現地調査へのご協力ありがとうございました
【調査会NEWS1602】(26.7.19)
昨日一昨日と実施された1万キロ現地調査22回(山形)には多数の皆様のご協力を賜り誠にありがとうございました。今回報道関係の関心も高く、これまでで最大の取材陣となりましたが、事故なく終了できました。ご協力に心より御礼申し上げます。
現地調査では山形県の日本海側を新潟県との境鼠ヶ関から秋田県との境遊佐まで走りましたが、鶴岡の温海事件の現場など、本当ならもっとじっくり調べたいところも多数ありました。今回の調査がきっかけになり情報の提供等ありましたら、ぜひお知らせいただきたくお願い申しあげます。
報告についてはまとまり次第お知らせしますが、とりあえず現地で配布した庄内地方関連事件資料を下に付けておきます。メールニュースでお知らせした温海事件資料に他の事件を加えたものです。
◎庄内における工作活動関連事案(温海事件を中心に)
●昭和25年(1950)5月22日 北朝鮮工作員安珉濬は酒田港から密入国(杉並事件)。
●昭和35年(1960)10月 北朝鮮工作員滝川洋一こと崔燦寔は乱数表・無線機・工作資金等を携行して酒田付近の海岸から密入国(大寿丸事件)。
●昭和36年(1961)7月15日夜 温海町役場裏沖合で機帆船住吉丸からボートに乗り移ってきた男を逮捕。(昭和48年8月6日山形新聞夕刊)
●昭和36年10月20日 酒田市宮野浦沖で漁船から海中に飛び込んで上陸、東京に行って活動していた男が警視庁に逮捕される。(昭和48年8月6日山形新聞夕刊)
●昭和36年(1961)8月 馬今鳳(金永錫)が乱数表・無線機・工作資金・偽造外登証を傾向して酒田市十里塚海岸から密入国。工作員包摂活動等を行った後獲得した在日朝鮮人の親戚2名を帯同して昭和38年(1963)5月20日、同じ酒田市十里塚海岸から北朝鮮に密出国しようとして逮捕(酒田事件)。(昭和48年8月6日山形新聞夕刊)
●昭和38年5月 酒田海岸松林で無線機が発見される。(昭和48年8月6日庄内日報)
●昭和38年(1963)6月9日 酒田市浜中で男を逮捕。40トンの鉄鋼船で沖合400メートルに近づき伝馬船で上陸した。(昭和48年8月6日山形新聞夕刊)
●昭和47年(1972)11月 非公開失踪者Fさんの車が鶴岡市今泉海岸で発見される。
●温海事件
以下の資料を参考にした。それぞれの記載には相違があるので総合的に考えての推測である。なお、下記Aが入国ではなく出国する予定だった可能性もある。所持品が当時の北朝鮮からの密入国者のものと類似しているのでここでは入国を想定して推測した。
『警察白書 昭和49年』
『金日成閣下の無線機』(佐々淳行著・読売新聞社・平成4年)
『二訂版戦後のスパイ事件』(東京法令出版・平成13年)
事件当時の山形新聞・庄内日報・新潟日報・朝日新聞・毎日新聞
昭和48年8月4日夜
鶴岡市葉山海岸から労働党作戦部戦闘員崔光成(44)・金興錫(33)及びラジオ・食糧・衣類などを携行した工作員A(40代)がゴムボートで侵入する。崔と金は工作員を上陸させてから沖合に待つ工作子船に戻る予定だったが上陸時にゴムボートに何らかのトラブルがあり戻れなくなったため、トランシーバーで工作子船と連絡を取り、子船の着岸できる温海町(現鶴岡市)早田海岸ないし鼠ヶ関付近の海岸から直接乗船することとしてゴムボートを葉山海岸の岩陰に隠す。
Aはバックアップ要員の固定工作員ないし協力者が迎えるはずだったが何らかの理由で接触できず、一旦崔・金とともに子船に戻ることにした。その後3人は南に向かって国道7号線を歩く。
8月5日0時20分頃
パトカーで巡回中の鶴岡署防犯係鈴木光也巡査と同パト係布川敏徳巡査が国道7号線の早田簡易郵便局の北を新潟方向に歩いてきた3人を見つけ職務質問した。1人が北朝鮮国籍を名乗り船が難破して泳ぎ着いたと話した(佐々氏の著書には外国なまりの日本語で「青森から歩いてきた。これから鼠ヶ関海水浴場にいくところだ」と答えたと書かれている)。外登証提示を求めたところ崔が鈴木巡査に暴行を加えようとするなど抵抗している間に金とAは山側に逃走した(佐々氏の本では3人はバラバラの方向に逃げ出したことになっている)。崔はその場で逮捕された(記録によればなぜか公務執行妨害での現行犯逮捕はされていない)。
8月5日2時30分頃
温海町小岩川沖約500メートルの会場に停泊中のモーターボート(おそらく工作子船)が突然ライトを消して新潟方面に走り去る。
8月5日4時ないし5時
現場から約1.5キロ南の鼠ヶ関キャンプ場で高校生のテントの中で寝込んでいた金を発見。逮捕した。Aは逃亡したまま逮捕できなかった。金は職質を受けた時点でナップザックを持っていたが逮捕されたときは上半身裸で持ち物はなかった。
