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2017年11月26日

ピンチとチャンスが目の前に 【調査会NEWS2596】(29.11.26)

 金曜日の「『その後』を考える集い2」ではまた様々な論点が出されました。ちょうど前日由利本荘市に北朝鮮人8人が上陸したこともあり、参加者の皆さんも真剣な面持ちでした。

 この模様は予備役ブルーリボンの会のYouTubeサイトでご覧になれます。参加されなかった方、中継をご覧になれなかった方はぜひご覧下さい。

 このニュースの後に当日配布した資料を付けておきます。

 由利本荘の8人についてはまだこれでおしまいということではなく、様々な問題があります。昨日朝には佐渡で北朝鮮人男性の遺体と船の破片が発見されました。事態は想像以上の早さで進んでいます。すでに難民が上陸した状態で発見される可能性があること、あるいは遺体があちこちに打ち上げられる可能性など、これまで想定していなかったことも出はじめています。

 状況が変われば北朝鮮にいる日本人にも救いの手が差し伸べられる可能性が出てきます。ピンチとチャンスが今、目の前に来ています。そこから目を逸らさない覚悟を持たなければなりません。調査会としてもできるだけ迅速に対応してきたいと思っている次第です。
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<『その後』を考える集い2 配付資料>

平成29年11月24日 
『その後』を考える集い2 資料
特定失踪者問題調査会

 この資料は平成29年9月29日に東京市ヶ谷・UAゼンセン会館で開催された「『その後』を考える集い」、10月28日に北朝鮮難民救援基金が開催した「朝鮮有事事態と難民問題セミナー」の内容などをもとに関係者で議論を行いまとめたものです。本日はこのうち「短期」の部分に絞って検討します。

現状 

●米国の北朝鮮テロ支援国再指定、中国宋濤特使に金正恩が面会しなかったこと、ミサイル発射の兆候など、すべてが「その後」に向かって動いている。
●4年前に途絶えた脱北者が今年1月からまた増えている。外貨稼ぎの労働者が期限が来てそのまま亡命する人もいる。
●中国の国境沿いの警備は厳しくなっており北朝鮮から中国に入るのも厳しくチェックされるが、5000ドルとか金銭で解決できる例外もある。
●最近平壌に住む特権階層の脱北がみられる。北朝鮮にそのままいても地位が保証されるような人で脱北する人が増えている。
●最近の中朝国境に対する中国当局の貿易遮断と密輸禁止で北朝鮮が受けている衝撃は非常に大きい。また海外派遣労働者の新規追加ができなくなり、外貨収入源が大幅に遮断されている。これまでの経済制裁は中国・ロシアからの抜け道があったが今回はまったく異なる。
金正恩除去「その後」予想される事態と検討すべき問題点

