反日種族主義【調査会NEWS3038】(R01.7.29)
7月初めソウルに行った時知人から勧められて買ってきた本がありました。李栄薫・ソウル大名誉教授他著『反日種族主義』という本でした。韓国のインターネットTVである「李承晩TV」で放送された内容を起こしたもので、この放送はYouTubeでも日本語字幕付きのものを見ることができます。
内容は韓国における反日がいかに根拠のないものかを徹底して批判するもので、「ここまで言って大丈夫なのか」と思うほどでした。日本語でも訳書が出る予定だそうです。読んでいて色々感じることはあったのですが、その中の一つに元慰安婦の人たちについての話がありました。
慰安婦問題をここまで複雑化させた元凶は日本で言えば吉田清治と一部の運動家やマスコミ、韓国は挺身隊問題対策協議会(挺対協)などの団体でした。そもそも挺身隊と慰安婦は関係ないのですが、そこからして区別のつかない人々の運動には元慰安婦の人たちへの思いやりのかけらも見られません。彼女たちはただの「道具」として使われているだけです。
また、本書では慰安婦の問題が日本の時代だけではなく、李朝時代もあり、解放後もあり、今も続いている書かれています。解放後は米軍の慰安婦もあり、韓国軍の慰安婦もあり、そして民間人相手の慰安婦、要は売春婦ということですが、それは今でも存在します。すでに軍隊が慰安婦の強制連行をしたという吉田清治の話が嘘であることは明らかになっていますが、甘言を弄してとかいうことならばそれ以前も以後もあり、今も同様です。その中で日本のことだけ取り上げて人権侵害を挙論するのはおかしいと本書では主張しています。
それを読んで気づいたのですが、北朝鮮の息がかかっていると言われる挺対協をはじめ、韓国の左翼・親北朝鮮系のやっている反日は明らかに北朝鮮の人権問題から目を逸らさせ、拉致問題などを相殺させるための手段です。本書を読んでいると挺対協の目標は問題の解決ではなく、日韓両国政府・国民の関係を悪化させることだということがよく分かります。
まあ韓国の反日自体はそればかりとも言えないのですが、ともかく日韓の関係を悪くすることが目的の反日とは闘うべきだと思います。どれほど謝罪しようが話し合おうが、あるいは事実関係を明らかにしようが、関係が良くなる可能性も相互理解が成立する可能性もないのですから。
考えて見れば金正日が拉致を認めて、「北朝鮮は拉致をしていない」と言えなくなった後も、「しかし日本も強制連行をしたのだから」とか、「慰安婦の人権侵害が」とか言ってきた人たちは北朝鮮の政治犯収容所とか女性の人権侵害については絶対に語りません。彼らの反日がそういうものだと考えれば対処の仕方が違ってきます。
幸い(?)今韓国はあの文在寅政権です。もう反日シフトを止めることはできないでしょうから非常に分かりやすく国民的合意も得やすいと言えます。そして逆に人権問題は北朝鮮にとってウィークポイントであり、もっとこちらから圧力をかけられるはずです。『反日種族主義』はもちろん韓国人向けの本ですが、拉致問題でもヒントを与えてくれました。
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最新の北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧(更新に伴い場所を移動しました)
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