8月5日4時
警察の要請で酒田海上保安部は巡視艇やまゆき出動。4時30分には巡視船とねも出動させる。その後第9管区海上保安本部はヘリコプターで酒田〜鼠ヶ関の海域を捜索。
8月5日夕
早田海岸の海中から金の投げ捨てたナップザックが発見される。中にはトランジスタラジオ2台、トランシーバーケース、マーキュロ、白い錠剤、ショートピースのタバコのパッケージ、トウモロコシのような食糧、衣類が入っていた。衣類の中には暗号表、乱数表、換字表が収められていた(佐々氏の著書ではこれは崔の衣類とされている)。
8月8日
朝鮮赤十字から日本赤十字宛に海難救助要請の電報が打電される。一方朝鮮総連社会局長河唱玉と安宅(あんたく)常彦代議士(山形2区・社会党)は山形県警本部を訪れ二人は遭難した北朝鮮船の乗組員であり逮捕は不当で人道上すぐ釈放して遭難者として扱うよう抗議。県警では「遭難やSOSの発信があったとは聞いておらず遭難者なら逃げる必要もなく、話すことが曖昧で密入国の疑いを解く裏付けがない」とした。(ちなみにこの日は金大中拉致事件の日)
8月23日
総連山形県本部の委員長文定萬らが記者会見。北朝鮮赤十字の声明を22日朝鮮中央通信が流したと発表。概要以下の通り。
「北朝鮮水産部の咸鏡北道オデジン水産管理局所属海洋連絡船が8月3日日本海上で漂流し乗組員3人が山形県海岸に漂着した。北朝鮮赤十字は8月7日、12日日本当局に即時送還を要求する電報を打ったが聞き入れられず調べが続いている。北朝鮮は日本漁船が漂着した場合、人道主義的に扱って即時日本に返しているにもかかわらず拘置しているのは国際慣例と人道主義原則に反する不法行為だ。日本当局が要求を拒否し続けるならこれによって生じる悪結果に対しては日本当局が全面的な責任を負うことになるだろう」
11月2日
崔と金は山形地裁で懲役1年、執行猶予3年の判決を受ける。身柄は仙台入管事務所に移され、国外退去になるが、この折「北朝鮮への送還を希望する。ゴムボートと無線機は金日成閣下のものである」と主張した。第三者の所有物なら官報に没収する旨14日間公告すべきながらそれをしていなかったため裁判所は証拠品を崔・金に返すよう命じる。「崔と金は、意気揚々、新潟港から定期船『万景峰号』に乗って、ゴムボート、無線機、乱数表などと共々、北朝鮮に帰国していった」(『金日成閣下の無線機』)
●昭和54年(1979) 非公開失踪者Tさん酒田市大浜海岸で失踪。
●昭和61年(1981) 非公開失踪者Yさん酒田市の自宅を出て失踪。
▲現在の「しおかぜ」放送時間と周波数は以下の通りです
夜 22:30〜23:30 6020kHz 深夜 1:00〜2:00 6165kHz
■調査会役員の参加する講演会(一般公開の拉致問題に関係するイベント)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等
★7月20日(日)7:30 フジ系「新報道2001」
★7月21日(月)16:53 TBS系「Nスタ」
★8月3日(日)13:30「拉致問題解決のための大集会」(林田・水居家族連絡会主催)
●南九州短期大学講義室(宮崎神宮駅徒歩20分 0985-83-2100)
●代表荒木が参加
●問合せ:水居徹さん(090-2733-3028)
★8月11日(月)14:00「秋田緊急集会」(救う会秋田主催)
●なかいち にぎわい交流館(秋田駅西口徒歩10分 018-853-1133)
●代表荒木が参加
●問合せ:松村代表(090-3368-3155)
★9月13日(土)14:00「中村三奈子さんをさがす会」集会(同会主催)
●アオーレ長岡(長岡駅徒歩3分)
●代表荒木が参加
●問合せ:中村三奈子さんをさがす会 090-4279-4724
★11月9日(日)13:30「大阪ブルーリボンの会講演会」(同会主催)
●大阪市中央公会堂(京阪電鉄中之島線なにわ橋駅下車1分)
●代表荒木が参加
●問合せ:大阪ブルーリボンの会 06-6121-2306
★11月13日(木)19:30「北朝鮮による拉致被害者全員の救出を求めるつどい」(日本会議福山主催)
●エフピコRiM(福山駅徒歩5分)
●代表荒木他役員が参加
●問合せ:日本会議広島 福山支部 084-922-1332
※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。
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