田口八重子さんと工作船【調査会NEWS3065】(R01.9.5)
山のように積まれた机の上の書類(ほとんど地層みたいに堆積してますが)を整理していたら平成3年(1991)5月24日付読売新聞朝刊の記事が出てきました。それによれば田口八重子さん拉致の当時佐渡沖に北朝鮮の工作船がいたとのことでした。全文は下に載せましたがこの記事からすると田口八重子さんは佐渡から拉致されたと当局が認識しているように感じられます。
政府のパンフには田口八重子さんの拉致は「発生現場不明」となっています。宮崎の海岸からという説もありますが、考えてみれば当局は連れていかれた場所を分かっているのではないでしょうか。
記事の出る4日前、5月20日に埼玉県警は大韓航空機爆破事件の犯人金賢姫に日本語や日本の風習を教えた拉致被害者女性の身元が分かったと発表しました。ただしこの当時は氏名は非公開だったので記事にも名前は出てきません。その直後の記事なので、この内容は明らかに警察のリークです。
当時飯塚繁雄さんは何日にもわたって長時間警察から事情を聞かれたとのことで、警察としては総力を挙げてこれに取り組んでいましたから、ただ金賢姫の証言だけで北朝鮮による拉致だと発表するとは思えません。
そうすると八重子さんは佐渡までどうやって行ったのでしょう。そしてわざわざ佐渡経由で行ったとすれば佐渡に拠点がなければならないはずですが、それはどこだったのかということなど、疑問が次々湧いてきます。例えば記事で「佐渡島の南20キロ付近」とありますが、佐渡島の南20キロ付近というのは「柏崎の北20キロ付近」でもあります。わざわざ「佐渡島の南」という書き方をしたこと自体に意味があるのでしょうが、この記事にはそれ以外にもあらためて読むと興味深い内容が少なくありません。
昔の記事というのは馬鹿になりません。図書館で縮刷版などを読むお時間のある方はぜひこの種の昔の記事を調べてみていただけると幸いです
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※読売新聞平成3年(1991)5月24日付東京朝刊社会面記事
アベックら失跡現場近くの日本海沿岸に北朝鮮工作船?公安当局確認
大韓航空機事件の金賢姫(キム・ヒョンヒ)・元北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)工作員の日本人教育係、李恩恵(リ・ウンヘ)が埼玉県出身の元ホステスと確認された事件で公安当局は23日、この女性が消息を絶った昭和53年6月中旬から7月初めにかけて、北朝鮮の工作船とみられる船舶が新潟県佐渡沖を航行していたことがわかったと明らかにした。ほぼ同時期に起きた計4件のアベック蒸発監禁事件当時も、それぞれの現場近くの沿岸に北朝鮮の工作船とみられる船舶がいたことが情報分析の結果、判明したともしている。
公安当局によると、これら船舶は、当時の沿岸警備情報などあらゆる情報を最近になって分析した結果、明らかになったという。
佐渡沖で確認された船舶は、佐渡島の南20キロ付近の近海周辺をゆっくり航行していたという。
また計4件のアベック蒸発事件などは、同じ昭和53年7月から8月にかけて、新潟、福井、鹿児島、富山のいずれも海岸近辺で発生したが、それぞれ事件が起きた日の夜半から翌日の未明にかけて、二十キロ程度の近海で不審船舶が停泊しているのが確認されたという。
佐渡沖の船舶を含め5船とも別の船だったことがわかっているが、一部の目撃証言や船舶の航跡、形状などから公安当局は、いずれも北朝鮮の工作船にほぼ間違いないとしている。
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最新の北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧(更新に伴い場所を移動しました)
http://araki.way-nifty.com/araki/2019/06/post-6cc9b5.html
着岸漂流一覧と失踪関連地点マップ
https://drive.google.com/open?id=1Nsd5Xf9dqDa6AsYv5_4VspEFmeNh95qS&usp=sharing
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