1960年代でも北朝鮮の経済は韓国より劣っていた【調査会NEWS3077】(R01.9.19)
以下は韓国でビラを北朝鮮に飛ばす運動をしている李ミンボク・対北風船団長が送ってくれるメルマガを翻訳したものです。少し意訳してありますが、だいたいこういう中身だと思います。ご参考まで。李さんは脱北者で、大型風船でビラを北朝鮮に送るプロジェクトをやっているのですが、文在寅政権になってからこの活動自体は警察によって妨害されできなくなっています。
なお、この中には主人公である李さんの叔父さんが「日本出張が多かった」と書いてありますが、文脈からすれば工作員として浸透したことではないかと思います。まあ出張には違いありませんが。
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韓国に浸透した叔父が見た南北朝鮮の1960年代生活水準
年月が流れ、もう生きておられない方なので書くことにする。
対南工作機関の総本山を中央党3号庁舎と言う。前に明らかにしたように父と叔父は南出身だ。朝鮮戦争前後、南朝鮮労働党党首朴憲永を米帝のスパイとして殺したように南出身者は根こそぎにされた。その中で中央党の課の書記になるほどだった叔父の出世の秘訣はなんだったのか。
その第1が韓国に浸透した工作員としての業績だ。多分広く知られた非転向長期囚と同期だろう。非転向長期囚は捕まり、叔父は捕まらなかった。ソウルの街で捕まったことがあったが、酔っ払いのふりをしてなんとか逃れ、何日も飲まず食わずで休戦ラインを越え北朝鮮に帰還。胃が狭窄になってしまいその後遺症の胃病で苦しむほどだった。
二つ目は人間性が良かったことだ。誰も嫌う人がいないほどだった。同僚と家族をこちら(韓国)の教会の牧師が信徒を愛するように面倒を見た。還暦の祝いで行ったときも亡くなった同志の子供が叔父を自分の父親のように対してくれていた。
三つ目は物欲に執着しなかったことだ。日本出張が多かったが、持ってきたものはせいぜいキャノンのカメラ一つだったと叔母は不満をもらしていた。実際家に行けば金日成の贈り物としてもらったカラーテレビと冷蔵庫だけしかなかった。
四つ目は寡黙だったことだ。むやみに口を開かなかった。しかし甥である私には短く、力強い言葉で話された。
初めての対話は1974年私が平壌金策工大半導体工学部入学試験を受けに行く時だ。「我が子よりお前の方が羨ましいくらいよくできる。勉強しなければならん。統一になって南朝鮮人民を指導しようとすれば実力がなければならない。行ってみると(南朝鮮に浸透してみると)思想的準備は分からないが、実力はうちの子供たちよりあるように見える」
当時水泳の金メダル受賞者だった長男は人民軍偵察局に、次男は護衛局に服務していた。
叔父との二度目の対話は1987年私の結婚式に来られたときだ。2人だけになったとき、真摯に聞いた。本当にぼろを着て飢えている南朝鮮なのかと。
少し時間をおいて一言で言った。「私が行ったとき(韓国浸透)見た限りでは食べて暮らすのには問題かったな」
いつ浸透したのかは明らかにしなかったので年代は分からないがおそらく1960年の4.19学生革命の直後ではなかったかと思う。実際脱北して韓国の親戚の証言を聞いてみると4番目の伯父の家に隠れていたのを見たという。親戚は申告しなかったために電気拷問で半身不随になった。その恨みのせいか、私が韓国に来て20年になるがまだ会おうという連絡がない。私も傷をほじくり返すようで無理に会おうとはしていない。
1960年に黒いソ連製のボルガ乗用車は中央党級の人間だけが乗るものだった。1967年に叔父が我が家にこの車に乗ってきたが、運転手が車が汚れると行って甥である私にも触らせなかった記憶が鮮明だ。したがって4.19の後から1967年までの間に韓国に浸透したことは間違いないと思う。
実際南北を行き来して見た叔父の言葉を聞いてみれば1960年代に北朝鮮の暮らしの方が韓国より良かったという通説はひっくりがえる。
個人的にこれを確認するために、ここに来て1960年代大韓ニュースの記録映画を仔細に見て、北朝鮮と比較してみた。
分析と実験が習慣である科学者出身として評価すると韓国住民の50%は北朝鮮生活水準の平均以上であり、30%程度が平均、残りが北朝鮮の平均以下だったと思う。問題は貧困から起きた悲劇的な事件が公開された報道のもとで拡大再生産されて北朝鮮より暮らしが悪いという説が固まったものだと思う。具体的論争はここで語ることができないので省略する。
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最新の北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧(更新に伴い場所を移動しました)
http://araki.way-nifty.com/araki/2019/06/post-6cc9b5.html
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