓発を実施できるよう、ご提案を差し上げているところでございます。何卒、ご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

(5月20日発信 福井教授→保坂区長)-------------------------------------

 お忙しいなかご回答いただきありがとうございます。

 しかしながら、「区では、これまでに区内各所の広報板への北朝鮮拉致の啓発ポスターの掲示、区のお知らせ12月1日号1面人権特集においては、重要な人権侵害のひとつとして取り上げるなど、啓発をしてまいりました」という文面をみると、『区のおしらせ』でのわずかな言及を例に挙げざるを得ないほど、世田谷区は拉致問題解決に消極的ということがみてとれます。

 また、「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」成立後に出された「教育ビジョン第1期行動計画」や「世田谷9年教育:世田谷教育要領」においても拉致問題への言及はありません。それとも、教育委員会が主体だから区は関係ないと主張されるのでしょうか。

 さらに、世田谷区の場合、トップに立つ区長が、国家犯罪の当事者である北朝鮮政府・労働党と密接な関係を保ち拉致被害者家族を誹謗中傷していた社会民主党の国会議員かつ最高幹部の一人であったという特異な事情が存在します。区長が被害者、ご家族あるいは支援団体に直接謝罪されたという話は寡聞にして存じ上げません。

 それゆえ、世田谷区の今後の拉致問題への取り組みについて、懸念を払拭することができません。5月19日付回答に全く言及がなかった点について、再度、区長にお伺いしたいと思います。

 今後も世田谷区は今回の拒絶に示されたような拉致解決に消極的な対応を続けるというのが区長のご方針でしょうか。それとも、国会議員在職中の拉致問題への対応を自省され、国や他地方自治体にもまして、世田谷区がこの国際的人権侵害事件の解決に向けて積極的に行動するよう、区長が先頭に立って職員を指導するというお考えはあるのでしょうか。

 以上、お忙しいところ恐縮ながら、再度、ご回答いただければ幸いです。

青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授
特定失踪者問題調査会を支援する会会員
福井義高

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