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2020年9月11日

9・17【調査会NEWS3331】(R02.9.10)

 前号でお知らせした「『その後』を考える集い 30 in Zoom」で時間を9月17日(水)11:00~11:30と書いていましたが11:00~12:30の間違いです。お詫びして訂正します。

 さてその9月17日、18年前のあの日は私にとっての「日本のいちばん長い日」とも言える日でした。当時また特定失踪者問題調査会は設立されておらず、私は救う会全国協議会の事務局長。救う会の役員や家族会(当時は横田滋さんが代表)の皆さん、そして拉致議連(当時石破茂会長)の方々と共に改築前の衆議院第1議員会館の会議室に朝から待機していました。

 早朝羽田を出発した特別機には小泉純一郎首相・安倍晋三内閣官房副長官らが乗り込んで平壌に向かいました。正午ごろ、首相官邸から「8件11人(当時の認定拉致被害者。曽我さんは入っていない)の情報を伝えるので平壌に直接繋がっている外務省に来てもらいたい」との連絡がありました。実は前日も「外務省で説明したい」との要請が官邸から来ていたのですが、「説明するならそちらから来たら良いではないか」と断っていました。今回は全員の安否を伝えるとのことだったので半信半疑ながら了解しました。

 この後の「飯倉公館事件」については度々お話しし、またあちこち書いていますので省略します。YouTubeのショートメッセージでもお話ししていますのでご関心がありましたらそちらをご覧ください。

https://youtu.be/QtFy_0kQxQE

https://youtu.be/1P_Hw-zGnQg

 ここで申し上げておきたいのは「北朝鮮と直接繋がっている外務省」というのは全くの嘘だったということです。私たちが連れて行かれたのは本庁舎(当時は改装中で港区内にあった仮庁舎)ではなく、麻布のゲストハウス、飯倉公館でした。案内された広いホールには大きなテレビが置かれていました。「平壌と直接つながる」と聞いていた私たちは当然そこに平壌からの映像が流れて拉致被害者が出てくると思っていたのですが、しばらくしてから職員がスイッチを入れるとNHKのニュースが報じられました。飯倉公館に行く必要はありませんでした。

 しかもすでに平壌では北朝鮮から伝えられていた「死亡の日付」は伝えられませんでした。福田官房長官も植竹外務副大臣も「いつ死んだのですか」と聞かれて「分かりません」としか答えませんでした(私の感触ですが植竹副大臣は本当に知らされていなかったのだと思います)。また、個別の家族が安否を伝えられていたときにテレビでは選挙の開票速報のような「横田めぐみさん死亡、蓮池薫さん生存…」という報道がなされていました。

 飯倉公館に同行した拉致議連役員は石破茂会長・米田健三副会長・平沢勝栄事務局長の3人。自民党以外はまかりならんというのが官邸の意向でした。「宣告」の後、議員会館に戻って行ったのがあの涙の記者会見でした。

 もしこの日、家族への報告が議員会館(別に待機していた第1会議室である必要はありません)。で行われ、「北朝鮮は5人生存、8人死亡と言っています。北朝鮮から出てきた書類はこのような内容です。事実の確認はできていません」と伝えていれば、市川修一さんの「死亡」日付など、明らかな嘘が直ぐ分かっていました。そしてその反応は直ぐにマスコミを通じて全国・全世界に流されていたはずです。「5人生存、8人死亡」も誰も信じなかったでしょう。

 あのとき家族だけを隔離したのは、マスコミに触れさせないでおいて、その間に「5人生存・8人死亡」を報道させ、既成事実化するためでした。マスコミも国民もこのときは情報に飢えていましたから、一端流せば爆発的に広がり、その最初の情報が頭に焼き付きます。流れができればそれを覆すことは極めて難しい。私は情報戦というのはこうやるのだなと、ある意味「戦場」で実感しました。ちなみに2年後に「山本美保さんDNA偽装事件」として政府はこのやり方のミニ版を行います。

