伏木国分事件【調査会NEWS3013】(R01.6.25)
先週富山の高岡で大口英夫理事と合流し、7月12日の特別検証の下調べをしてきました。そのことはあらためて報告しますが、高岡と言えば駅前のホテルから工作員が飛び降り自殺をした「伏木国分事件」で有名(と言ってもわたしたちだけですが)です。
このホテルはどこだったのだろうという議論から始まって二人であらためて色々検討してみたところ、どうも今まで思っていたのと事件の様相が違うことが分かってきました。もともと言われていたのは氷見線越中国分駅の待合室でウィスキーを飲んでいた男に警官が職務質問をしたところ、持っていた外国人登録証に偽造の疑いがあり、翌日入管で確認をするためにその日は高岡市内のホテルに宿泊させたが、翌日ホテルから「金日成万歳」と叫んで飛び降り自殺したというものでした。
しかし大口理事が探し出した当時の地元紙「北日本新聞」4月1日(水)付記事には下のように書かれています。大口理事が調べたところでは、当時の住宅地図では高岡プラザホテルは建物の4階から7階が宿泊室、8階がサウナ、9階が日本料理屋になっていました。午前1時過ぎに泊めたということはサウナの仮眠室で寝るようにしたということでしょう。しかし職質をかけた時点で外国人登録証偽造の疑いがあるわけですし、そもそも駅のベンチにいた人間に職質をかけるというのは、大声を上げて通報されたとか、駅のものを壊したとかいうなら分かりますが、ただウイスキーを飲んでいただけならありえないことです(私も昔は撮影旅行などの折、無人駅のベンチでウイスキー飲むというのは結構やってましたし)。
おそらくは工作員密出入国の情報が事前に警察に入っており、最初からそれを探す過程で見つかったのでしょう。だとすると、サウナに泊めたということ自体が不思議ですし、しかも監視していなかったのもなぜかと思います。また、「金日成万歳」と言って飛び降りたという話はどこで聞いたのか忘れましたが、おそらくは朝鮮語で叫んだであろう言葉を誰がその意味だと理解したのでしょうか。日本語であってもよほど近くで聞かなければ分からないように思うのですが。
伏木国分事件の2年前、昭和54年(1979)12月には同じ越中国分駅の近くに自家用車を置いて山田建治さんが失踪しています。その半年前、5月には都庁職員のアベック拉致未遂と思われる事件が起きており、さらにその前年、昭和53年(1978)8月には越中国分の先、島尾駅と雨晴駅の間の海岸で政府認定の未遂事件であるアベック拉致未遂事件が起きています。この頃この地域に何があったのか、7月の検証ではあらためて調べ直してみたいと思っています。
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「北日本新聞」4月1日(水)付記事
7階から飛び降り死亡 高岡のホテル
大金所持のサウナ客
偽造?外国人登録証持つ 警察の任意調べ控え
31日朝、高岡市内のホテルで男の人が7階から飛び降り、死亡した。この人は朝鮮籍で外国人登録証明書と200万円近い大金を持っていたが。照会の結果、全く別人とわかり、高岡署で身元の確認を急いでいる。さらにこの証明書は偽造された疑いが強く、同署では公文書偽造・同行使容疑でも調べているが、死亡の動機やなぜ高岡にきたかなどはなぞに包まれたままだ。
31日午前7時55分ごろ高岡市下関町の高岡プラザホテル7階の非常階段からサウナ客の中年の男がパンツとガウン姿で飛び降り、約14メートル下の3階屋根で頭などを強く打って間もなく死亡した。
調べによると、この人は30日午後9時ごろ同市伏木の国鉄氷見線・越中国分駅待合室でウイスキーを飲んでいたところをパトロール中の高岡署員の職務質問を受けた。男の人は「神戸市葺合区北本町通り、吉田正彦」と名乗っていたが、所持品を調べたところ、現金192万9千円と本籍・朝鮮済州道北済州軍、神戸市葺合区北本町通り、ミシン業、姜(きょう)正彦さん(53)名義の外国人登録証明書を持っていた。
このため、同署は伏木幹部派出所に任意出頭を求めて調べた。姜さんは「妻とけんかして東京の妻の兄のところに行ってきた。妻が高岡で待っているといわれたのでこちらへきた」などと繰り返すばかり。東京の住所や証明書にある神戸市の住所の番地が実在しなかったが、「眠くなったので駅付近に泊まりたい」と言ったため、31日午前1時過ぎ署員が国鉄高岡駅前の高岡プラザホテルのサウナで宿泊するよう勧め、同9時から再度事情を聴くことにした。
サウナの入浴客(20人)の話によると、姜さんは午前7時ごろから8階のサウナでわけのわからないことをくちばしったり、ロッカーに頭をぶつけたり、熱い蒸気の出るところに行ったりした。フロントの注意でいったんはおさまったが、使用していない9階に上がり、従業員がフロントに連絡にいったすきに姿が見えなくなった、という。
同署では31日朝、外国人登録の有無を確認したところ、姜さんが持っていた登録番号は全く別人の女性のものであることがわかっった。さらにこの証明書は偽造された疑いが強いことから、姜さんはなんらかの動機を持って密入国してきたものとみて、指紋照合をするとともに足取りの確認を急いでいるが、身元などはわかっていない。
これらのことから同署では、関西方面に存在する外国人登録証偽造グループとの関連操作も進めている。までの調べから姜さんは職務質問を受けた際、証明書の偽造がいずれは発覚するのを恐れて自殺したのではないかと見ている。
姜さんが持っていた現金は1万円札が192枚、千円札5枚、五百円札8枚、こげ茶に灰色のたてじまのある背広上下、ねずみいろのレインコートを着ており、言葉に少し関西なまりがあった。メモ類などは所持しておらず、小田実の「世直しの倫理と論理・下」(岩波新書)を持っていた。
