« 韓国政府が「レーダー照射した」と発表【調査会NEWS2899】(31.1.5) | トップページ | チャンネルAJER 『北朝鮮の漂着船①』 »

2019年1月 6日

厄介払い【調査会NEWS2900】(31.1.6)

 前号ニュースで私自身若干勘違いがありました。レーダー照射について統一部の発表の中であったものと思っていたのですが、記事にある「軍消息通」、つまり軍からだったようです。

 韓国政府が「当初レーダー照射したが問題になるようなことではない」と言っていたのを「レーダー照射していない」と言い換えた経緯については元日経ソウル特派員の鈴置高史さんが「日経ビジネスオンライン」に書いている「早読み 深読み 朝鮮半島」で「『現場の嫌がらせ』では済まないレーダー事件」として詳細に書いています。鈴置さんには11日の「『その後』を考える集い8」でもコメントをいただく予定なので、ご出席の方は御一読いただけると幸いです。

https://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120120/226331/

 さて、その韓国政府がレーダー照射していたと認めていたときの保守系有力紙「東亜日報」の記事(12月22日3:00 インターネット版)には下のように書かれています(荒木訳。日本語版の記事が出ていたら少し訳が異なっているかもしれません)。

 これと前号に載せた聯合ニュースの記事を付き合わせると、レーダー照射は規定の事実として報道されている点は一致しています。ある意味この点は結論が出ているということです。

 ただ、私が気になるのは木造船の方です。東亜日報の記事は明らかに不自然で、聯合ニュースの記事とも矛盾します。21日午後、日本政府が発表してから取材を始めて書いた記事だと思うので、まだ情報が不確かな部分もあったとは思いますが、最大の矛盾は骨と皮になるほど衰弱した木造船の乗組員を、救助から40時間位で北朝鮮に返してしまったことです。北朝鮮に返すと通知したのは21日ですから東亜日報の記事が出たときには既に北朝鮮に通知していたことになります。

 「関係当局の合同尋問」をどんなに素早くやっても1日で終わることはないでしょうし、韓国の医療技術がいかに進んでいても餓死直前の人間を40時間で回復させることはできません。結局「救助」ではなく何らかの理由による「厄介払い」だったとしか思えません。

 東亜日報の記事は記者には歪曲の意図はなかったと思いますが、情報提供者の意図的(あるいは場当たり的)な情報操作は感じられます。統一部・海洋警察・軍・そして大統領府と、それぞれの役所もバラバラのように感じられます。まだこれからも色々な情報は漏れてくるでしょう。個々の情報をそのまま鵜呑みにせず判断していただければ幸いです。たとえば衰弱していたというのが嘘である可能性もあり、あるいは北朝鮮に戻りたいという意思表示をしていない可能性もあると思います。

 私たちにとって問題なのは木造船の乗組員が「救助」されなかった場合、4体の遺体の乗った漂着船として能登あたりに漂着したのか、それとも一昨年11月の秋田県由利本荘市や北海道松前小島のように生きた状態で上陸したのか、あるいは別の何かだったのかということです。いずれにしてもこれは何らかの動きの氷山の一角であるはずです。

 日本政府が情報を軍事情報に関わる物以外も統制しているのも、このことと関係する可能性があります。それぞれの立場で情報をお持ちの方は(お役所の方も含め)ぜひお知らせ下さい。
------------------------------
[単独]海軍、東海(荒木註:日本海のこと)漂流北漁船救助…日本「韓国レーダー、わが哨戒機に照準」
  4、5名乗船者中一部は死亡…生存者北朝鮮帰還意志明らかにした模様
  軍「船舶捜索過程でレーダー稼働…通り過ぎた哨戒機に当たり起こった誤解」

 北朝鮮住民が乗った小型漁船が東海で操業中長期漂流してわが軍と海洋警察に救助された事実が遅ればせながら確認された。救助当時北朝鮮住民の一部は死亡した状態であり、残りの住民も餓死直前だったものと伝えられた。これに関連して日本政府は救助に参加したわが海軍艦艇が下記レーダーで近くを通り過ぎた自国の海上哨戒機を照準したと抗議した。わが軍当局は「北朝鮮船舶を救助しようとしたもの」と説明した。

