特別検証報告【調査会NEWS3031】(R01.7.19)
【調査会NEWS3031】(R01.7.19)
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<特別検証報告>
以下、7月12日に実施された第13回特別検証「能登東岸」についての報告です。
場所 富山県高岡市・氷見市・射水市、石川県七尾市
検証内容
(1)伏木国分事件及び山田建治さん失踪についての検証(2)都庁職員Aさんアベック拉致未遂事件についての検証(3)荒谷敏生さんと谷ヶ崎清一さんの失踪についての検証
スケジュール
令和元年(2019)7月12日8:30 高岡駅前集合・ブリーフィング・氷見線越中国分駅へ移動・伏木国分事件と山田建治さん失踪について検証。その後氷見市へ。途中都庁職員Aさん夫妻と合流して和倉温泉まで拉致未遂と思われる現場の検証。昼食後射水市へ。荒谷さん・谷ヶ崎さんの失踪についての検証。現地で谷ヶ崎さんのお姉さん中谷友栄さんの北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」メッセージ収録。ブリーフィング後解散
参加者
●特定失踪者問題調査会 代表荒木・副代表兼事務局長村尾・事務局次長杉野・常務理事武藤・理事赤塚
●特定失踪者家族会 大澤昭一会長
●救う会石川 川裕一郎事務局長・木村伸吾幹事
●救う会富山 濱谷隆平副会長
●救う会兵庫島尾百合子副代表
●予備役ブルーリボンの会 高瀬宏司幹事
1、伏木国分事件
この事件の概要は以下のようなものだった。
昭和56年(1981)3月30日夜、国鉄(当時)氷見線越中国分駅の待合室でウイスキーを飲んでいた男が警察官に職務質問され、持っていた姜正彦名義の外国人登録証が偽造であることが分かった。翌日確認するためその夜は高岡駅前のホテルに宿泊させたところ、朝になってホテルから「金日成万歳」と叫んで飛び降り自殺した。
検証では越中国分駅で現場の確認をした。同駅はホーム1本1線の無人駅だが待合室は密閉式になっており、今回の検証で昭和28年に建てられたものであることが分かった。つまり「姜」が職質をかけられた当時と同じということである。外国人登録証が偽造と分かっても公文書偽造などで逮捕しなかったのは警察のミスだろう。無人駅のホームでウイスキーを飲んでいたという状況からすれば任務を終えて密出国するところだった可能性が高いのだが『戦後の外事事件』(外事事件研究会編・東京法令出版)によれば密入国したところだったとのこと。
この事件について、検証後に事務所で見つかった新聞の切り抜きなども含めて考えると概ね次のような事件だと思われる。
「姜」は越中国分駅でウィスキーを飲んでいた、それを不審に思った近隣住民が警察に通報し、駆け付けた警官は近くの派出所に任意同行を求めた。所持品を調べた時点で外国人登録証が偽造であること、200万円近い現金を所持していたことが分かった。本来これで拘留できるはずだが、なぜか警察は「姜」を駅前のサウナに宿泊させ、事実上開放してしまった。翌朝姜は自分が工作員であることが分かったと思い込み、パニックに陥って自殺した。
任務を終えて出国する前であれば気が緩んでつい酒を飲んでしまったということになり、逆に入国したばかりで列車を待っていたときなら緊張感から酒を飲んだことになるが、いずれにしてもサウナでパニックになってしまったことを考えると工作員としての質が低かったということだろう。
2、山田建治さん失踪
山田建治さん
●生年月日:昭和24年(1949)1月22日●失踪年月日:昭和54年(1979)12月18日(当時26歳)●失踪当時住所:富山県福岡町(現高岡市)● 失踪の状況:家を車で出たまま失踪。車(ジープ)は越中国分駅裏の道の突き当たりのようなところに置いてあり鍵は差したまま。ジョギングで使ったと思われるジャージや現金が車の中にあった。
● 当時の身分:無職(直前まで北陸ドラム勤務)
車の置いてあった場所を検証し、あらためて2年後の伏木国分事件と関連して考えた。車の置いてあったのはホームから直ぐのところである。この海岸自体に何かがあったのではないかと思われた。氷見線の列車が越中国分を出て氷見に向かう先に短いトンネルがあるが、その上から発光信号が海に向かって送られていたという話もある。まだそれぞれがつながらないが、今後さらに検証が必要であると思われた。
3、都庁職員アベック拉致未遂事件
被害者のA氏及び夫人Bさん同行のもと、事件現場の検証を行った。
