特別検証若狭・但馬報告【調査会NEWS2939】(31.3.1)
2月19日〜21日に実施した特別検証についての報告です。
特別検証11(福井県若狭地方・兵庫県但馬地方 平成31年2月20日~21日)
1、検証目的
この冬福井県特に若狭地方への北朝鮮木造船の漂着が多い。また兵庫県豊岡市では女性の遺体が漂着している。漂着した竹野町切浜海岸は近くに秋田美輪さんのバッグと靴の落ちていた弁天浜があり、それらの関係を調査することを目的として特別検証を行った。なお今回は事前に特別検証実施を決めて行ったのではなく、調査の日程を立てていくうちに特別検証にすることになったものである。
2、日程
平成31年(2019)2月19日 福井
2月20~21日 兵庫
3、参加者
(1)福井
調査会 代表荒木・常務理事北條
救う会福井 森本信二会長
(2)兵庫
調査会 代表荒木・常任顧問岡田
特定失踪者家族会 吉見美保幹事(秋田美輪さん姉)
4、検証
<福井県若狭地方>
(1)美浜町 耳川河口付近 木造船
長さ4.1m 幅1.65m 高0.5m 機関および舵なし。機関およびスクリューは付いていた痕跡もない。他の木造船と比べて幅広寸詰まりで浅いのが特徴。文字もないので本当に北朝鮮のものかと思ったがコールタール塗装などを考えると北朝鮮のものと考えるべきだろう。
(2)美浜町 菅浜
長さ5.16m 幅1.42m 高さ0.53m エンジンを外しスクリューのシャフトは塞いであった。船首内側にプレートがあり、次のように書かれていた。
機関名 自然保護連盟釣り協会
船番号 ㅈ-전-1-83531
トン数 0.5トン
船尾には「피김」とあった。船番号のㅈは咸鏡北道を指す言葉らしい。전は伝馬船の意味と思われる。まさに伝馬船であった。
(3)小浜市田烏
木造船の前半部 長さ5.5m幅2.9m高さ1.7 全長はおそらく10~15mあったものとおもわれる。国立若狭青少年自然の家の裏の海岸に漂着しているが、当初陸上からのアクセスが難しく船で近づくことにしていた。しかし当日は天候不順で船が出せず、船主が青少年自然の家の人と相談してくれて陸地からのアクセスができた。波と潮の状況によっては確かにアクセスは難しかったと思われる。船腹には593-161(その後の部分は破損)と記載されている。
<兵庫県但馬地方>
(1)豊岡市役所
12月30日に漂着した女性の身元不明遺体についてヒアリング。
情報は海保から聞いた。当初の話は「マネキンのようなものが転がっているとの話で、時間をおいてみたら遺体だった」とのこと。この点は30日に第一発見者の小学生が見て、31日に母親が確認したということと一致する。
担当者は豊岡南署の霊安室で遺体を見た。何重にもなった袋に入っており、その一部を開けて見せてもらった。そこで納棺して火葬し豊岡斎場にある行旅死亡人を祀る慰霊塔に遺骨を安置した。遺留品は一緒に火葬している。DNA鑑定はしていると思う。市としての官報への告示は海保からもらった資料の情報で作成した。
官報の内容は以下の通り。
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本籍・住所・氏名不明、人相不詳、一部白骨化、身長約155センチメートル、年齢は20代から30代(推定)、女性、着衣は救命胴衣(ハングル文字記載)、黒色ジャンバー、黒色長袖セーター、ピンク色シャツ、ベージュ色シャツ、黒色ブラジャー、黒色ズボン、黒色パッチ、赤色パンツ
上記の女性遺体は、平成30年12月30日午前10時頃、兵庫県豊岡市竹野町所在の猫崎灯台から真方位228度2500メートル(切浜川河口から上流約30メートル)付近で発見されました。身元不明につき火葬に付し、遺骨を安置しています。お心当たりの方は、当市福祉事務所社会福祉課生活援護係までお申し出下さい。
平成31年2月4日 兵庫県 豊岡市長
