« 猛暑【調査会NEWS3046】(R01.8.10) | トップページ | 「ウソでやってるんですよ」【調査会NEWS3048】(R01.8.13) »

2019年8月11日

姜錫柱の謝罪【調査会NEWS3047】(R01.8.11)

 何度もご紹介している太永浩・元英国駐在北朝鮮公使の著書『三階書記室の暗号』(邦題『北朝鮮外交秘録』)で平成14年(2002)9月の小泉訪朝についての部分はなかなか興味深いです。下にその部分を載せました。

 

 当時私たちから見ていれば日本政府は北朝鮮に譲歩しすぎのように感じられましたが、北朝鮮側からすると逆で、彼らは日本が徹底して拉致問題で強硬だったと感じたようです。その勢いに押されて金正日自身も拉致を認めてしまったわけで、そういう意味では9.17小泉訪朝のインパクトはとてつもなく大きかったと言えます。

 

 ただし、その後は北朝鮮側の巻き返しもあり、またおそらく小泉総理自身も日本に帰ってからこの問題が以下に底の深い問題であるかに気付いたのでしょう。日本政府は事態を収束させる方向に向かいました。「山本美保さんDNAデータ偽装事件」などもその流れの中で起きたことだと思います。拉致とは関係ありませんが最近様々なところで混乱が起きている簡保とか郵政の問題は小泉政権に相当責任があるわけで、功罪半ばするということでしょうか。

 

 それはともかく、北朝鮮から日本政府が強硬に見えた理由は拉致問題での世論が高まり、政府も棚上げできない状態になっていたからです。その数年前は拉致問題を棚上げして一刻も早く国交正常化したいという雰囲気が国会でも外務省でもかなり有力でした。9.17のときにはさすがにそれを表だって言うことはしにくい雰囲気になっていました。家族会の皆さんをはじめ全国の心ある支援者、そして多くの一般国民が拉致問題を許せないということで一致したのが政府や国会を動かしたと言えます。

 

 今、猛暑の中でも各地で街頭に立って署名活動をして下さっている方々がおられます。本当に大変だと思いますが、17年前、地道な努力が金正日に拉致を認めさせ、5人を取り返すことにつながりました。「人間には最後まで希望を持ち続ける権利がある。その権利を行使せよ」。がんばりましょう。

―――――――――――――――――――――

『三階書記室の暗号』(邦題『北朝鮮外交秘録』 以下の部分は原著からの荒木訳)

 姜錫柱第一外務次官が直接外務省講堂で全成員を対象に講演を行った。彼の解説はこのようなものだった。

 

 「小泉の平壌訪問に先立ち会談内容の善後問題について何度も協議がされたが意見の差を縮めることができなかった。我々は日本との関係改善を通して日本から経済的支援を得ることが目的だ。これを通じて経済的難関を解決し米国の対北朝鮮圧迫攻勢を緩和させようとした。しかし日本は拉致問題の解決なしには一歩も前に進めないという立場に固執した。今回の会談でも小泉の固執は予想より強かった。それでも拉致問題と関連した日本の要求が受け入れられれば日本も他の問題を譲歩しうるという意志を明らかにした」

 

 姜錫柱の説明では金正日も小泉がそのように出てくると思ってはいたが、自分が直接拉致問題を言及することは避けようという考えて会談に臨んだという。その代わり拉致問題を共同声明に一文程度入れるレベルで妥協案を持っていたということだ。しかし小泉は強硬な立場を固守した。金正日は他のテーマで譲歩を受け経済的支援を受けるためにとても口に出せないような発言をせざるを得なかった。

 

 「私も最近になって知った。今後はそんなことは起きないだろう」

 

 事実上の謝罪であり再発防止を約束する言葉に他ならなかった。北朝鮮の最高領導者が「日本チョッパリ(日本人の蔑称)」の前で謝罪するのは北朝鮮住民にとってはあり得ず、想像すらできないことだった。小泉との午前の会談が終わった後、姜錫柱は金正日に近づいて両手を合わせ平身低頭して謝罪した。

 

 「将軍様、外交戦士として本当に申しわけございません。将軍様にまで拉致問題が取り上げられないように私が処理しなければならなかったのにできませんでした。私の罪が大きゅうございます」

 ----------------------------------------------

最新の北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧(更新に伴い場所を移動しました) 

http://araki.way-nifty.com/araki/2019/06/post-6cc9b5.html

 