昭和54年(1979)5月5日 、A氏はBさんを乗せて自家用車(緑のスカイライン)で能登への旅行に向かった。途中通行止めなどで当初の予定から大幅に遅れて午後8時頃、国道160号線の富山県氷見市姿のあたりでAさんは白いスカイラインが尾行しているのに気づく。速度を落とすと白いスカイラインも速度を落とし、速めれば向こうも速めた。今で言う煽り運転のような感じだった。気持ち悪くなり一旦停車して車をやり過ごした。そして走り出すと数百メートル走ったところでスカイラインが道を塞ぐように止まっていた。
尾行に気付いてから車を止められるまでが5~10分ということなので、この場所は県境を越えて石川県七尾市に入ったあたりと思われるが、国道は大幅に改修されており、その現場は分からなかった。白いスカイラインが止まっていたところの5~10メートル前でAさんは車を止めるた。すると白いスカイラインの運転席から160センチもないくらいの小柄な男が作業服のような地味な服装、サンダル履きで下りてきて、窓越しに日本語ではない言葉で話しかけてきた。
運転席の窓を10センチくらい開けたところその隙間からストレートパンチを食らわせてきた。殴られた直後から大量に出血したが一瞬のことだったので助手席に座っていたBさんもA氏が殴られたことには気づかなかった。A氏は一瞬意識を失ったが、男がドアを開けようとする音で気がついた。すると男は喉を握ってきた。
A氏は「殺される」と思いそのまま車を発進させ歩道の縁石に乗り上げて白のスカイラインの横を抜けた。男は手を突っ込んだまま引きずられ、歩道から下りるときのショックで手が離れた。その後白のスカイラインが追ってきた。おそらく運転をしていた男は怪我をしたまま放置したのだろうとのこと。100キロくらいのスピードを出して逃げ、途中引き離したとき前方右に入口の開いた建設会社の倉庫らしきものが見えたので車を突っ込んで隠れてやり過ごした。倉庫の中にあった鉄パイプを護身用に持ち、シートを倒して外から見えないようにし、3~40分そこにいた。この場所もはっきりは分からなかったが、除雪車の置かれている倉庫はあった。建物は逃げ込んだ倉庫と違っていたようだが、周囲の状況は似ていて、現在の倉庫の横に当時倉庫があったとすればそれであるかもしれないとのこと。
その後宿泊予定の和倉温泉の旅館に向かい旅館に到着したのは21時30分頃。事件の時間や隠れていた時間を勘案すると大体その通りの時間ということになる。「途中また車が待ち伏せしているとは思いませんでしたか」との質問にAさんは「思いました。それで鉄パイプを積んだまま走り、いざとなったらこれで闘うつもりでした」と答えた。躊躇していたら殺される。その前に殺すしかないと思ったとのこと。
対向車は無かったという。街頭もなく真っ暗だったそうだが、道を塞ぐとなると、対向車が来る可能性もあるので短時間で済ませなければならない。犯人は尾行が気づかれたことで焦ったのかもしれない。場合によってはそのまま和倉まで行って、翌日実行するつもりだったことも考えられる。いずれにしてもこのような車の止め方は他でも行われていたのではないか。それを分析する上でも貴重な証言であった。
4、荒谷敏生さん・谷ヶ崎清一さん失踪
(1)荒谷敏生さん
●生年月日:昭和23年(1948)10月25日生●失踪年月日:昭和49年(1974)5月13日(当時26歳)●失踪当時住所:富山県新湊市(現射水市)
●失踪の状況:家族が外出していている間に自宅から不明となる。●当時の身分:無職(過去に日本建鋼〈約7カ月〉、立山アルミ〈約7カ月〉、日本高周波〈1週間〉に勤務したが退職)外泊が増え「アメリカに行きたい」等と言っていた。また米国かブラジルに移住した日本人の本を読んで感動し手紙を出したことがある。
(2)谷ヶ崎清一さん
●生年月日:昭和37年(1962)1月26日●失踪年月日:昭和59年(1984)7月9日(当時22歳)●失踪時住所:富山県新湊市●失踪の状況:二の丸町の自宅から「銭湯(越の湯)に行ってくる」と家族に言って、銭湯代の小銭を持って車で出かけたが、そのまま戻ってこなかった。車も発見されていない。●当時の身分:内装業●失踪時「銭湯へ行く」と言ったのは二の丸町の家から。当時八幡町に転居するため荷物などを少しずつ運んでいた。失踪後、自宅から勤務先のツナギのポケットに10万円の入った給料袋が発見された。
◎学歴の共通点