 21日政府消息通によれば20日東海大和堆漁場で北朝鮮漁船1隻がわが海軍と海洋警察当局に救助された。北朝鮮漁船は1t未満の小型木造船で救助当時船には北朝鮮住民4、5名が乗っていたものと伝えられた。

 救助された北朝鮮住民中1、2名は既に息を引き取った状態であり残りの住民も長い間水と食料を摂取できず身体のあちこちが骨と皮だけになるほどで脱水症状が深刻だったという。ある消息通は「死体の状態と生存者の状況などを考慮するとき少なくとも3週間以上海上で漂流したものと推定される」と語った。

 北朝鮮漁船は漂流中近くを通り過ぎた他の船舶が発見して救助信号を送り、これを受けたわが軍は海軍艦艇を投入して夜遅くまで救助作業を繰り広げた。

 救助された北朝鮮住民は近くの病院で治療の後関係当局の合同尋問を受ける予定だ。北朝鮮住民は操業中気象悪化で漂流したと言い、帰順(亡命)意志を表明しなかったものと伝えられた。ある消息通は「北朝鮮住民は完治し次第北朝鮮に帰ることを望んでいるものと理解している」と語った。

 岩屋毅日本防衛相はこの日の午後記者会見で「韓国海軍艦艇が前日午後石川県能登半島近くの海上で火器統制レーダーで海上自衛隊のP1哨戒機を狙った」と語った。さらに「火器レーダー発射は実際の火器使用前に行う行為であり予想できない状態を引き起こしうる極めて危険な行為」だとし、「自体の重大性に鑑み韓国政府に強く抗議した」と語った。

 防衛省はホームページでも「韓国海軍広開土大王艦が海上自衛隊第4航空群所属P-1哨戒機に火器管制レーダーを撃ったと伝えた。NHKは複数の防衛省幹部が「韓国軍都の間でこのような問題が起きたことはなかった」とし、「艦国軍側の意図を仔細に調べる必要がある」と語ったと伝えた。

 これに対しわが軍は海軍艦艇が正常な作戦活動中レーダーを運用したが日本の海上哨戒機を追跡する目的で運用した事実はないと明らかにした。ある消息通は「遭難との報せを受け現場に出動した海軍駆逐艦が北朝鮮漁船を探索するためにレーダーを稼働し、その経緯を駐韓日本武官を通じて事前に説明したものと理解している」と伝えた。

尹サンホ軍事専門記者・東京=徐ヨンア特派員

 
————————————-
「その後」を考える集い8
————————————-
日程 平成31年1月11日(金) 18:15〜20:15
場所 文京区小石川運動場会議室(文京区後楽1-8-23 03-3811-4507)JR飯田橋駅東口徒歩6分
 http://www.city.bunkyo.lg.jp/sosiki_busyo_sports_shisetsu_koishikawa.html
登壇者 一色正春氏(元海上保安官)・代表荒木他調査会役員他
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<官房長官への要請文書と政府からの回答及びそれに対する見解>

10、連絡事務所の設置について

<要請文書>
 最近平壌への連絡事務所設置との話が聞こえてきます。自民党総裁選の折には石破候補がそれを発言し批判を受けました。北朝鮮内部の反政府組織などが拉致を行ったのであれば北朝鮮との間に関係を強めて問題の解決にあたるのは分かりますが、拉致をしたのは北朝鮮の国家機関です。北朝鮮に対しては圧力を強めていく以外に救出の方法はありません。国交正常化の動きにつながりかねない連絡事務所設置はされないようお願い申し上げます。

<政府からの回答>
 今後の政府の対応について様々な御意見があることは承知しておりますが、政府としては、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核・ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、北朝鮮との国交正常化を目指す考えであり、拉致問題の解決に向けて引き続き全力を尽くしてまいります。

