全ては結果次第、そして「進展」は「解決」ではない
【調査会NEWS1561】(26.5.30)
昨日の官房長官の記者会見での発表に関し、午後9時より記者会見を行い次の文書を発表しました。動かしていくことは大事ですが、気がついたらとんでもない方向に事態が進んでいたなどということがないように、国民全体の関心が必要です。よろしくお願いします。
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「包括的全面調査」の発表について
本日日本政府はストックホルムで行われた日朝協議の結果、北朝鮮が「包括的全面調査」に応じたと発表した。北朝鮮側の「特別調査委員会」の設置にともない日本側は制裁の解除を行うことも発表されている。北朝鮮も朝鮮中央通信が本日、先の日朝局長級協議で日本人拉致問題について「従来の立場はあるが、全面的な調査を進め最終的に日本人に関する全ての問題を解決する」と表明したと報じた。
1、全ては結果による
北朝鮮は第一次小泉訪朝までは拉致をでっち上げと言い続け、拉致を認めても生存している拉致被害者を死亡として、それ以外の拉致被害者は存在しないと言い続けて来た。これまで北朝鮮の発表はその全てが虚偽であり、もちろん今回の「特別調査委員会」も全く信用できるものではない。
今回のことが前進につながるとすれば、それは日朝間で既に帰国させる被害者のリストが確認されており、それを明らかにするため「調査の結果見つかった」という北朝鮮側の口実にすることでしかない。私たちはその意味で、調査委員会の発足や調査などに何の関心も持つものではなく、全ては結果によると認識するものである。認定か未認定かにかかわらず何人か帰ってくるのであれば、それは明らかな進展であり制裁の部分解除は交渉のカードになったと評価できる。
2、「進展」と「解決」は異なる。
このような形の交渉によってでも進展は必要であるが、この方法だけで拉致問題の解決(現在生存している拉致被害者の帰国という、極めて限定した意味ですらも)は不可能である。総理は「全面解決が政権の最重要課題」と言っており、その思いは多とすべきだが、本当にそれが可能なのか、現時点では疑問を感じざるを得ない。かえってこの動きが、「進展」を「解決」にすり替えることになるのではないかという懸念を払拭することができない。
以上2点、つまり「進展」は必要であり、今回の合意を評価するとすれば「調査委員会」の設置ではなく、出た結果についての評価でなければならないこと、そして、これが逆に「解決」にすり替えられることのないよう、私たちとして一層注意し、今後も可能な手段をすべて用いて拉致被害者の救出にあたっていきたいと考える次第である。
平成26年5月29日
特定失踪者問題調査会代表 荒木和博
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