 外務省は(さらに言えば官邸は)「生存者の家族との面会や一時帰国、死亡者の遺骨収集などについては日朝国交正常化交渉の中で協議する」という方針でした。辛うじてそうならないですんだのは国民の意思という他ありません。

 一連のことを体験して私は国家権力というものに対する認識が激変しました。その国家権力を動かす政治家は、個人として信頼したり尊敬する人はいても、政治家という仕事で考えれば全面的に信用できるものではない。「この人に頼んでおけば大丈夫」ということはあり得ないと確信しました。今自民党総裁選の最中ですが、3人の誰がなっても「これなら大丈夫」も「これではだめだ」もないということは肝に銘じておくべきではないでしょうか。安倍総理でも「大丈夫」ではなかったのですから。

 任せるのではなく個別具体的な要望を実現する、そのためにどう動かすかしかありません。最後は国民の覚悟だと思います。

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北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧(令和2年3月24日現在確認分)

http://araki.way-nifty.com/araki/2020/03/post-f7a8e9.html

着岸漂流一覧と失踪関連地点マップ

https://drive.google.com/open?id=1Nsd5Xf9dqDa6AsYv5_4VspEFmeNh95qS&usp=sharing

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<調査会・特定失踪者家族会役員の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等> 

※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。 

★9月17日(土)11:00~12:30「『その後』を考える集い30 in Zoom」(調査会主催)

・インターネット会議アプリ「Zoom」を使って行います。参加希望の方は代表荒木まで直接ご連絡下さい(kumoha551@mac.com)。

★10月10日(土)「北朝鮮人権シネマフォーラムin能代」

・調査会代表荒木が参加

★12月5日(土)~6日(日)「第2回 北朝鮮に自由を!人権映画祭」(同実行委員会主催)

・民団大阪ホール(地下鉄谷町線「中崎町」駅2番出口から徒歩3分 大阪市北区中崎2-4-2)

・調査会代表荒木が参加

★FM「オレがやらなきゃ誰がやる!」 

毎週木曜日21:00~、「RADIO TXT FM Dramacity 776.fm」(札幌) 他

副代表村尾がパーソナリティー 

インターネット「ListenRadio」で札幌以外でもパソコン・スマホから聴取できます。 

http://listenradio.jp

YouTube Office Movementのチャンネルからはいつでも聴取できます。

https://www.youtube.com/channel/UCTtzOOIcIOa22_gnLubk8Dg

★代表荒木のYouTubeチャンネル

 毎日5~10分配信しています。RadioTalk・GooglePodcastなどでは音声配信で聞くことができます。

https://www.youtube.com/channel/UCSa3H61PRYDyRy4aHvF_VSA

★channelAJER(チャンネル アジャ)では代表荒木の担当する番組『救い、守り、創る』を送信しています。会員制ですが1回26分の番組の前半は無料で視聴していただけます。 

http://ajer.jp 

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※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。 

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特定失踪者問題調査会ニュース 

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〒112-0004東京都文京区後楽2-3-8第6松屋ビル301 

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発行責任者荒木和博(送信を希望されない方、宛先の変更は 

kumoha551■mac.com宛メールをお送り下さい) 

※■を半角の@に置き換えて下さい。 

<カンパのご協力をよろしくお願いします> 

■特定失踪者問題調査会■ 

●クレジットカードでのカンパが可能です。ホームページから入って手続きできます。 

●郵便振替口座00160-9-583587口座名義:特定失踪者問題調査会 

●銀行口座 みずほ銀行 飯田橋支店 普通預金 2520933 名義 特定失踪者問題調査会 

●労金口座 中央労働金庫 本郷支店 144093 名義 特定失踪者問題調査会代表 荒木和博 

(郵便振替以外で領収書のご入用な場合はご連絡下さい) 

■特定失踪者家族会■ 

郵便振替口座 00290-8-104325 特定失踪者家族会 

銀行口座 ゆうちょ銀行 普通預金 店番128(イチニハチ) 口座番号4097270 特定失踪者家族会

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