★本年4月17日の衆議院決算行政監視委員会での答弁の中で安倍総理は次のように語っている。
 「わが国に避難民が流入するような場合の対応については、避難民の保護に続いて、上陸手続き、収容施設の設置及び運営、わが国が比護すべき者に当たるか否かのスクリーニングといった一連の対応を想定しています。これらの対応を適切に行うべく引き続き関係機関による緊密な連携を図って参ります」
 選挙中の麻生副総理の「武装難民」発言なども含めいくつかの省庁でこの問題が検討されているが、国民にはほとんど知らされない。パニックの防止など、ことの性質上やむを得ない面もあるが、少なくとも起こりうることの概要は明らかにして、国民も状況認識を共有する必要がある。
★単に被害者意識で後手後手の対処をするのではなく「その後」の北東アジア全体をどうしていくかの全体像、ビジョンを提示すべき。どういう形にしても朝鮮半島が安定化するには時間がかかる。
★難民対処は非常に大きなエネルギーを必要とするが、マイナスの面だけではなく、拉致被害者自身が帰国する可能性、また難民の中から拉致被害者に関する情報を得られる可能性がある。プラスの側面も重要視すべきである。
★起こりうる様々な事象は現在の縦割り行政では対応しきれない。例えば拉致問題対策本部を「北朝鮮特殊事態対策本部」に改組拡大するなどして、権限を集中して政治主導で対応する必要がある。この事態を積極的にとらえ拉致被害者救出の最大かつ最後のチャンスと考えて対応する必要がある。
★実際の対応をするのは各自治体である。国からの押しつけでは負担しきれない部分が必ず出てくる。自治体の側から意見を反映できるようなシステムも必要ではないか。とりあえず自治体の対応能力についてアンケート調査を行い、市区町村レベルで50~100人を受け入れなければならなくなったらどのように対応するか、何が必要かを調べた方が良い。また、このプロジェクトとして知事会への申し入れ等自治体レベルの議論が行われるよう促す必要がある。
★日本の行った難民対処の事例としてインドシナ難民の受け入れについての経験を生かすべき。当時は官民それぞれの立場で行っている。
★日赤がどう対処するかも予め決めておく必要がある。もともと帰国(北送)も日赤が窓口だった。脱北帰国者の受け入れになんらかの関与は必要ではないか。
★当初から①日本にそのまま居住すべき人(拉致被害者及び現在の脱北帰国者受け入れ帰順に該当する人)、②韓国に送る人(韓国の状況が安定していればだが)、③北朝鮮に返す人(これも北朝鮮の状況によるが)、④第三国に送る人、の基準を作っておくべきである。
短期中期長期それぞれに起きる可能性のある問題
※各項目の後のカッコの中は担当すると思われる省庁。実際の対応はかなりの部分は自治体の負担になると思われるし、調査会を含め民間団体も当然関与せざるを得ないがここには中央省庁のみ記載している。

(1)短期(日本への到着まで)
●北朝鮮船舶は古い木造船が多く、遭難の可能性が高い。少なくとも領海内に入れば放置することはできない。(海保・入管・警察)

●やってきた難民が拉致被害者なのか、その家族なのか、北送運動でわたった帰国者及びその家族なのか、一般北朝鮮人なのか、あるいは偽装した中国朝鮮族なのかなど最初の時点での迅速なスクリーニングが重要。(海保・入管・警察・自衛隊・外務省)

●9月29日に提示されたシミュレーションは最も穏当なものだが、実際には米軍による攻撃ないし北朝鮮人民軍による部分的な挑発も考えられる。その場合のことも検討が必要。(自衛隊)

●中国のブローカーが難民ビジネスとして漁船で難民を送ってくる可能性がある。その場合は黄海から九州方面に向かうだろう。(海保・入管・外務省・警察)

●難民は一気に多数の人が出るのではなく、少しずつにじみ出るように出てきて、次第に多くなっていくのではないか。(海保・入管)

●本当に保護すべき人とそうでない人が一緒になってやってくる。(海保・入管・警察)

●韓国経由で日本に行こうとする人もいるだろう。その対応も必要。(外務省・入管)

●日本国籍者は無条件に受け入れるしかない。日本と関わりのない人は人命保護の観点から対応すべきである。(入管・外務省・厚労省)


●拉致被害者・日本人妻をはじめとする日本国籍保持者・その親族たる在日朝鮮人帰国者とその子孫については現時点で日本政府も受け入れている。今後やってくる難民について、上陸後、①北朝鮮への送還、②韓国に送る、③希望する第三国に送る、④日本での定着、のどれに該当するか、基準を考えておく必要がある。(入管・外務省・厚労省)

●やってくる難民の中には武装難民がいる可能性を最初から考慮しておく必要がある。彼らが最初から銃を見せつけて入ってくるとは思えない。隠し持っている可能性がある。武装解除という観点からの対処が必要。(海保・警察・自衛隊)

●政府・自治体・民間が協力しなければならないが、責任者が誰でどのような施設を使い物資をどうするのか具体的な検討を早く進めなければならない。特に自治体と政府の意思疎通が必要。後手にまわると混乱が増大する。(官邸はじめほぼ全省庁)

●板門店で亡命した兵士から大量の寄生虫が発見されたが、難民の中にも寄生虫や感染症に罹患している可能性もある。また重労働による事故などで満足な治療を受けてこなかった人もいる。妊娠した女性などがいる可能性もある。健康診断が必要。また健康保険は当然加入していないので、医療関係の人材と設備、そして当然財源が必要になる。(厚労省)

