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2018年8月24日

吉田茂は拉致の従犯か? 【調査会NEWS2804】(30.8.24)

※前の号が本当は2803号だったのですが、日付もふくめて2802号のままで出してしまいました。そのため2803号を欠番にします。ご迷惑をおかけしてすみません。

 私は前々から北朝鮮による拉致事件は北朝鮮以上に日本の問題だったと言ってきました。敗戦から73年間続く「戦後体制」の中、安全保障を他の国に委ねながら「平和国家」を装ってきたことが、拉致を防げず、被害者をほとんど取り返せずさらに起きた拉致を隠蔽することにつながったのではないかというのが、この問題に取り組んで来た出した一つの結論です。

 それにしても大本のところで、具体的にどこがどう動いたのかという点になるとなかなかつかめなかったのですが、先日発刊された阿羅健一・杉原誠四郎著『吉田茂という反省』(自由社)を読んで、その謎の一部が解けたような気がしました。

 本書は吉田茂・元総理を批判したお二人の対談本なのですが、豊富な資料を使って検証したもので、単なる悪口とは根本的に異なります。それによると吉田が軽武装・経済発展を貫いて日本の復興の基礎を作ったということは幻想に過ぎず、軍隊がなければ独立国家としてやっていけないことを分かっていながら(しかも当時の世論調査でもそれを国民の多数が支持していたのに)それを無視し、その代わり米国との植民地・宗主国的な関係を自ら作って国家の基本を蔑ろにしたということです。

 吉田が言った「戦力なき軍隊」という詭弁は今日の自衛隊にも、自衛隊をとりまく環境にも影を落としています。「拉致被害者の救出に自衛隊が使えない」という、普通の国ならありえない議論も、考えてみれば発端は吉田茂なのかも知れません。日本が普通に軍隊を持って、少なくとも自衛のために戦える国であれば、そもそも北朝鮮も拉致などほとんどできなかったはずです。その意味ではこのひずんだ体制の基礎を作った吉田茂は拉致問題についても従犯と言って良いのかも知れません。

 また、もともと対米開戦のときの在米日本大使館の怠慢が「騙し討ち」という口実を米国に与えたのに、吉田がその責任者二人を次官にして過失を隠蔽したというのは拉致問題における隠蔽とも通じるものがあります。

 さらに、本書には韓国の李承晩・初代大統領が訪日したときの吉田の対応についても書かれています。当時はいわゆる「李承晩ライン」を韓国が宣布し、日本の漁船が拿捕されていたときでした。拿捕された漁民に対する韓国側の対応はひどいものだったと言われています。

 李大統領は反日的な姿勢を堅持していましたが、占領軍のクラーク司令官の呼びかけとはいえ、ともかく日本に来たのですから、漁業問題にも何らかの妥協点を探そうとした可能性があります。少なくとも日本側から出されるとは思ったでしょう。しかし本書によれば「吉田にとっては、そうした漁民達の苦しみは全く顧慮の外だった。吉田はその努力をポーズとしてもしなかった」(杉原氏)とあります。この雰囲気は拉致問題に対する外務省の姿勢、さらに危機に陥った在外邦人に冷淡な外務省の姿勢ともつながるものがあるように思います。

 しかしそんなことを見てくると、ものすごく大きな力で隠蔽されていると思ってきたものが、実はどこかに簡単に突破できる部分があるのではないかとも思います。一刻も早くその突破口を見つけなければなりません。

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特定失踪者データ(43)

◎氏名:山口 美好
◎よみかた:やまぐち みよし
◎生年月日:昭和14(1939)年3月1日
◎当時の年齢:26歳
◎失踪年月日:昭和40年3月3日
◎特徴:身長170センチ。細身だががっしりした体格。野球をしていた。生真面目でうまく立ち回れないタイプ。タバコ、酒は少々。
◎当時の身分:国鉄職員を退職し、別の仕事を探していた。
◎最終失踪関連地点:大阪府
◎当時の居住地:大阪府守口市
◎失踪の状況:職場の同僚が事故で死亡し、その現場を見たショックから「国鉄にいたくない」と言い出した。別の仕事を始めると言い出し、失踪前日の夜遅く、その仕事を紹介した人物と兄の家を訪れた。兄は反対し喧嘩になったが、翌日の朝心配して守口市の下宿先を訪ねると、一切の荷物が整理され、本人はいなくなっていた。身分証明書や現金等が机の上に残されていた。失踪後、家族が守口市役所を訪問して住民票を確認しようとしたが、原本が見当たらず、市の助役が謝罪するという出来事があった。

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<調査会・特定失踪者家族会役員の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等>
※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。

・8月25日(土)13:00 「北朝鮮によるすべての拉致被害者を必ず救出するぞ 島根県民大会松江地区大会」(北朝鮮による拉致被害者救出ネットワーク)
・立正大学付属高等学校淞南学園あららぎホール(松江市大庭町1794ー2)
・調査会荒木代表が参加
・問合せ 石原さん(090-9417-8363)

・8月26日(日)13:00 「北朝鮮によるすべての拉致被害者を必ず救出するぞ 島根県民大会大田地区大会」(北朝鮮による拉致被害者救出ネットワーク)
・大田商工会議所三階
・調査会荒木代表が参加
・問合せ 林さん(090-7593-7435)

・8月28日(火)18:30 「芝大門人権講座」(公益財団法人人権教育啓発センター主催)
・人権ライブラリー(港区芝大門2-10-12 浜松町駅徒歩8分、地下鉄芝公園・大門駅徒歩4〜5分)
・調査会村尾副代表が参加
・事前申込制です
・問合せ 人権教育啓発推進センター「芝大門人権講座事務局」(03-5777-1802)

・9月1日(土)13:30 拉致問題を考える埼玉県民の集い(救う会埼玉・埼玉県主催)
・埼玉会館(さいたま市浦和区高砂3-1-4 浦和駅西口徒歩6分)
・調査会荒木代表が参加
・問合せ 埼玉県福祉部社会福祉課(048-830-4786)

・9月5日(水)18:30「『その後』を考える集い6」(調査会主催)
・会場 UAゼンセン会館(千代田区九段南4-8-1 市ケ谷駅徒歩3分。地下鉄2番出口を出て直ぐ右に入り30メートル)
https://uazensen.jp/about/access/
・調査会役員及び加藤博・三浦小太郎「『その後』プロジェクト」特別顧問が参加
・問合せ先 調査会

・11月10日(土)「拉致問題講演会」(群馬県・救う会群馬他主催)
・松井田文化会館( 信越線西松井田駅徒歩7分 027-393-4400)
・調査会荒木代表が参加
・問合せ 群馬県地域福祉推進室(027-226-2518)
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・channelAJER(チャンネル アジャ)では代表荒木の担当する番組『救い、守り、創る』を送信しています。会員制ですが1回30分の番組の前半は無料で視聴していただけます。
http://ajer.jp
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※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。
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<荒木共著『自衛隊幻想」』(産経新聞出版)>
・定価1200円(税別)
<荒木著『靖国の宴」』(高木書房刊)>
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<荒木著『北朝鮮拉致と「特定失踪者」』(展転社刊)>
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特定失踪者問題調査会ニュース
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