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なお、この遺体について渡辺周衆議院議員の事務所から資料請求したところ、ライフジャケットの写真が送られてきた(次ページ)。背中の真ん中の所には縦に「ㅈー자ー940」と書かれている。ㅈは地 域を示すと思われる。자は船の種類か。その後の940は船の番号だろう。その下には横書きで3文字書かれており、一番左の字は薄れて読めないが、あとの2文字は「イェリン」と読める。女性の名前ではないか。さらにその下には「キムチェク」と薄く字が読める。これは金策市を意味すると思われる。さらにその下に横書きで「へアン」とあり、これは普通考えれば「海岸」だが、なぜライフジャケットにわざわざ「海岸」と書く必要があるのかは疑問である。
(2)切浜
ここから地元の中川建二氏が案内してくれた。遺体が漂着した豊岡市切浜で漂着状況について調べた。第一発見者の小学生の母親の話は以下の通り
●12月28日から29日にかけて大きな漁業関係のものが大量に海岸に流れ着いた。
●12月30日に息子さん(小学生)が見つけた。翌日現場に行って最初に見たときは首も手足もなかったように見えたが、これはそれらの部分が砂に埋まっており胴体だけが露出していた ためだった。遺体であることは確認できたので警察に通報した。数日後に警察から女性であると聞いた。
●遺体が漂着していた切浜川の橋の上流側が警察、下流側が海保の担当と聞いた。
(3)弁天浜
秋田美輪さん失踪翌日にバッグと靴が発見された場所。
秋田美輪さんは昭和39(1964)年1月25日生まれ。神戸松蔭女子大学4年生だった。昭和60(1985)年12月4日(当時21歳)、大学へ行くために川西市の自宅を出かける。午前の授業を受けたのち、1時過ぎに学食で友人と食事をとり、校門近くで友人と別れる。夜8時過ぎに「友人宅へ泊まる」と自宅に電話があった。しかし翌5日朝8時過ぎ、兵庫県警城崎署から自宅に「竹野町弁天浜でバッグが見つかった」と電話があった。残されたバッグの中には100km~150kmの急行券があった。この急行券では大阪駅から竹野町弁天浜の最寄りの竹野駅まで193.5kmで圏外となり、しかも検札などの跡がなかった。この時期若い女性の失踪が相次いでおり、遺留品の残し方は1年半前に甲府市から失踪した山本美保さんと酷似している。特定失踪者問題調査会では拉致の疑いが濃厚な失踪者としている。この日は吉見さんが当日弁天浜に置かれていたバッグと靴を持参。実際に現場に置いて状況を確認した。前述の急行券のことなど、この遺留品は実行犯が捜査の目をくらますために行った偽装工作の可能性が高いと思われる。
なお、吉見さんは美輪さんが持っていた書籍を持参した。検証終了前に香美町の海岸で広げて写真撮影した。小説の復刻本などが多かったが、あまり読んだようにはみられなかった。国文科の学生だったので先生から勧められたりしてとりあえず購入したものだったのかも知れない。思想的な書物は全くなかった。
(4)香美町磯の松島
後述の「磯の松島事件」の現場。地形からするとこの写真の崖下のあたりかと思われる。確かに道路からは見えにくいし、近くに灯台もあり、外からは入りやすい場所である。
(5)香美町香住区下浜
木造船(長さ約3.85m幅1.1m高さ0.45m 船尾と船首に「757-81627」と記載)が上記遺体と同じ平成30年12月30日漂着した。美浜の2隻もそうだが非常に小さい船でエンジンも付いていない。船外機が付いていた形跡もない。どのように使うのかが疑問。大型船が曳航するにしてもこのような小さな船では直列に繋げば船体が持たないのではないかと思われる。
(7)香住海上保安署
事前のアポはとっていなかったので門前払いも覚悟しながら訪れたが次長が対応してくれた。
遺体は現地でとりあえずの検屍をした後警察に渡した。保安署には遺体を安置しておくスペースがないため。現地での検屍では衣服を外すと遺体が崩れそうだったのでそのまま警察に渡した。1月2日に豊岡南署に神戸大から来て司法解剖を行ったとのこと。
※遺体の性別について
地元香住の海上保安署では特に感じなかったが、上では海保はこの遺体、特に性別については異常とも思えるほど隠そうとしている。渡辺周議員からの資料請求等に対しても極めて非協力的だったとのこと。他の筋から調べても基本的には大差はなかった。漂着しているのを見た地元の人がその服装から女性ではないかと思ったとの話もあったが、最低限1月2日に豊岡南署で解剖した時点で遺留品だけでも女性とは分かったはずである。しかし現実には2月4日に官報で女性の遺体と告示された後ですら海保は性別を不明としていた。想像されるのは上からの指示で若い女性の遺体が漂着したということは隠さなければならなかったということだ。この点については今後さらに調べる必要があると思われる。
