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2015年12月18日

状況証拠 【調査会NEWS2067】(27.12.18)

「認定拉致被害者も証拠はないんですよ。状況証拠の積み重ねで認定しているんです」

 昨日12月17日行われた自民党拉致問題対策本部・外交部会合同会議の場での古屋圭司拉致問題対策本部長の発言です。米国人で北朝鮮によって拉致された可能性のあるスネドンさんについての話の中で出てきたもの。この場合の「証拠」とは直接の拉致の証拠という意味だと思います。スネドンさんは北朝鮮がやったという直接の証拠はありませんが、状況証拠的にその可能性があるとされています。

 拉致問題の捜査について警察は公式には「法と証拠に基づいてやっている」とくり返してきました。拉致認定も「法と証拠」による捜査で三要件(本人の意志に反し、北朝鮮の国家意思によって、北朝鮮に連れて行かれた)を満たすものが認定されるとしてきました。古屋本部長は元拉致問題担当大臣兼国家公安委員長ですから、今回の「状況証拠の積み重ねで認定している」という言葉はこれまでの政府の建前を突き崩すものとも言えます。

 現実問題として、拉致認定が「法と証拠」に基づいていないということは自明の理です。例えば曽我ミヨシさんは政府認定拉致被害者ですが、拉致されたという直接の証拠はありません。曽我ひとみさん自身も自分が拉致されたときにお母さんがどうなったかは分かりませんでした。しかしミヨシさんはひとみさんと一緒に失踪したということだけで拉致被害者になっています。

 誤解されるといけないので付言しておきます。ひとみさんだけが帰ってきていることから、ミヨシさんは殺害されたのではないかと思っている人もおられると思います。しかし私たちが佐渡で現地調査をやった結論としては、1人だけ拉致するつもりを2人で来たので急に2人やることにしたとは思えません。おそらく最初から2人で連れて行くつもりだったのでしょう。

 1970年代はアベックや夫婦の拉致・失踪が相次いでいるときですが、それは2人で連れて行くことによって被害者を安定させる目的だったと推定されます。そうすると男女でなく母子であっても目的は達せられるはずです。北朝鮮でひとみさんとミヨシさんが会わなかった理由はわかりませんが、曽我ひとみさんとミヨシさんの2人を狙った拉致である可能性が高いと思います(ちなみに横田早紀江さんについてもこんなことがありました。

https://youtu.be/Jr-B_caoN1A

いずれにしてもミヨシさんは状況証拠によって認定されているのであり、直接的な証拠はないはずです。

 そう考えると特定失踪者でも状況証拠から当然認定されてしかるべき人が多数います。これを契機に拉致認定にかかわる「法と証拠」という虚構はもう捨て去るべきではないでしょうか。「法と証拠」はそれよりも国内の工作員摘発で徹底してもらいたいものです。いずれにしても今回の古屋発言が根本的な発想の転換のきっかけとなってくれれば何よりですし、私たちもそうしていかなければならないと思います。

▲現在「しおかぜ」の放送時間と周波数は以下の通りです
22:00〜23:00 5910kHz 5985kHz 6135kHz 7400kHz(300kW)のいずれか
1:00〜2:00 5910kHz 5955kHz 5985kHz(300kW) 5990kHz(300kW)のいずれか

■調査会役員の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等

★12月4日記者会見の画像は以下のところでご覧になれます。
https://youtu.be/lf4dfVTNpm4

★チャンネル桜「【拉致問題アワー】特定失踪者問題調査会の取り組みと今後の展開[桜H27/11/25]」
●代表荒木が出演
https://youtu.be/FEqD2rTBbPo

★チャンネル桜「防人の道NEXT 北朝鮮向け短波放送『しおかぜ』10年・これまでとこれから[桜H27/11/11]」
●専務理事村尾が出演
https://youtu.be/FIjt2_6X09Y
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★12月20日(日) 14:00 「みんなで考えよう 拉致と特定失踪者」(真の平和と人権を考える市民の会主催)
●岡山県立図書館(路面電車県庁通り下車5分 086-224-1288)
●常務理事三宅が参加
●問合せ:藤井さん(090-8246-6094)

★平成28年1月13日(水) 18:30 「拉致被害者救出と自衛隊」(予備役ブルーリボンの会主催)
●水前寺共済会館グレーシア(水前寺駅徒歩10分 096-383-1281)
●代表荒木が参加
●問合せ:info@yobieki-br.jp
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★荒木著『北朝鮮拉致と「特定失踪者」』(展伝社刊)
●定価1800円(税別)
●問合せ 展伝社(03-5314-9470)

※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。
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