吉見美保さんスピーチ【調査会NEWS2981】(R01.5.13)
すでに報道されているように5月10日菅義偉官房長官兼拉致問題担当大臣も参加してニューヨークの国連本部で開催された日本政府主催のシンポジウムには特定失踪者家族会から幹事で秋田美輪さんのお姉さん、吉見美保さんが参加しました。以下吉見さんのスピーチをお知らせします。この音声は後日「しおかぜ」でも北朝鮮に向けて放送されます。
――――――――――――――――――――-
国連でのシンポジウムへお招きいただきありがとうございます。私は特定失踪者 秋田美輪の姉 吉見美保と申します。
特定失踪者とは北朝鮮による拉致の可能性の排除できない失踪者のことです。1997年2月、ここにいらっしゃる横田拓也さんの姉めぐみさんが拉致されていることが国会の質問と報道によって明らかになりました。それがきっかけとなって救出のための国民運動が始まり、2002年9月に訪朝した小泉総理に当時の金正日労働党総書記が拉致を認めるに至りました。めぐみさんについて北朝鮮は死亡したとの嘘の情報を伝えてきましたが、一方で5人の拉致被害者を帰国させました。その中に日本政府が拉致と思っていなかった曽我ひとみさんがいたため、原因不明の失踪者をかかえる多くのご家族から「私の家族も北朝鮮に拉致されたのではないか?」との声が上がりました。2003年にそれらの失踪者を調査するための民間団体、特定失踪者問題調査会が設立されましたが、現在同会にある特定失踪者のリストは約470人に上ります。さらに日本警察は特定失踪者の数を約900人と発表しています。
特定失踪者の事件を調べて行くと偶然とはいえない共通点が浮かび上がってきます。
・埼玉県川口市や神戸市灘区のように同じ地域に関係した多数の失踪者がいる。
・1960年代には中学生や高校生が多く、1970年代にはカップルや親子での失踪が多い。
・1980年代中頃と1990年代初めに全国で不審な若い女性の失踪が集中する。
・職業的には看護師や衣服関係、電話に関わる仕事をしていた人の失踪者が多い。
これは一部にすぎませんが、場所も時間も異なる失踪者に不思議な共通点があるのです。そしてそれらの中には北朝鮮での目撃情報や写真が出てきた人も少なくありません。
私達特定失踪者の家族の願いは、「北朝鮮にいる家族を取り戻したい」それだけです。そのためにニューヨークまで参りました。どうぞ、北朝鮮に今も救いを求めて待っている拉致被害者の一例として私の妹の話を聞いてください。
私の妹は1985年12月4日13時ころ、通っていた兵庫県神戸市にある大学の門前で友人と別れてから、行方不明です。21歳でした。12月5日朝8時に家に警察から電話がはいり、同じ兵庫県ですが、180km離れた日本海側の海岸で靴と鞄が見つかったと連絡がありました。妹はこの海岸へ行った事はありません。ここは、当時地元の人しか知らない浜でした。
3日間、警察、海上保安庁、地元の漁師の方々が船を出して下さり、ダイバーもCの字形の湾内を潜って遺体を探しましたが、見つかりませんでした。その入江では、入水自殺した人がいても、遺体が外海へ出るまでには、半年かかると地元の方達は当時おっしゃいました。
捜索は打ち切られ、新聞には「自殺か?」と報じられました。
しかしながら、この弁天浜へ行くための大阪からの急行券が浜で見つかった鞄に残されていましたが、ひとつ手前の急行停車駅までの券でした。距離が足りません。また、靴と鞄は発見された時濡れていませんでしたが、12月5日の早朝には雨が降っていたのです。
この3つの事実は、本人がそこに行ったのではなく何者かによって、捜査の撹乱のため作為的に靴と鞄が浜に置かれていた可能性を示しています。同様の捜査の撹乱と思われる事件は特定失踪者で多数起きています。特定失踪者問題調査会では美輪を拉致の可能性の高い失踪者としており、私達家族はきっと北朝鮮で生きている、と信じています。
妹は、読書と料理の好きな女の子でした。机の周りには、アンデルセン大賞をとった児童文学や、日本の古典がおかれ、母の持っていた料理本の目的の料理のレシピが載っているページを覚えているくらい料理も好きでした。北朝鮮には何の関係もなく、興味を持っていたわけでもありません。自ら望んで北朝鮮へ行くとも思えません。先程述べた偽装工作から考えて無理矢理北朝鮮に連れていかれたとしか考えられません。
もう13年前になりますが、父は北朝鮮へ向けた短波放送「しおかぜ」の最初の録音で以下のように訴えています。
/////////////////////////////////
