三度目の正直【調査会NEWS3020】(R01.7.2)
今釜山に来ています。今日は釜山の多大浦海岸に昭和58年(1983)12月侵入して捕まった元工作員李相哲(仮名・同名の教授がおられますが関係ありません)氏と事件の現場を見てきました。李氏はこの前年山口県長門市の青海島にも侵入したことがあり、調査会の現地調査にも同行してくれています。私も何だかんだと15年くらいのお付き合いです。
地下鉄2号線の終点、多大浦海水浴場駅で下車、30分あまり歩いて現地に着きました。当時とは地形も変わっており、本人も場所が分からず、「昔武装スパイが入った場所はどこですか?」と2回ほど尋ねていました。後ろで聞いていて「お前がその武装スパイだろうが」と、ハリセンでもあったらひっぱたいてやりたい気分でしたが、ともかくその場所にたどり着くことができました。場所は下の数字を入れてネットで検索すれば出てきます。
(35.0394576, 128.9671000)
この事件が明らかになったのは、前年、つまり昭和57年(1982)に浸透していた工作員が怖くなって自首し、二重スパイになっていたことによります。北朝鮮当局は自首したとは知らず、その工作員を回収するオペレーションを準備しました。李氏は11月からそのための「仮想訓練」を受け、12月3日、多大浦海岸沖合約10マイル(約16キロ)のところで母船から半潜水艇で離脱、さらに海岸から2キロ程度のところで李氏ともう1人の工作員、全忠男がゴムボートで接岸、海岸のトイレで落ち合うことになっていたのを待ち構えていた特殊部隊員に取り押さえられました。半潜水艇は撃沈され、乗っていた3人は死亡しました。
ちょうどこの年10月にミャンマーのヤンゴン(当時はビルマのラングーン)で、訪問中の全斗煥韓国大統領を狙った暗殺事件があり、韓国は北朝鮮の悪行を世界に広めたいと思っていたため、特殊部隊には銃器を使わず生け捕りにする訓練をさせていたそうです。「全斗煥のおかげで命が助かった」とはかつて李氏から聞いた言葉ですが、後方には空挺部隊1個大隊が控えており、特殊部隊による鎮圧が失敗したら射撃することになっていたようですから、そうなれば今こうやって一緒にいることもなかったでしょう。一緒に飲んでいるとただのタバコの好きな酔っ払いのおじさんですが、結構凄い激動の人生だと思います。
李氏から聞いた話で面白かったのは、二重スパイになった工作員の話。彼は同じ釜山の海雲台海水浴場から入って身分を偽装し就職したのですが、3ヶ月ほどして怖くなって会社の社長に「実は私は北朝鮮の工作員です」と言ったそうです。社長は「こいつ頭がおかしくなったのか」と思って相手にせず、翌日もう一度言われたのですが、そのときも相手にしなかったとのこと。3回目になってやっと「ひょっとしたら」と思って当局に知らせたそうです。文字通り3度目の「正直」でした。
当時の韓国は今と比べたら全く別の国と言えるほど安保意識が高かったのですが、それでもこんなものだったというのが意外でした。日本でも「実は私は工作員なんですが」と言ったのに相手にしてもらえなかった工作員がいたかも知れません。やはり工作員に自首を呼びかけるポスターとか警察で作る必要があるのではないでしょうか。
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最新の北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧(更新に伴い場所を移動しました)
http://araki.way-nifty.com/araki/2019/06/post-6cc9b5.html
着岸漂流一覧と失踪関連地点マップ
https://drive.google.com/open?id=1Nsd5Xf9dqDa6AsYv5_4VspEFmeNh95qS&usp=sharing
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<特定失踪者データ>
◎氏名:稲田 裕次郎
◎よみかた:いなだ ゆうじろう
◎生年月日:昭和56(1981)年4月26日
◎当時の年齢:20歳
◎失踪年月日:平成14(2002)年2月25日
◎特徴:身長162センチ。体重55キロ。血液型O型。髪の毛多い。水泳が得意。物静か。考え事をするときに耳を触る癖。ある程度パソコンの知識がある。関西弁で話すことがある。
◎当時の身分:大学2年(熊本学園大学)
◎最終失踪関連地点:熊本県熊本市
◎当時の居住地:熊本県熊本市
◎失踪の状況:25日朝9時半頃自宅にいるのを父親が確認。夜11時頃、熊本市内のアルバイト先から自宅に無断欠勤しているとの電話がある。預金通帳は失踪前の16日から25日の間に4回に分けてほとんど全額引き出していることが分かる。また21日、自宅に「高校水泳部の友人とたまたま会ったので一緒に食事をして帰る」との電話があり、夜12時頃帰宅。しかし後に確認したところ元水泳部の友人は誰も会っていないことが判明。3月から8月にかけて、自宅に無言電話が何度もあった。
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<調査会・特定失踪者家族会役員の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等>
※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。
★7月17日(水)14:00「アニメ『めぐみ』上映会」(拉致問題対策本部・北海道庁・札幌市・救う会北海道主催)
・札幌駅前地下広場(地下鉄札幌駅と大通り駅をつなぐ地下通路のオープンスペース)
・調査会代表荒木・理事川田が参加
・問合せ 北海道庁国際課(道庁代表番号 011-231-4111)
※イベント自体は10:30に開会され14:00までは映画が繰り返し上映されます。
★9月8日(日) 14:00「中村三奈子さんをさがす会」集会(同会主催)
・アオーレ長岡(長岡駅徒歩3分)
・特定失踪者家族会中村クニ幹事・調査会代表荒木が参加
・問合せ:中村三奈子さんをさがす会 090-4279-4724
★11月9日(土)「拉致問題講演会」(群馬県・救う会群馬他主催)
・館林市三の丸芸術ホール(館林市役所前バス停すぐ 館林市城町1-2 0276-75-3030)
・調査会代表荒木が参加
・問合せ 群馬県地域福祉推進室(027-226-2518)
★12月7日(土) 13:00「みやこ町人権のつどい」(みやこ町主催)
・サン・グレートみやこ(みやこ町役場斜向かい 福岡県みやこ町勝山黒田86-1 0930-32-5540)
・調査会代表荒木が参加
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・FM「オレがやらなきゃ誰がやる!」
毎週木曜日21:00~、「RADIO TXT FM Dramacity 776.fm」(札幌)
副代表村尾がパーソナリティー
インターネット「ListenRadio」で札幌以外でもパソコン・スマホから聴取できます。
http://listenradio.jp
・channelAJER(チャンネル アジャ)では代表荒木の担当する番組『救い、守り、創る』を送信しています。会員制ですが1回30分の番組の前半は無料で視聴していただけます。
http://ajer.jp
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※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。
<荒木著『北朝鮮の漂着船』(草思社刊)>
・定価1600円(税別)
<荒木共著『自衛隊幻想」』(産経新聞出版)>
・定価1200円(税別)
<荒木著『靖国の宴」』(高木書房刊)>
・定価1000円(税別)
<荒木著『北朝鮮拉致と「特定失踪者」』(展転社刊)>
・定価1800円(税別)
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