●日本語を解せない人も少なくない。とりあえずの保護のためにも朝鮮語のできる人間が必要。(官邸・文科省・厚労省・海保・警察・自衛隊)

●ラジオが極めて重要。場合によっては海を渡って日本を目指すのを思いとどまり一時どこかに避難するよう伝える放送が必要になるかも知れない。少しでも聴取可能性を高くするためにはチャンネルを増やし放送時間を長くし、電波が安定する中波を流す必要がある。日本の通常のラジオ局の放送も北朝鮮で聞こえるので民放の枠を買うこともできるかも知れない。(総務省)

●NHK第2放送は500キロワットの出力があり深夜は停波している。その間を使って北朝鮮に向けて送信できないのか。(総務省)

●結局難民対処の中心は自衛隊になるのではないか。(自衛隊)

●北朝鮮の体制が中途半端に維持されていた場合、混乱に乗じて日本国内で北朝鮮工作員が破壊活動をすることも想定しなければならない。今の時点から摘発できる工作員は摘発する必要がある。例えば北朝鮮工作活動に関わる不法行為の摘発を1県警1件を目標に行うなど、工作員が動きにくくなるような状況を作るべきである。
(警察・公安調査庁・自衛隊)

●難民をどういう気持ちで受け入れるかが大事。仕方なく受け入れるのではなく、暖かい心で受け入れるべき。(官邸含め全省庁)

(2)中期(到着から概ね1カ月程度)
●日本は昨年難民申請10900人に対し認定28人、一昨年は7500人に対し27人。圧倒的に難民認定が少ない。日本にはベトナム難民3500人以上の難民収容経験はない。今回の場合日本に関係する人が多いとは思うが、また別の問題も起きる。入管の能力をはるかに超えている。役所同士の押し付け合いも起きるのではないか。(入管・外務省)
●難民として認定するのは現在でも非常に時間がかかっている。それに対応しようとしても弁護士でも人が限られている。弁護士会でも議論しなければならない。(法務省)
●在日朝鮮人及び日本人家族の場合日本に家族がいても、身元を引き受けようとしない家族が大半だと思われる。拉致被害者でも家族が身元引き受けのできるケースはそれほど多くない。状況は15年前に帰国した5人の対応だけ考えても明らかである。
●かつて身分を偽装し兵庫県の高砂に潜伏していた李善実のようなスパイもいた。こういう人間がいたら見分けることは不可能ではないか。また、工作員ではなくても成りすましの可能性はある。(警察・公安調査庁)
●自治体の対応能力はどれだけあるのか。押しつけられても限界があるのではないか。
(総務省)
●ある人が日本国籍保持者であると分かったとき、その配偶者だと名乗る北朝鮮人がいた場合どうするか。親子ならDNA鑑定できるが配偶者はできない。現時点でもこの問題は起きている。寺越外雄さんは在日帰国者の女性と結婚したがその子供の日本国籍を法務省は認めようとしていない。(法務省)
●拉致被害者はもちろんだが戦後残留者や日本人妻なども含め北朝鮮に残っている日本人はすべて救出しなければならない。誰がどこにいるのかの情報が必要。その意味で難民としてやってきた人からの情報も重要になる。(外務省・自衛隊・警察)