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最新の北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧(更新に伴い場所を移動しました)
http://araki.way-nifty.com/araki/2019/06/post-6cc9b5.html
着岸漂流一覧と失踪関連地点マップ
https://drive.google.com/open?id=1Nsd5Xf9dqDa6AsYv5_4VspEFmeNh95qS&usp=sharing
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<特定失踪者データ>
◎氏名:浜崎 真嗣
◎よみかた:はまさき まさつぐ
◎生年月日:昭和49(1974)年8月2日
◎当時の年齢:25歳
◎失踪年月日:平成12(2000)年1月6日
◎特徴:身長160~161センチ。体重51~52キロ。足のサイズ24センチ。浅黒く、左目の上瞼に2ミリ程度のイボあり。電子装置設計技術を身につけていた。趣味はビリヤード、オーケストラ(ファゴット)。
◎当時の身分:会社員(家電メーカー)
◎最終失踪関連地点:東京都日野市の会社寮から
◎当時の居住地:東京都日野市
◎失踪の状況:1月6日の東京都内の会社の始業式を無断欠席、翌日、翌々日も出社しないため、人事部係員が寮の部屋を点検。のちに在京の兄や長崎の両親も寮の部屋へ行った。部屋には6日の朝刊(未読)が入れられ、PHSも置きっぱなしで、書き置きもなかった。また布団は敷いたままで、食べかけパンが残っていた。普通の服装で出かけ、自転車も置いたままだった。職場の机はすぐにでも仕事が始められるような状態になっていた。のちに給料振込通帳を記帳した結果、1月6日朝6時~7時に東京でキャッシング、また午後1時半頃、函館で現金を下ろしていたことが判明。失踪後、約1年間に2回、長崎の実家に不審電話があった。
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<調査会・特定失踪者家族会役員の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等>
※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。
★6月29日(土)14:00「予備役ブルーリボンの会シンポジウム」(同会主催)
・会場 拓殖大学文京キャンパス(文京区小日向3-4-14 地下鉄丸ノ内線茗荷谷駅下車5分)
・調査会荒木代表が参加
・問合せ 荒木(090-8517-9601)
★6月30日(日)14:00「『ふるさとの風』『しおかぜ』共同公開収録in北秋田」(拉致問題対策本部事務局・調査会主催)
・会場 北秋田市文化会館「ファルコン」(鷹ノ巣駅徒歩5分 北秋田市材木町2ー3)
・調査会副代表村尾・常務理事松村が参加
・問合せ 荒木(090-8517-9601)
★7月17日(水)14:00「アニメ『めぐみ』上映会」(拉致問題対策本部・北海道庁・札幌市・救う会北海道主催)
・札幌駅前地下広場(地下鉄札幌駅と大通り駅をつなぐ地下通路のオープンスペース)
・調査会代表荒木・理事川田が参加
・問合せ 北海道庁国際課(道庁代表番号 011-231-4111)
※イベント自体は10:30に開会され14:00までは映画が繰り返し上映されます。
★9月8日(日) 14:00「中村三奈子さんをさがす会」集会(同会主催)
・アオーレ長岡(長岡駅徒歩3分)
・特定失踪者家族会中村クニ幹事・調査会代表荒木が参加
・問合せ:中村三奈子さんをさがす会 090-4279-4724
★11月9日(土)「拉致問題講演会」(群馬県・救う会群馬他主催)
・館林市三の丸芸術ホール(館林市役所前バス停すぐ 館林市城町1-2 0276-75-3030)
・調査会代表荒木が参加
・問合せ 群馬県地域福祉推進室(027-226-2518)
★12月7日(土) 13:00「みやこ町人権のつどい」(みやこ町主催)
・サン・グレートみやこ(みやこ町役場斜向かい 福岡県みやこ町勝山黒田86-1 0930-32-5540)
・調査会代表荒木が参加
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・FM「オレがやらなきゃ誰がやる!」
毎週木曜日21:00~、「RADIO TXT FM Dramacity 776.fm」(札幌)
副代表村尾がパーソナリティー
インターネット「ListenRadio」で札幌以外でもパソコン・スマホから聴取できます。
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※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。
<荒木著『北朝鮮の漂着船』(草思社刊)>
・定価1600円(税別)
<荒木共著『自衛隊幻想」』(産経新聞出版)>
・定価1200円(税別)
<荒木著『靖国の宴」』(高木書房刊)>
・定価1000円(税別)
<荒木著『北朝鮮拉致と「特定失踪者」』(展転社刊)>
・定価1800円(税別)
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