「17人」と「100人以上」のギャップ 【調査会NEWS2844】(30.10.19)
政府認定拉致被害者は松本京子さんが認定されて以来11年間1人も増えておらず、17人のままです。警察断定の高敬美・剛姉弟を入れても19人に過ぎません。
国連の文書にはNGOの試算としてではありますが、「100人以上」と書かれています。青山学院大の福井義高教授も前に紹介したように統計学の手法による分析で「拉致濃厚な失踪者とそれ以外の失踪者を合わせて、少なくとも100人程度が北朝鮮に拉致されたことは合理的な疑いを超える事実である」と述べています。19人と「100人以上」の差は単なる誤差にとどまるものではありません。
政府は拉致被害者の全体像を現在の19人+αと考えているのか、あるいは100人以上と考えているのか、それとも警察の発表している900人弱程度と考えているのか、それを明らかにする責任があると思います。「分かっているのは北朝鮮当局だ」というのは個別の問題で、これだけやってきて全体像も分かっていないというのであれば言い訳のしようがないでしょう。
調査会としては認定自体が拉致問題進展の妨害要件にもなっているという認識で、特に認定を求める活動はしていませんが、現実問題として政府のパンフレットはその大部分が高姉弟すら除いた17人のことで占められています。その17人が大事であることはもちろんですが、17人か100人以上かとなれば問題の質自体が変わってきます。17人だけということになれば「昔起こった運の悪い人たちの話」というイメージが強くなりますが、「100人」となれば認定の17人も含めて自分たちにも関わる深刻な問題だということになるでしょう。
この点は菅大臣にお会いしたときにもお願いしようと思っていますが、政府は拉致問題をどれだけの規模の事件と認識しているのか、明らかにする必要があるのではないでしょうか。
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最新の北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧
http://araki.way-nifty.com/araki/2018/08/30816-64b3.html
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◎氏名:名取 志津子
◎よみかた:なとり しずこ
◎生年月日:昭和27(1952)年2月16日
◎当時の年齢:19歳
◎失踪年月日:昭和46(1971)年12月2日
◎特徴:小柄で丸顔
◎当時の身分:金物店(姉の店)勤務。その前は函館・札幌のお茶の会社に勤務していた。
◎最終失踪関連地点:北海道北檜山町(現せたな町)の勤務先より帰宅途中
◎当時の居住地:北海道・瀬棚郡瀬棚町(現せたな町)
◎失踪の状況:勤務先であった姉の嫁ぎ先から帰宅途中に行方不明となる。姉の嫁ぎ先は北桧山駅から400メートル離れた市街地にあり、当時は瀬棚線で通勤していた。当日は静岡から戻ってくる母が午後7時半頃北桧山駅に着く列車に乗る予定だったため、いつもより店を出る時間を約1時間遅らせた。帰り際に「明日母のお土産をもってくるから」と親類に言って店を出た。
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「力ずくでも拉致解決」覚悟なき安倍総理も河野洋平と大差なし
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