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2014年7月 4日

疑惑

【調査会NEWS1589】(26.7.4)

 今日は11時から自民党の拉致問題対策本部・外交部会合同会議、13時30分から拉致議連の役員会、15時40分から拉致議連・救う会・家族会・調査会合同の要請、17時から内閣府で家族会・救う会・調査会への外務省の説明と日程が立て続きました。

 総理への要請では、特定失踪者家族の中にこれが最後の機会と思っている人も多く、ぜひその決意を直接ご家族に伝えていただきたいとお願いしました。先日対策本部に要請文書を持って行ったときはけんもほろろでしたが、総理ご自身はうなずいておられました。

 ところで、今日は北京で宋日昊と交渉した伊原外務省アジア大洋州局長の説明を3回聞くことになったのですが、聞くたびに疑惑が大きくなっています。

 局長の説明によると、今回発表されている「特別調査委員会」なるものについての文書は北朝鮮側が話した内容を外務省がまとめたものとのことでした。北朝鮮側は手許のメモを読んでいたとのことですが文書の手交なく、宋日昊が読んだものを日本側が一所懸命メモして、「これでいいですか?」と聞いたのでしょうか。

 北朝鮮側の文書はないのかと聞いたところ、伊原局長は今日北朝鮮が朝鮮中央通信などでほぼ同じ文書を発表したと答えました。確かに今日発表されたのは事実ですが、朝鮮語の文章を読むと、いくつかニュアンスが異なります。特に伊原局長が説明の中で強調した部分、「各分科会の活動」で、「5月の合意にしたがって調査を行い、協議し、対策を立てる。以下の内容は現時点での考えであり、今後日本側と協議しながら修正していくこともあり得る」という内容は全く入っていません。

 また、四つの分科会も、伊原局長は「拉致を日本が最も重要視していると伝えている」と言ったのにもかかわらず朝鮮語ではそうなっていません。外務省の出した文書には「拉致被害者」「行方不明者」「日本人遺骨問題」「残留日本人・日本人配偶者」の順なのですが、朝鮮語では遺骨が最初、「残留日本人・日本人配偶者」が次になっています。「拉致被害者」及び特定失踪者を含むとされる「行方不明者」は3番目、4番目です。

 また、伊原局長は今回の制裁解除によって「北朝鮮が受ける経済的利益はほとんどない」と語りました。それなら、その程度のことで北朝鮮が拉致問題を本気で動かすと言えるのでしょうか。そして問い詰めていくと、これは「北がやるべきことについて説明を聞いた」というだけ。それなら「行動対行動」ではなく「言葉対行動」でしかありません。

 総理が制裁解除を決断したのは、おそらくそれが北朝鮮へのシグナルであり、一部報道された「リスト」に基づいて何人かが帰ってくるという確信を持っているからだと思います。その意味で、この「特別調査委員会」なるものに騙されて、ことの本質を見失ってはいけないと思います。気がついたら何人か帰って大騒ぎの中で「解決です」ということになりかねません。また、そもそもこの調子だと総理に外務省が本当のことを伝えているのかという不信感も感じてしまいます。

 「何とか前に進んでもらいたい」という特定失踪者のご家族、そして家族会の方々の強い思いを肌で感じるだけに、今こそ厳しい目が必要です。各方面の皆様のご協力をよろしくお願いします。 


(4団体で提出した総理宛要請文書は以下の通りです)

               平成26年7月4日
内閣総理大臣 安倍晋三 様

北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟会長 平沼赳夫
北朝鮮による拉致被害者家族連絡会 代表 飯塚繁雄
北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会会長 西岡力
特定失踪者問題調査会代表 荒木和博

 私たちは、今なお北朝鮮に拉致されている被害者全員が、安全を確保され、一刻も早く日本に帰国することを希求しています。

 今回の日朝協議における北朝鮮側による特別調査委員会立ち上げの報告をうけ、本日の閣議決定で、これまで日本側が講じていた3分野の規制措置解除が決定されました。
本決定後も、北朝鮮との協議にあたっては、段階的に期限を設定するなど、北朝鮮側が全ての拉致被害者を帰国させるとの決断が為されているのかについて日々、確認をしつつ、十分慎重な判断と対応をしていただくことを望みます。

 また、北朝鮮が誠意ある回答を出さない場合は、制裁をより強く復活することは当然のことと考えます。

 被害者全員の安全確保と救出は、国家的かつ国民的課題であり、政府が主張している朝野をあげ総力を結集して『オールジャパン体制で問題解決を』という認識を我々と共有しながら解決にむけ進んでいただけるよう、ここに要請いたします。
                            以上

▲現在の「しおかぜ」放送時間と周波数は以下の通りです

夜 22:30〜23:30  6020kHz 深夜 1:00〜2:00 6165kHz

■調査会役員の参加する講演会(一般公開の拉致問題に関係するイベント)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等

★7月6日(日)7:30 フジ系「新報道2001」

★7月7日(月)7:10頃 RKB毎日放送(ラジオ・北部九州地域)「インサイト」

★CS放送チャンネル桜「防人の道」
 放送済み・インターネットで視聴可能
http://youtu.be/zT-q5z9eG0Y

★7月17日(木)18:30「拉致問題講演会」(特定失踪者問題調査会主催)
●鶴岡市勤労者会館(0235-25-2548)
●代表荒木他調査会役員が参加
●問合せ:調査会齋藤純一理事(090-2972-8175)

★9月13日(土)14:00「中村三奈子さんをさがす会」集会(同会主催)
●アオーレ長岡(長岡駅徒歩3分)
●代表荒木が参加
●問合せ:中村三奈子さんをさがす会 090-4279-4724

★11月9日(日)13:30「大阪ブルーリボンの会講演会」(同会主催)
●大阪市中央公会堂(京阪電鉄中之島線なにわ橋駅下車1分)
●代表荒木が参加
●問合せ:大阪ブルーリボンの会 06-6121-2306

★11月13日(木)19:30「北朝鮮による拉致被害者全員の救出を求めるつどい」(日本会議福山主催)
●エフピコRiM(福山駅徒歩5分)
●代表荒木他役員が参加
●問合せ:日本会議広島 福山支部 084-922-1332

※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。

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