拉致認定について(12月14日付大臣要請)【調査会NEWS3146】(R01.12.25)
【調査会NEWS3146】(R01.12.25)
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<拉致認定について(12月14日付大臣要請)>
荒木和博
去る12月14日に菅義偉官房長官兼拉致問題担当大臣に特定失踪者家族が面会したおり今井英輝・特定失踪者家族会会長名でお渡しした要請文書は後日返答がある予定ですが、個別の要請事項についてこれから他のニュースの合間を見ながらご説明していきます。
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(要請項目1)
昨年11月12日の要請以来1年余が経過しましたが、その間1人の拉致認定もなされていない理由はなぜでしょうか。当時の回答では「拉致被害者の認定については、北朝鮮側に反論する材料を与えることがないよう、慎重に対応している」とありましたが、具体的に北朝鮮はどのように反論してきたのでしょうか。
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平成18年(2006)11月30日、当時の漆間巌警察庁長官は記者会見で、10日前の11月20日に拉致認定された松本京子さんの拉致被害者認定について「認定が遅かったとの批判があるが、昭和52年(1977年)に警察は拉致を知る状況になかった。小泉総理の訪朝で拉致問題は大きく変わり、情報が入るようになった。遅いといわれれば遅いが、世の中の事情があった」と語りました。
漆間長官は、この会見の席上、今後も同庁として拉致容疑事案を追加していくとした上で、認定要件の緩和については「拉致ではないものが一件でもあると反撃を食らう。
犯罪に該当するものを拉致事案に掲げており、警察が追加するとしたら(北朝鮮の国家意思によって、本人の意思に反して、北朝鮮に移送されたという)3要件は譲れない。
認定を行う政府が緩和するのなら、私たちとは別の考え方だ」と語っています。
お分かりのようにこの会見内容は支離滅裂なものです。例えば横田めぐみさんの拉致は松本京子さんの拉致の翌月ですが、事件発生当時から北朝鮮による拉致であることは認識されていました(詳しくは拙著『北朝鮮の漂着船』をご参照下さい)。しかし警察がそれを表に出すことはありませんでした。横田めぐみさん失踪が北朝鮮による拉致と認められたのは事件から20年後、平成9年(1997)5月のことです。
また、3要件と言いますが、それに完全に該当する寺越武志さんは認定されていません。長官の会見の最後の言葉は捨て台詞のようなもので、おそらく警察の中では松本京子さんの拉致認定に相当の抵抗があったのだと思います。
警察からすれば拉致認定を増やしても(正確には認定は政府が行うのですが)、誉められる以上に「なぜ今になって認定するのか」「今までなぜ認定しなかったのか」と問われるだけで何のメリットもありません。隠してきた代々の担当者の責任を問うことは物理的に不可能であり、どうしようもないというのが正直なところです。
さてしかし、そんなことは日本国内のことであり拉致被害者にとってはどうでも良い話です。北朝鮮は平成14年(2002)の小泉訪朝で金正日が拉致を認めるまで一貫して「私たちは拉致などしていない」と言って、前にも書いたような様々な偽情報、攪乱情報を流してきました。どうせ文句を言うのですから反撃も反論もないわけで、北朝鮮の言っていることを真面目に考える必要などありません。
一体これまで具体的に何のデメリットがあって、そのデメリットのために松本さん以来11年間1人の拉致認定もされなかった理由は何なのか、明らかにしてくれることを期待しています。
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北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧(令和元年12月17日現在確認分)
http://araki.way-nifty.com/araki/2019/12/post-ce8a89.html
着岸漂流一覧と失踪関連地点マップ
https://drive.google.com/open?id=1Nsd5Xf9dqDa6AsYv5_4VspEFmeNh95qS&usp=sharing
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