美輪ちゃん、貴女は今どこにいるの?私はお父さんだよ。秋田正一郎だよ。
急にいなくなってびっくりしています。もう20年になりますね。
お母さんも始めは何があったのかと放心状態でしたが、いまは何とか元気で私と一緒に貴女といつ会えるかと首を長くして待っています。早く貴女のコーヒーを飲みたい。
1985年12月4日の夜川西の家でお母さんが貴女からの電話で「今晩、Kさんのところでとまる」との声を聞いています。そして翌12月5日朝、貴女の靴とバッグが竹野町の弁天浜海岸で発見され、バッグの中から大阪駅発行の150キロまでの急行券と貴女の学生証等が発見されています。Kさんは「12月4日昼1時ごろ学校の校門付近で美輪さんと別れてから一度も会っていません」といっております。私たち両親には何が何だかわからないのです。
もし返事をもらえるなら居場所だけでも、また元気かどうかも教えてください。待っています。
/////////////////////////////////
このメッセージは、ここへ来る事の出来ない特定失踪者の親世代全員の気持ちです。
とはいえ、特定失踪者の親は、いなくなった子供を思い、日本が子供を取り返してくれると信じながら、年月とともに亡くなられています。特定失踪者のご家族にお会いするたび、今も北朝鮮に残された拉致被害者だけでなく、日本にいる多くのご家族の生活を変えてしまった拉致に憤りを覚えます。
現在の父は認知症を患い、人との会話さえ難しくなりました。妹に会っても分かるでしょうか。父は今年3月87歳になりました。母も後数日で85歳になります。両親が生きているうちに妹が日本へ帰国し、両親と会えたら、両親はどんなに喜ぶ事でしょう。
日本が拉致された日本人を取り戻すため、各国の皆様のご協力をさらに続けていただけますようにお願い致します。
2019年5月10日
----------------------------------------------
最新の北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧(更新に伴い場所を移動しました)
http://araki.way-nifty.com/araki/2019/03/3131-1dd6.html
着岸漂流一覧と失踪関連地点マップ
https://drive.google.com/open?id=1Nsd5Xf9dqDa6AsYv5_4VspEFmeNh95qS&usp=sharing
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
――――――――――――――――――――――――――
<特定失踪者データ>
◎氏名:福山 ちあき
◎よみかた:ふくやま ちあき
◎生年月日:昭和48(1973)年9月16日
◎当時の年齢:18歳
◎失踪年月日:平成3(1991)年11月3日
◎特徴:身長156センチ。体重45~6キロ。右の目の上のまぶたの上に子供の傷がかすかにある。
◎当時の身分:高校3年生
◎最終失踪関連地点:大阪府大阪市
◎当時の居住地:大阪市浪速区
◎失踪の状況:当日午前6時頃、キャラクター・ショーのアルバイトのため、大阪市浪速区の自宅を出かけ、自転車で地下鉄御堂筋線大国町駅まで行って奈良のあやめ池遊園地へ向かった。仕事が終わり、いったん淀川区の会社に寄って、アルバイト先の友人と御堂筋線で帰途についた。午後6時20分に大国町の一つ先の動物園前で別れている。その時「(ショーのときに着用する)スパッツを買いに行こうかな」と言っていた。午後10時半頃、ボーイフレンドから自宅に電話があった。ちあきさんと電話をする約束をしていたが、本人は帰宅せず。自転車は大国町の駅近くの自転車置き場に残されていた。
//////////////////////////////////////////////////
<調査会・特定失踪者家族会役員の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等>
※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。
★5月15日(水)18:30「『その後』を考える集い10」(調査会主催)
・UAゼンセン会館(市ヶ谷駅徒歩4分 千代田区九段南4-8-16)
・調査会代表荒木・加藤博「その後」プロジェクト特別顧問が参加
・問合せ先 調査会
★5月19日(日)14:00 国民大集会(家族会・救う会・拉致議連・知事の会・地方議会全国協議会主催)