<回答への見解>
 「引き続き」というのはこれまでのやり方を踏襲するということと理解するが、それでうまくいっていないことは明白である。「不幸な過去を清算」というアメだけで、「ムチ」が述べられていないことは、「全力を尽くしてまいります」という言葉と矛盾する。あらためて「ムチ」を強めるよう求める。
-----------------------------------------------
最新の北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧(更新に伴い場所を移動しました)
http://araki.way-nifty.com/araki/2018/12/301220-96bd.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
——————————————————————————
<特定失踪者データ>
◎氏名:星野 正弘
◎よみかた:ほしの まさひろ
◎生年月日:昭和31(1956)年1月13日
◎当時の年齢:23歳
◎失踪年月日:昭和54(1979)2月末
◎特徴:身長179センチ。ややスマート。タバコ吸う。酒飲む。眼鏡をかけている。
◎当時の身分:無職。前年末まで東京の運送会社に勤務。
◎最終失踪関連地点:東京都杉並区か三鷹市
◎当時の居住地:東京都杉並区か三鷹市
◎失踪の状況:前年末まで働いていた運送会社を辞め、その年2月に新潟県小千谷の実家に里帰りした。その後「これから東京に行って職を探す」と言って東京に戻ったが、アパートの大家さんから実家に「もう2ヶ月以上もいない」と連絡が入った。アパートには眼鏡、免許証、預金通帳等おいたまま。部屋は整理されていた。

//////////////////////////////////////////////////
<調査会・特定失踪者家族会役員の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等>
※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。

・1月11日(金)18:15「『その後』を考える集い8」(調査会主催)
※詳細上記

・1月12日(土)13:30「拉致問題を考える川口の集い」(川口市主催)
・川口駅前市民ホール フレンディア(川口駅東口前、キュポラ4階)
・特定失踪者家族会藤田副代表・調査会代表荒木が参加
・問合せ先 川口市福祉部福祉総務課(048-259-7929)

・2月9日(土)14:00「『北朝鮮拉致問題解結を願う都民の集い』コンサート」(東京都・政府拉致問題対策本部主催)
・なかのZERO小ホール(中野駅南口徒歩7分 中野区中野9-7)
・特定失踪者家族会生島幹事・調査会副代表村尾が参加
・問合せ先 東京都総務局人権部人権施策推進課(03-5388-2588)
 ※事前申込みが必要です。
----------
・FM「オレがやらなきゃ誰がやる!」
毎週木曜日21:00~、「RADIO TXT FM Dramacity 776.fm」(札幌)
副代表村尾がパーソナリティー
インターネット「ListenRadio」で札幌以外でもパソコン・スマホから聴取できます。
http://listenradio.jp
・channelAJER(チャンネル アジャ)では代表荒木の担当する番組『救い、守り、創る』を送信しています。会員制ですが1回30分の番組の前半は無料で視聴していただけます。
http://ajer.jp
-----------
※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。
<荒木著『北朝鮮の漂着船』(草思社刊)>
・定価1600円(税別)
<荒木共著『自衛隊幻想」』(産経新聞出版)>
・定価1200円(税別)
<荒木著『靖国の宴」』(高木書房刊)>
・定価1000円(税別)
<荒木著『北朝鮮拉致と「特定失踪者」』(展転社刊)>
・定価1800円(税別)
_________________________________________
特定失踪者問題調査会ニュース
---------------------------------------------------------
〒112-0004東京都文京区後楽2-3-8第6松屋ビル301
Tel03-5684-5058Fax03-5684-5059
email:comjansite2003■chosa-kai.jp
※■を半角の@に置き換えて下さい。
調査会ホームぺージ:http://www.chosa-kai.jp/
YouTube https://www.youtube.com/channel/UCECjVKicFLLut5-qCvIna9A
発行責任者荒木和博(送信を希望されない方、宛先の変更は
kumoha551■mac.com宛メールをお送り下さい)
※■を半角の@に置き換えて下さい。
<カンパのご協力をよろしくお願いします>
■特定失踪者問題調査会■
●クレジットカードでのカンパが可能です。ホームページから入って手続きできます。
●郵便振替口座00160-9-583587口座名義:特定失踪者問題調査会
●銀行口座 みずほ銀行 飯田橋支店 普通預金 2520933 名義 特定失踪者問題調査会
●労金口座 中央労働金庫 本郷支店 144093 名義 特定失踪者問題調査会代表 荒木和博
(郵便振替以外で領収書のご入用な場合はご連絡下さい)
■特定失踪者家族会■
郵便振替口座 00290-8-104325 特定失踪者家族会
銀行口座 ゆうちょ銀行 普通預金 店番128 口座番号4097270 特定失踪者家族会 代表者大澤昭一
______________________________________________________

|

« 韓国政府が「レーダー照射した」と発表【調査会NEWS2899】(31.1.5) | トップページ | チャンネルAJER 『北朝鮮の漂着船①』 »