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2015年2月27日

「憲法の制約」と「アメリカなら軍艦」の間

【調査会NEWS1799】(27.2.27)

 昨日予備役ブルーリボンの会のシンポジウムが国会の中で行われ、現行法で可能な「邦人輸送」と、法改正によって可能になる「邦人救出」について、二つのシミュレーションが行われました。

 これは陸上自衛隊の特殊部隊である特殊作戦群の初代群長だった荒谷卓氏(同会幹事)と、海上自衛隊の特殊部隊である特別警備隊の先任小隊長だった伊藤祐靖氏(同会幹事長)を中心に作られたシミュレーションで、前に「フラッシュ」で松本京子さんがいると報道された清津市郊外の施設に、現在被害者及びその家族がいるという想定のもと、北朝鮮の体制に異変が生じ政府が統制力を失ったとき、被害者を日本に連れて帰ろうとするものです。

 もちろん報道された場所に今被害者がいるとは思えず、この通りの事態も起きないでしょう。またそれ以前に解決しなければならない問題も山ほどあります。しかしこのようなシミュレーションは政府の責任のもと自衛隊が中心になって何度もくり返し、情報や訓練や機材も含めて準備をしていく必要があります。何も準備せずにいきなり自衛隊に行けといわれても無理な話です。逆に言えば被害者を見殺しにするということにもなります。

 それにしても、やってみて痛感したのが、日本の中には拉致被害者救出に自衛隊を使うことについて「憲法の制約があるからできない」という考えと「アメリカなら自国民が拉致されたら軍艦を出しても取り返しに行く」という両極端はあっても、その間を埋める努力がほとんどなされていないということでした。また、これをクリアするためには政治のやるべきことが山ほどあるということもあらためて分かりました。

 整理してみると次のようなことではないでしょうか。

1、拉致被害者を救出するのは国家(国民)の義務である。それは憲法以前の問題。

2、しかし、今、すでに9か月、何の成果もない日朝協議以外の救出方法についての準備は政府においてはほとんどされておらず、国会でも議論は極めて限定されたものになっている。

3、準備はどれだけやっても十分ではないが、どんな状況であれ最後は政治が責任をもって決断することが絶対に必要。政治が明確な方針を出してこそ現場が動けるのであって、これこそが本当のシビリアンコントロールである。

 両極端の間は非常に溝が深く広く、埋めるのは大変ですが、今回のことで少し先が見えてきたように思います。このシンポジウムの内容は後日公開しますので参加されなかった方、中継をご覧になれなかった方も含めてぜひご覧いただき、議論に加わっていただきたいと思う次第です。

▲現在「しおかぜ」放送時間と周波数は以下の通りです
夜 22:30〜23:30 5910kHz、5985kHz、6135kHz のいずれか
深夜 1:00〜2:00 5910kHz、5955kHz、6110kHz のいずれか

■調査会役員の参加する講演会(一般公開の拉致問題に関係するイベント)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等

★チャンネル桜・防人の道「交渉による『解決』ではなく力による『救出』を〜東京現地調査で見えてきたもの」
●代表荒木が出演
●YouTubeなどで視聴可能
http://youtu.be/ex5SoZ9Op0E

★3月15日(日)13:00 大澤孝司さんと再会を果たす会総会(同会主催)
●巻公民館(JR越後線巻駅8分 0256-72-3329)
●代表荒木が参加

★6月20日(土)13:00 集会(救う会秋田・由利本荘主催)
●代表荒木が参加
★8月9日(日)13:30 下関集会(救う会山口・「山口県特定失踪者家族会」を支援する会主催)
●下関文化会館
●代表荒木が参加

★9月13日(日)福島集会(救う会ふくしま主催)
●代表荒木が参加

※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。
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特定失踪者問題調査会ニュース
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発行責任 者荒木和博(送信を希望されない方、宛先の変更は
kumoha351@nifty.com宛メールをお送り下さい)
●カンパのご協力をよろしくお願いします。
郵便振替口座00160-9-583587口座名義:特定失踪者問題調査会
銀行口座 みずほ銀行 飯田橋支店 普通預金 2520933 名義 特定失踪者問題調査会
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