・シェーンバッハ・サボー(地下鉄永田町駅4番出口1分)03-3261-8386
・代表荒木・特定失踪者家族会大澤会長他調査会・特定失踪者家族会役員が参加
★5月24日(金)「拉致被害者救出、北朝鮮に自由と平和を」(調査会・特定失踪者家族会主催)
・11:00からデモ・国会要請行進(日比谷公園霞門10:30集合)
・13:00から集会 星陵会館
千代田区永田町2-16-2(地下鉄有楽町線・南北線・半蔵門線永田町駅6番出口徒歩3分千代田線国会議事堂前駅5番出口徒歩5分、南北線溜池山王駅5番出口徒歩5分、銀座線・丸ノ内線赤坂見附駅11番出口徒歩7分)
・調査会代表荒木・特定失踪者家族会大澤会長他調査会・特定失踪者家族会役員が参加
・問合せ先 調査会
★5月30日(木)18:30「拉致問題を考える石垣の集い」(調査会主催)
・石垣市大川公民館(石垣市大川100-1 八重山農林高南向い)
・特定失踪者家族会水居幹事・調査会代表荒木が参加
・問合せ先 調査会
★9月8日(日) 14:00「中村三奈子さんをさがす会」集会(同会主催)
・アオーレ長岡(長岡駅徒歩3分)
・特定失踪者家族会中村クニ幹事・調査会代表荒木が参加
・問合せ:中村三奈子さんをさがす会 090-4279-4724
★12月7日(土) 13:00「みやこ町人権のつどい」(みやこ町主催)
・サン・グレートみやこ(みやこ町役場斜向かい 福岡県みやこ町勝山黒田86-1 0930-32-5540)
・調査会代表荒木が参加
----------
・FM「オレがやらなきゃ誰がやる!」
毎週木曜日21:00~、「RADIO TXT FM Dramacity 776.fm」(札幌)
副代表村尾がパーソナリティー
インターネット「ListenRadio」で札幌以外でもパソコン・スマホから聴取できます。
http://listenradio.jp
・channelAJER(チャンネル アジャ)では代表荒木の担当する番組『救い、守り、創る』を送信しています。会員制ですが1回30分の番組の前半は無料で視聴していただけます。
http://ajer.jp
-----------
※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。
<荒木著『北朝鮮の漂着船』(草思社刊)>
・定価1600円(税別)
<荒木共著『自衛隊幻想」』(産経新聞出版)>
・定価1200円(税別)
<荒木著『靖国の宴」』(高木書房刊)>
・定価1000円(税別)
<荒木著『北朝鮮拉致と「特定失踪者」』(展転社刊)>
・定価1800円(税別)
_________________________________________
特定失踪者問題調査会ニュース
---------------------------------------------------------
〒112-0004東京都文京区後楽2-3-8第6松屋ビル301
Tel03-5684-5058Fax03-5684-5059
email:comjansite2003■chosa-kai.jp
※■を半角の@に置き換えて下さい。
調査会ホームぺージ:http://www.chosa-kai.jp/
YouTube https://www.youtube.com/channel/UCECjVKicFLLut5-qCvIna9A
発行責任者荒木和博(送信を希望されない方、宛先の変更は
kumoha551■mac.com宛メールをお送り下さい)
※■を半角の@に置き換えて下さい。
<カンパのご協力をよろしくお願いします>
■特定失踪者問題調査会■
●クレジットカードでのカンパが可能です。ホームページから入って手続きできます。
●郵便振替口座00160-9-583587口座名義:特定失踪者問題調査会
●銀行口座 みずほ銀行 飯田橋支店 普通預金 2520933 名義 特定失踪者問題調査会
●労金口座 中央労働金庫 本郷支店 144093 名義 特定失踪者問題調査会代表 荒木和博
(郵便振替以外で領収書のご入用な場合はご連絡下さい)
■特定失踪者家族会■
郵便振替口座 00290-8-104325 特定失踪者家族会
銀行口座 ゆうちょ銀行 普通預金 店番128 口座番号4097270 特定失踪者家族会 代表者大澤昭一
______________________________________________________
| 固定リンク