(3)長期(定着する人についてのその後の対応)
●すでに200人以上の脱北帰国者がいるのだから、その人たちを含めて定住すべき人はそれに対応できる法整備が必要。(国会・厚労省)
●北朝鮮から日本に入国する人は現在でも様々な温度差がある。遺体を捨てる作業をしてきたような体験がトラウマになっており人を信じない。精神的な安定がなかなか得られない。その人達のケアをどうするかは専門家の手を借りるしかない。東日本大震災での被災者のケアを行った臨床宗教師のような存在も必要になる。(厚労省・文科省)
●これまでの脱北帰国者で日本に来るとき自殺用の薬を持っていた人もいる。日本が安全かも分からずやってくる。(厚労省)
●定着後の生活も考えなければならない。(厚労省)
●北朝鮮の中ではDVが日常化しているなど生活習慣の違いがある。それへの対処も必要。(厚労省・警察・文科省)
●独裁政権の中で育ってきているので民主主義が分からない。それを教えるためにも日本語が分からなければならず、語学教育が必要である。(文科省・厚労省)
●現在脱北帰国者の支援はほとんど民間でやっている。大量にやってきたら民間だけでは対応できない。政府・自治体・NGOの連携が必要。(文科省・厚労省・総務省)
●帰国運動は北朝鮮の責任、とりわけ総聯の責任が大きい。朝鮮総聯が現時点で存在していること自体が問題である。帰国者やその家族が戻れば当然総聯の責任が問われることになる。(国会・法務省・警察・公安調査庁)
●北朝鮮を安定させ、職場を作り、そこで無事に生活できるようにして、日本に関係のない難民が流入するのを防ぐ努力も必要ではないか。体制が変わればインフラ整備など北朝鮮への援助も必要だし、南北統一への動きが出てきた場合は当然韓国との連携も必要になってくる。(外務省・経産省)
●日本全体の人口政策との関係も考慮すべき。日本を目指す人は国籍に関わらずもともとの日本人以上に日本への憧れを持った人も多いと思われる。しっかりとフォローし、教育ができればまったく関係ない外国人の移民を受け入れるよりはプラスになる。(厚労省・文科省)
●教育については夜間中学などのシステムを活かせるのではないか。難民支援ための日本語プログラムを作る必要もある。(文科省)
●介護におけるケアマネージャー的な人材も必要ではないか。(厚労省)
●定着後の就職については労働組合のバックアップも必要ではないか。アルバイト的なものであれば半年~1年でできるようになる。(厚労省)
●高齢者の場合は軽労働と補助金のミックスで対処すべき(厚労省・財務省)

<「しおかぜ」の放送時間と周波数は以下の通りです>
22:00~23:00 短波5935kHz 6085kHz 7410kHzのいずれか
23:05~23:35 短波5935kHz 6085kHz 6095kHzのいずれか
01:00~02:00 短波6110kHz 7285kHz 7335kHzのいずれか

<調査会・特定失踪者家族会役員の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等>
※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。

・12月1日(金)19:30 「二本松青年会議所 講演会」(同会主催)
・二本松商工会議所大研修室(二本松市本町1-60-1 0243-23-3211)東北本線二本松駅徒歩5分
・代表荒木が参加
・問合せ 浅井さん 090-7069-4844

・12月8日(金)18:30「予備役ブルーリボンの会セミナー」(同会主催)
・拓殖大学文京キャンパス(東京都文京区小日向3ー4ー14)東京メトロ茗荷谷駅徒歩5分
・代表荒木が参加
・問合せ 荒木(090ー8517ー9601)

・12月12日(火)15:00「拉致問題を考える研修会」(愛媛県主催)
・愛媛県庁会議室(松山市一番町4ー4-2)伊予鉄市内線県庁前停留所下車
・代表荒木が参加
・問合せ先 愛媛県長寿介護課(089-941-2111内線3718)

・12月16日(土)14:00 北朝鮮人権週間啓発行事(拉致問題対策本部主催)
 (同行事の第3部が北朝鮮向けラジオ放送「ふるさとの風」「しおかぜ」共同公開収録)
・副代表村尾が参加
・事前申込みが必要です。
・問い合わせ先 内閣官房拉致問題対策本部事務局政策企画室(電話03-3581-8898)
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・channelAJER(チャンネル アジャ)では代表荒木の担当する番組『救い、守り、創る』を送信しています。会員制ですが1回30分の番組の前半は無料で視聴していただけます。
http://ajer.jp
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※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。
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<荒木共著『自衛隊幻想」』(産経新聞出版)>
・定価1200円(税別)
<荒木著『靖国の宴」』(高木書房刊)>
・定価1000円(税別)
<荒木著『北朝鮮拉致と「特定失踪者」』(展転社刊)>
・定価1800円(税別)
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特定失踪者問題調査会ニュース
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■特定失踪者問題調査会■
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