菅官房長官「しおかぜ」支援に言及 【調査会NEWS2957】(31.4.2)
特定失踪者問題調査会副代表 村尾建兒
本日午前の記者会見で菅義偉官房長官兼拉致問題担当大臣は北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」の二重放送について、「まず特定失踪者問題調査会からの二重放送実施に伴う経費支援に関する要望について、今後予算の執行状況を踏まえつつ、拉致問題対策本部事務局において可能な限りご要望にお応えしたいということで、検討中だ。政府としては拉致問題の解決に向けて全力で取り組んで行きたいと思う」と答えました。産経新聞が3月31日付1面トップで報じたことを受けた質問への回答と思われます。
特定失踪者家族会と特定失踪者問題調査会は3月21日付で、菅官房長官宛に「しおかぜ二重放送の支援」、「ふるさとの風・しおかぜ共同公開収録の地方開催」、「有事に於けるしおかぜ24時間放送への支援」について要望書を提出。さらに特定失踪者家族会は、この要望書を菅官房長官に手渡すための面会要請をしています。
北朝鮮当局は、昨今の融和策を展開する中でも、一切「しおかぜ」に対する妨害電波発射を止める事はなく、ラジオでの情報注入が如何に効果的であるか裏付けています。「しおかぜ」では、その妨害電波回避、北朝鮮内への情報注入、被害者ご家族の思いと希望を届ける事を最優先と考え、政府から支援決定を待つ事なく、既に4月1日深夜1:00より二重放送の送信を開始しています。
今後も「しおかぜ」は、すべての拉致被害者救出を実現するため、あらゆる策を図り全力で取り組んで参ります。本日の菅官房長官の発言が速やかに履行される事を切望すると共に、国民の皆様には、更なるご理解とご支援を賜りたくお願い申し上げます。なお、以下に御参考まで3月21日付で拉致問題対策本部に送った特定失踪者家族会と調査会の要請文書を付けておきます(3月20日付2950号既報)。
<特定失踪者家族会の要望書>
内閣官房長官・拉致問題担当大臣 菅義偉閣下
平成31年3月21日
特定失踪者(北朝鮮による拉致の疑いを排除できない失踪者)家族有志の会 会長 大澤昭一
すべての拉致被害者を救出するための緊急要望書
閣下に於かれましては様々な問題山積の中、拉致被害者救出に向けた力強い
ご理解とご努力に心より感謝申し上げます。
さて昨年11月11日に提出申し上げた要請文の第4項、「対北放送について」にも述べていますが、北朝鮮に対するラジオ放送は日本からの情報注入方法として、北朝鮮国内において大変効果の高いものであると判断でき、かの国の妨害電波に対応するための二重放送、中波放送の必要性は喫緊の課題であります。
またラジオ放送は、北朝鮮の地で日本からの救出を長年待ち続けている多くの拉致被害者の希望の光であり、命の灯でもあります。
更に内閣府拉致対策本部と連携して毎年実施している「ふるさとの風・しおかぜ共同公開収録」は国内各地において、一般市民への拉致問題啓発の参加型事業として、参加者が「自分の声で直接北朝鮮に呼びかける」という意識を持つことができる大変意義あるものであります。その成果の一つとして北朝鮮に向けてラジオで放送することは、短波・中波放送の充実とともに相乗効果を期待できる事業であると思います。どちらか一方があればよいというものではありません。
とにかく、北朝鮮で助けを待っている方々を一刻も早く救出するためには、あらゆる手立てを講ずるべきであり、民間組織ながら長い年月に亘って被害者家族に寄り添い続け、様々な模索を続けてくださる特定失踪者問題調査会には、特定失踪者家族は全幅の信頼と期待を寄せている次第です。
特定失踪者家族会は認定者を含めたすべての拉致被害者が、一日も早く命のあるうちに日本に帰国できるよう、別紙特定失踪者問題調査会からの要望書に対し、速やかに実行できるよう政府が誠意あるご対応を、心からお願い申し上げます。
以上
<特定失踪者問題調査会の要望書>
平成31年3月21日
内閣官房長官兼拉致問題担当大臣 菅義偉様
特定失踪者問題調査会代表 荒木和博
「しおかぜ」二重放送支援等についての要望書
昨年11月に官房長官へ提出した要請書、また、先日の国会でも議論された通り、調査会では北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」の妨害電波対策強化として、同一時間、別周波数による二重放送を平成31年3月31日から開始することといたしました。
既に関係機関との調整等準備も概ね完了しており、現在内閣官房拉致問題対策本部事務局と事業委託契約(支援)の調整を進めているところですが、この段階で二重放送の支援について、拉致問題対策本部事務局と共同主催で実施している啓発イベント「ふるさとの風・しおかぜ共同公開収録」の開催回数を削減する事により、事業委託費を捻出する案が提示されています。
しかし、情報を北朝鮮に送る「しおかぜ」の二重放送と、啓発イベントである共同公開収録をバーターにし、政府の啓発活動としても一定の成果を挙げている行事を削減するのは本末転倒であると考えます(もちろん、被害者救出のために全てを犠牲にしなければならない場合であれば別ですが)。
また、現在停波している中波放送については、英国の送信会社「Encompass社」と連絡を取り合い、3月7日に「4月からの再開を念頭に、送信施設のある第三国政府関係機関と協議を続けている」との連絡が届いており、被害者ご家族が熱望する中波放送の再開にも即時対応するために備えているところです。