特定失踪者(約470)名の中で同じ中学校・高等学校・大学に在籍していたケースが合計16件37名ある。在籍時はそれぞれ重複していない場合が多い。荒谷さん、谷ヶ崎さんも同じ中学校の出身。新湊市立新湊東部中学校(荒谷さんが通学 1961~64)→(1970年ごろ、移転・現在地へ)→(1975 中部中と統合)→新湊市立奈古中学校(谷ヶ崎さんが通学 1975~78)→(2012 西部中と統合)→射水市立新湊中学校
※谷ヶ崎さんは奈古中学校の第1期生。2人の在籍時期には14年の差がある(失踪は10年差)
二人は時期的には異なるが生活空間が近い。この地域は他にも失踪者がいると言われており、何らかの拠点があったことも考えられる。
◎「小さな嘘」の可能性
また谷ケ崎さんの場合当時の住宅地図などをもとに位置関係等をみたとき、自宅を出てから銭湯までの間はほとんど住宅地であり、前述A氏のケースのように車を止めて拉致を行うことは不可能と思われた。また、谷ケ崎さんは出かける際、銭湯近くに住む親友のところに行ってくると母親に言っている。これ自体はいつものことで不自然ではないが、実際には友人宅にも寄っていない。この点は自宅から出かけて失踪した特定失踪者に多い「小さな嘘」として共通する。即ち何かの理由で人と会うことになっているが、例えば就職のことでの相談とか、あるいは異性と会うなど、家族に言いにくい場合で、なおかつ短時間立ち寄るだけのつもりでちょっとした嘘をついて出るということである。
その後長期にわたっていなくなるということは最初から想定しておらず、したがって谷ケ崎さんの場合も給料を残していたりしたのではないか。もちろんあくまで一つの可能性ではあるが。
◎人生の転機
特定失踪者で就職・転職など「人生の転機」とも言える時期に失踪するケースが少なくない。その状況を知った固定スパイがよりましな転職先・就職先をちらつかせることによって誘引したと考えられ、この点は政府認定拉致被害者の久米裕さんや原敕晁さんも同様である。荒谷さんと谷ケ崎さんもそれに該当する可能性がある。
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最新の北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧(更新に伴い場所を移動しました)
http://araki.way-nifty.com/araki/2019/06/post-6cc9b5.html
着岸漂流一覧と失踪関連地点マップ
https://drive.google.com/open?id=1Nsd5Xf9dqDa6AsYv5_4VspEFmeNh95qS&usp=sharing
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<調査会・特定失踪者家族会役員の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等>
※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。
★9月8日(日) 14:00「中村三奈子さんをさがす会」集会(同会主催)
・アオーレ長岡(長岡駅徒歩3分)
・特定失踪者家族会中村クニ幹事・調査会代表荒木が参加
・問合せ:中村三奈子さんをさがす会 090-4279-4724
★11月9日(土)「拉致問題講演会」(群馬県・救う会群馬他主催)
・館林市三の丸芸術ホール(館林市役所前バス停すぐ 館林市城町1-2 0276-75-3030)
・調査会代表荒木が参加
・問合せ 群馬県地域福祉推進室(027-226-2518)
★12月7日(土) 13:00「みやこ町人権のつどい」(みやこ町主催)
・サン・グレートみやこ(みやこ町役場斜向かい 福岡県みやこ町勝山黒田86-1 0930-32-5540)
・調査会代表荒木が参加
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インターネット「ListenRadio」で札幌以外でもパソコン・スマホから聴取できます。
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<荒木共著『自衛隊幻想」』(産経新聞出版)>
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<荒木著『靖国の宴」』(高木書房刊)>
・定価1000円(税別)
<荒木著『北朝鮮拉致と「特定失踪者」』(展転社刊)>
・定価1800円(税別)
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