(参考)但馬地方で明らかになっている関連事件
<浜坂事件>
昭和35年(1960)9月29日、浜坂町(現新温泉町)付近の海岸から密出国しようとした北朝鮮工作員金俊英とAの2名が密出国に失敗して東京のアジトに戻ろうとしていたところを逮捕された事件。
<工作船事案>
昭和45年(1970)4月14日、海保巡視船が兵庫県城崎郡竹野町切浜沖約500mにて無灯火の不審船を発見、追跡中の巡視艇「あさぎり」に対し銃撃。追跡するも停船させるに至らず
<切浜事件>
昭和49年(1974)9月19日 密入国した北朝鮮工作員咸国上と密出国しようとしていた在日(韓国籍)の北朝鮮工作員Aが竹野町切浜海岸で逮捕された事件。Aは昭和47年(1972)4月に秋田県の海岸から北朝鮮に密出国し昭和49年(1974)5月兵庫県下の海岸から密入国していた
<磯の松島事件>
昭和55年(1980)6月12日香美町磯の松島で密出国しようとしていた北朝鮮工作員2名が逮捕された事件。前日11日海保巡視船が香住町余部埼沖約23km地点にて白灯を点じた漁船型の不審船及び余部埼沖約9.4海里(約17km)にて無灯火小型船を発見、巡視船艇・航空機により追跡するも当該不審船はレーダー映像上で無灯火小型船と重なった後、逃走している。
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最新の北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧(更新に伴い場所を移動しました)
http://araki.way-nifty.com/araki/2018/12/301220-96bd.html
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<特定失踪者データ>
◎氏名:下地 才喜
◎よみかた:しもじ さいき
◎生年月日:昭和37(1962)年7月10日
◎当時の年齢: 22歳
◎失踪年月日:昭和60(1985)年4月
◎特徴:身長165センチ。血液型B型
◎当時の身分:アルバイト(杉並区内のパブ)
◎最終失踪関連地点:東京都
◎当時の居住地:東京都杉並区
◎失踪の状況:昭和58年に東京で働きながら資格を取ると沖縄から上京。昭和60年4月にラジカセを月賦で買うから保証人になってくれと実家に電話したのが最後。10月に月賦不払いの通知が母親に来たことから失踪が判明。その後、実家に無言電話が2回あった。
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<調査会・特定失踪者家族会役員の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等>
※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。
・3月21日(木曜・祝日)14:00「『その後』を考える集い9」(特定失踪者問題調査会主催)
・弘前市社会福祉センター(弘前市大字宮園2-8-1 Tel 0172-33-1161)
※弘前市立時敏(じびん)小学校北隣り
・特定失踪者家族会大澤会長・今井副会長・調査会代表荒木他役員が参加
・4月17日(水)18:45「平成の大演説会」(展転社主催)
・文京シビックセンター(春日駅・後楽園駅すぐ 文京区春日1-6-21)
・調査会代表荒木が参加
・問合せ先 展転社(03-5314-9470)
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毎週木曜日21:00~、「RADIO TXT FM Dramacity 776.fm」(札幌)
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