現状、拉致対との事業委託契約に、中波についての支援は盛り込まれていますが、短波放送への妨害電波が止まないのは北朝鮮側が拉致被害者や一般国民、あるいは幹部に聞かせたくないからであり、さらに強化することが必要であると考えます。さらに今後北朝鮮の状況が急変した場合、既に準備を済ませている短波の24時間放送を開始するときが来る可能性があります。これへの対応も合わせてお願い申し上げます。
また拉致問題を知らない層が増えている今、官民一体オールジャパンで取組む拉致問題啓発イベントも極めて重要です。ぜひともご考慮頂きたくお願い申し上げます。
要請事項
1、二重放送に伴う増額分のうち、半額にあたる4,000,000円の拠出
※KDDI(株)平成31年度支払い増額分は8,244,000円 (税別)になります。残額はこちらで努力して準備します。なお、二重放送開始に伴い、拉致対との事業委託契約である番組内の「2分間政府メッセージ」放送は、そこだけ除いて編集するのは物理的に無理なので、単純に倍の回数、北朝鮮へ向け放送されます。
2、拉致問題啓発イベント「ふるさとの風・しおかぜ共同公開収録」の今年度実績同様の地方開催3箇所実施
3、24時間放送開始時の支援
以上
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最新の北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧(更新に伴い場所を移動しました)
http://araki.way-nifty.com/araki/2019/03/3131-1dd6.html
着岸漂流一覧と失踪関連地点マップ
https://drive.google.com/open?id=1Nsd5Xf9dqDa6AsYv5_4VspEFmeNh95qS&usp=sharing
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<特定失踪者データ>
◎氏名:東 修治
◎よみかた:あずま しゅうじ
◎生年月日:昭和38(1963)年1月24日
◎当時の年齢:24歳
◎失踪年月日:昭和62(1987)年10月
◎特徴:身長175センチ。体重75キロ。足のサイズ27.5cm。交通事故により左手首からひじの間がくの字型に変形している。
◎当時の身分:運送会社社員(病気で休業中)
◎最終失踪関連地点:神奈川県港南区
◎当時の居住地:神奈川県港南区
◎失踪の状況:横浜市内の住居の不動産屋から九州の実家に家賃滞納の連絡があり、家族が横浜のアパートに行ったが、部屋は突然出て行ったような状態だった。お金や運転免許証は残されておらず、車は置いたままだった。免許証の更新はされていない。失踪後、実家に無言電話があった。昭和62年10月頃本人より胃病のため会社を休んでおり、実家に送金を依頼する連絡があり、家族が本人の口座に振り込んだ。
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<調査会・特定失踪者家族会役員の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等>
※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。
★4月17日(水)18:45「平成の大演説会」(展転社主催)
・文京シビックセンター(春日駅・後楽園駅すぐ 文京区春日1-6-21)
・調査会代表荒木が参加
・問合せ先 展転社(03-5314-9470)
★9月8日(土) 14:00「中村三奈子さんをさがす会」集会(同会主催)
●アオーレ長岡(長岡駅徒歩3分)
●特定失踪者家族会中村クニ幹事・調査会代表荒木が参加
●問合せ:中村三奈子さんをさがす会 090-4279-4724
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・FM「オレがやらなきゃ誰がやる!」
毎週木曜日21:00~、「RADIO TXT FM Dramacity 776.fm」(札幌)
副代表村尾がパーソナリティー
インターネット「ListenRadio」で札幌以外でもパソコン・スマホから聴取できます。
http://listenradio.jp
・channelAJER(チャンネル アジャ)では代表荒木の担当する番組『救い、守り、創る』を送信しています。会員制ですが1回30分の番組の前半は無料で視聴していただけます。
http://ajer.jp
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※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。
<荒木著『北朝鮮の漂着船』(草思社刊)>
・定価1600円(税別)
<荒木共著『自衛隊幻想」』(産経新聞出版)>
・定価1200円(税別)
<荒木著『靖国の宴」』(高木書房刊)>
・定価1000円(税別)
<荒木著『北朝鮮拉致と「特定失踪者」』(展転社刊)>
・定価1800円(税別)
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