着岸漂流一覧と失踪関連地点マップ

https://drive.google.com/open?id=1Nsd5Xf9dqDa6AsYv5_4VspEFmeNh95qS&usp=sharing

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 

―――――――――――――――――――――――――― 

 

////////////////////////////////////////////////// 

<調査会・特定失踪者家族会役員の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等> 

※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。 

 

★9月8日(日) 14:00「中村三奈子さんをさがす会」集会(同会主催)

・アオーレ長岡(長岡駅徒歩3分)

・特定失踪者家族会中村クニ幹事・調査会代表荒木が参加

・問合せ:中村三奈子さんをさがす会 090-4279-4724

 

★10月12日(土)「帰すべき人を日本へ 拉致被害者救出! 北朝鮮に自由と平和を! 関西集会」(特定失踪者問題調査会・特定失踪者家族会主催)

・兵庫県民会館(神戸市営地下鉄県庁前下車すぐ。神戸市中央区下山手通4-16-3)

・調査会・特定失踪者家族会役員が参加

・問合せ:調査会

 

★11月9日(土)「拉致問題講演会」(群馬県・救う会群馬他主催)

・館林市三の丸芸術ホール(館林市役所前バス停すぐ 館林市城町1-2   0276-75-3030)

・調査会代表荒木が参加

・問合せ 群馬県地域福祉推進室(027-226-2518)

 

★12月7日(土) 13:00「みやこ町人権のつどい」(みやこ町主催)

・サン・グレートみやこ(みやこ町役場斜向かい 福岡県みやこ町勝山黒田86-1 0930-32-5540)

・調査会代表荒木が参加

---------- 

・FM「オレがやらなきゃ誰がやる!」 

毎週木曜日21:00~、「RADIO TXT FM Dramacity 776.fm」(札幌) 

副代表村尾がパーソナリティー 

インターネット「ListenRadio」で札幌以外でもパソコン・スマホから聴取できます。 

http://listenradio.jp

・channelAJER(チャンネル アジャ)では代表荒木の担当する番組『救い、守り、創る』を送信しています。会員制ですが1回30分の番組の前半は無料で視聴していただけます。 

http://ajer.jp 

----------- 

※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。 

<荒木著『北朝鮮の漂着船』(草思社刊)> 

・定価1600円(税別) 

<荒木共著『自衛隊幻想」』(産経新聞出版)> 

・定価1200円(税別) 

<荒木著『靖国の宴」』(高木書房刊)> 

・定価1000円(税別) 

<荒木著『北朝鮮拉致と「特定失踪者」』(展転社刊)> 

・定価1800円(税別) 

_________________________________________ 

特定失踪者問題調査会ニュース 

--------------------------------------------------------- 

〒112-0004東京都文京区後楽2-3-8第6松屋ビル301 

Tel03-5684-5058Fax03-5684-5059 

email:comjansite2003■chosa-kai.jp 

※■を半角の@に置き換えて下さい。 

調査会ホームぺージ:http://www.chosa-kai.jp/ 

YouTube https://www.youtube.com/channel/UCECjVKicFLLut5-qCvIna9A 

発行責任者荒木和博(送信を希望されない方、宛先の変更は 

kumoha551■mac.com宛メールをお送り下さい) 

※■を半角の@に置き換えて下さい。 

<カンパのご協力をよろしくお願いします> 

■特定失踪者問題調査会■ 

●クレジットカードでのカンパが可能です。ホームページから入って手続きできます。 

●郵便振替口座00160-9-583587口座名義:特定失踪者問題調査会 

●銀行口座 みずほ銀行 飯田橋支店 普通預金 2520933 名義 特定失踪者問題調査会 

●労金口座 中央労働金庫 本郷支店 144093 名義 特定失踪者問題調査会代表 荒木和博 

(郵便振替以外で領収書のご入用な場合はご連絡下さい) 

■特定失踪者家族会■ 

郵便振替口座 00290-8-104325 特定失踪者家族会 

銀行口座 ゆうちょ銀行 普通預金 店番128 口座番号4097270 特定失踪者家族会 代表者大澤昭一 

______________________________________________________

|

« 猛暑【調査会NEWS3046】(R01.8.10) | トップページ | 「ウソでやってるんですよ」【調査会NEWS3048】(R01.8.13) »