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2018年12月26日

日本版CIA?【調査会NEWS2889】(30.12.26)

 よく「日本版CIAを作らなければならない」という声を耳にします。その意図するところは語る人によってまちまちですが、大雑把に言えば縦割行政で情報が十分に活かされていないから各省庁の情報部門を統合したような機関が必要ということに集約されるかと思います。

 だとすれば断言できます。絶対にそんな機関はできません。無い物ねだりなどすべきではありません。

 これまで拉致問題への政府の対応を見てきた者からすると、そんな機関を作ろうとすれば絶対にポストの取り合いが起きます。トップを警察が取るか外務省が取るかとか、この部門はどこの省庁のポストだとか。強い役所が良いところをとって、あと余りを自衛隊とか海上保安庁とか公安調査庁が入るとか。そして格好だけもっともらしくなりながら実質は何も変わらない、というよりさらに訳が分からなくなるのがオチでしょう。上にそれを真剣に使って国を守ろうという気がないのですから。

 戦前は今のような米国任せができなかった分、自分で情報活動をやらなければなりませんでした。その意味では今より情報機関は遥かに能力も権限もあったと思いますが、それも統合されたものではありませんでした。それは情報に限ったことではなく、東条内閣の時代、総理が陸軍大臣と参謀総長を兼任するという、帝国憲法にも反する可能性のある権力の集中を行なったのに、その東条総理は海軍に対しては指揮命令をすることができませんでした。

 何しろ日本は陸軍と海軍の仲が悪かったために陸軍が航空母艦や潜水艦を作ってしまった世界唯一の国です。「海陸全力を挙げて戦い、余力をもって米英に当たる」というのは冗談とばかりは言えませんでした。その伝統(?)は現代の自衛隊のみならず各省庁にも引き継がれています。

 戦前で日本の情報機関として特筆されるのは満鉄調査部とか特高警察とか陸軍中野学校などになるでしょうが、共通するのはどれも横断的機関ではなく、個々の機関の中の組織だということです。おそらく日本人にはその方が向いているのでしょう。だから現代も、今のままでもその気になればできることは山ほどあります。していないだけです

 百年河清を待つがごとき「日本版CIA」の夢を追うよりはそれぞれの機関がちゃんと機能するように世論を高めるべきでしょうし、民間でできることはどんどんやっていくべきだと思います。ネットに掲載している木造船の漂流着岸一覧にしても、これが日本で公表されている資料としては一番詳しいものだと思います。もちろん山ほど抜けているところがあり、私自身「少年探偵団」(少年ではありませんが)の域を出ていないことは分かっています。それでも大事なことはまず民間が始めなければ進まない、というのが現実である限り、やっていくしかないと思っている次第です。

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<官房長官への要請文書と政府からの回答及びそれに対する見解>

3、自衛隊への任務付与について

<要請文書>
 拉致被害者救出のためにこれまで自衛隊にはほとんど任務が付与されてきませんでした。有事における邦人保護のため、あるいはその準備としての情報収集など、できること、しなければならないことは少なくありません。ぜひあらためて任務の付与をされますようお願い申し上げます。

<政府見解>
 政府としては、先般の平和安全法制の整備により、新たに、自衛隊による在外邦人等の救出や警護などの保護措置が実施できるようになったことは、一歩前進であると考えております。
 自衛隊は、平和安全法制で可能となった保護措置や各種の訓練についても順次実施しております。
 他方、自衛隊による救出活動には、国際法と我が国憲法上の制約があるため、これ以上の自衛隊の活用には限界があることは事実ですが、今後とも、政府全体として、拉致被害者の救出のために何ができるかについて、不断の検討を継続してまいります。
<回答に対する見解>
 現在必要なのは検討ではなく準備、そして実行である。特に地誌情報の収集などは自衛隊で行うのが最も適当であり、直ちに進めるべきと考える。また、北朝鮮に対する明確な国家としての意思表示のために日朝交渉に制服自衛官を同席させる等の措置の実現も求めたい。
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最新の北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧(更新に伴い場所を移動しました)
http://araki.way-nifty.com/araki/2018/12/301220-96bd.html
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<特定失踪者データ>
◎氏名:前上 昌輝
◎よみかた:まえがみ まさてる
◎生年月日:昭和32(1957)年7月16日
◎当時の年齢:20歳
◎失踪年月日:昭和52(1977)年10月22日
◎特徴:身長173センチ。絵画、書道が得意。写真に興味がある。筋肉質の体格。大けがのため左目がやや小さい
◎当時の身分:無職(大学受験準備中)。6〜9月にかけ、富良野の牧場で働く
◎最終失踪関連地点:北海道旭川駅
◎当時の居住地:京都市左京区
◎失踪の状況:高校卒業後、美大を志望して東京で受験するも失敗。1浪して地元京都を中心に受験するが再び失敗した。「人生修業のために北海道に行きたい」と言って、4月に京都の自宅を出発し、2ヶ月ほど横浜で当面の資金を稼いで、母に「お金が貯まったので、いよいよ北海道へ行く」と電話をしてきた。北海道に渡り、道庁で紹介を受けた富良野の牧場で4ヶ月ほど働く。8月下旬に母に電話で「大学受験を決意した」と話し、9月20日に牧場を退職。国鉄旭川駅前のホテルに2泊宿泊し、22日午前10時頃、旭川駅の荷物一時預りにザックを預け、「3日間お願いします」と言って出かけたのが最後で行方不明になった。//////////////////////////////////////////////////
<調査会・特定失踪者家族会役員の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等>
※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。

・1月12日(土)13:30「拉致問題を考える川口の集い」(川口市主催)
・川口駅前市民ホール フレンディア(川口駅東口前、キュポラ4階)
・特定失踪者家族会藤田副代表・調査会代表荒木が参加
・問合せ先 川口市福祉部福祉総務課(048-259-7929)

・2月9日(土)14:00「『北朝鮮拉致問題解結を願う都民の集い』コンサート」(東京都・政府拉致問題対策本部主催)
・なかのZERO小ホール(中野駅南口徒歩7分 中野区中野9-7)
・特定失踪者家族会生島幹事・調査会副代表村尾が参加
・問合せ先 東京都総務局人権部人権施策推進課(03-5388-2588)
 ※事前申込みが必要です。
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・FM「オレがやらなきゃ誰がやる!」
毎週木曜日21:00~、「RADIO TXT FM Dramacity 776.fm」(札幌)
副代表村尾がパーソナリティー
インターネット「ListenRadio」で札幌以外でもパソコン・スマホから聴取できます。
http://listenradio.jp
・channelAJER(チャンネル アジャ)では代表荒木の担当する番組『救い、守り、創る』を送信しています。会員制ですが1回30分の番組の前半は無料で視聴していただけます。
http://ajer.jp
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※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。
<荒木著『北朝鮮の漂着船』(草思社刊)>
・定価1600円(税別)
<荒木共著『自衛隊幻想」』(産経新聞出版)>
・定価1200円(税別)
<荒木著『靖国の宴」』(高木書房刊)>
・定価1000円(税別)
<荒木著『北朝鮮拉致と「特定失踪者」』(展転社刊)>
・定価1800円(税別)
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特定失踪者問題調査会ニュース
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