加藤官房長官と面会【調査会NEWS3349】(R02.10.21)
前号でお知らせした通り本日13:30から首相官邸において特定失踪者家族が加藤勝信官房長官兼拉致問題担当大臣と面会しました。冒頭今井英輝会長からの要請文書(下に掲載)を大澤前会長が加藤大臣に手渡しました(今井会長は都合により欠席)。参加した家族の発言要旨は以下のようなものでした(文責荒木)。
●大澤昭一さん(大澤孝司さんの兄・特定失踪者家族会前会長)
・北朝鮮の岩盤は日本の岩盤より強固。より綿密な行動で岩盤を崩してもらいたい。
・荒木代表の小説(月刊「正論」連載)を読んでもらいたい。それぞれの被害者にそれぞれの物語がある。それを理解できると思う。
・平成26年3月巻町で行われた集会で松原仁・元拉致問題担当大臣が「在任中大澤孝司さんと川口の藤田進さんは拉致されていると認識していた」と語っている。ぜひ拉致認定を進めて欲しい。
●吉見美保さん(秋田美輪さんの姉・特定失踪者家族会副会長)
・拉致は人権問題だけとは思えない。日本人を北朝鮮の中で生活させ仕事をさせているということが日本の中に生きていて不安を感じる。家族を取り戻すだけではない。このままでは中国やアジア諸国に対しても主権や尊厳が感じられないと思う。
・ここに来ているのは皆兄弟姉妹で、父はもう人の話を理解できず、自分の思いを伝えることができない。日本に帰って良かったと思えるうちに救出して欲しい。
●竹下珠路さん(古川了子さんの姉・特定失踪者家族会事務局長)
ここに来られなかった今井会長から「来られず申し訳ない」との言葉を預かってきた。
・思いは沢山あるが、要請文書の中に家族ならではの話が入っている。今回は菅総理との面会をお願いしていた。事情を承知されている加藤大臣によろしくお願いしたい。
(竹下さんから同席した三ツ林副大臣と𠮷川政務官に『「ただいま」も言えない 「おかえり」も言えない』を寄贈)
●生島馨子さん(生島孝子さんの姉・特定失踪者家族会幹事)
・11月1日で孝子が失踪して50年目に入る。妹も戦前生まれで来年80歳になる。戦時中米軍の機銃掃射を受けて母が私と孝子を両手につないで逃げた覚えがある。そんなにして生きてきたのに30何年経って拉致されて、もう生きているかとも思う。こんなことになるなら何のために妹は生まれてきたのか。
・「自助・公助・共助」というが拉致については「自助」は無理。このまま時が流れてしまえばその事実さえなくなるのではないか。永久に消えてしまうと思うとやりきれない。
・大臣に最初にお会いしたときからどんどん弱ってしまった。でも自分は日本で死ぬのだからまだ良い。どんな形でも良いから対応してもらいたい。
●板野佳子さん(非公開Oさんの妹・特定失踪者家族会幹事)
・私も年が明けたら80歳になる。兄が帰っても迎えるのは自分しかいない。これからは少しでも希望が見えるようにして欲しい。
●横山木三子さん(新木章さんの妹)
・失踪してからもう43年も経った。73歳になる。元気でいることを願っている。解決をお願いする。
●佐々木美智子さん(佐々木正和さんの姉)
・11月に失踪したので寒くなると「どうしているだろうか」と思いながら毎年暮らしている。ただ会いたい。
調査会からは私と副代表村尾が参加しました。私からは官房長官に次のようにお願いしました。
・後日村尾と事務局で「しおかぜ」メッセージ収録の日程を調整すると思うが、収録の折、「北朝鮮のいかなる組織・個人であれ拉致被害者救出に協力してくれるなら日本政府として保護・支援を行う」とのメッセージを入れてもらいたい。
・ドンチョル・キム博士について、可能な状況になったら自分自身が一刻も早く訪米して直接会い会った人を特定できるようにしたい。そのための便宜を政府として図っていただきたい。
最後に大臣の発言がありましたが、それについては公表してはいけないとのことなので(正直公表しても問題になる内容はなかったと思うのですが)ここには書きません。いずれにしても要請文書への回答は文書で返すことについては大臣も確認しているます。その回答が戻ったら記者会見を開く予定です。
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(加藤官房長官への要請文書)
※総理宛の文書は全文の「ご就任早々の大変お忙しい中、特定失踪者家族への面会時間を捻出頂き心より感謝いたします」が抜けているだけで他の内容は同じです。
内閣官房長官・拉致問題担当大臣 加藤勝信様
令和2年10月21日
特定失踪者家族会会長 今井英輝
拉致被害者救出に関しての請願
内閣官房長官兼拉致問題担当大臣御就任誠におめでとうございます。
日頃より拉致問題解決に向けた並々ならぬご尽力に心からの敬意と感謝を申し上げます。
ご就任にあたりお願いしたいことは数々ありますが、9月16日付で特定失踪者問題調査会荒木和博代表から加藤勝信官房長官・拉致問題担当大臣宛てに提出申し上げた文書の各項目に加え、今回は特定失踪者家族として特にお願いしたいことを以下に申し述べます。
ご就任早々の大変お忙しい中、特定失踪者家族への面会時間を捻出頂き心より感謝いたします。
念の為、9月18日付の加藤官房長官あての荒木代表からの文書及びドンチョル・キム博士から日本政府に宛てたメッセージも添付いたします。
記
1.今までとは違う形の救出の方策、実効性のある方策を実施してください。
10月15日で2002年の拉致被害者帰国から18年が経ちました。その間1人の拉致被害者も救出されていません。古川了子さんの拉致認定を求める訴訟にあたって、平成19年4月26日、当時の河内隆・内閣官房拉致問題対策本部事務局総合調整室長兼内閣府拉致被害者等支援担当室長の表明した「表明所」によれば「すべての拉致被害者の北朝鮮からの速やかな帰国を実現することをはじめとした拉致問題の解決に向け、全力で取り組んでいくこととする」とありました。これを信じて私たちは訴訟を取り下げたのですが、その後13年間、事実上何の結果も出なかったというのが現実です。
菅政権になってから北朝鮮外務省が発表した中で、“我々の誠意と努力によって既に引き戻せないほど完全無欠に解決された”と談話が発表されたと言うことは、今までの日本政府の踏襲では何年経っても解決の道は見つけられず、救出の扉は開かないと思います。北朝鮮に対しては今までとは違う方策を行使し、確実に被害者を取り返す行動を起こしていただきたく思います。
例えば、ドンチョル・キム博士を含む脱北者の方々からの情報収集を積極的に行い、北朝鮮に囚われている日本人の存在を精査してください。
2.特定失踪者家族と菅総理大臣が面談できるようにお取り計らい下さい。
安倍総理も含め、歴代の総理大臣は特定失踪者家族とは面談を一切行いませんでした。それは全ての拉致被害者と言いつつも、認定被害者と未認定の被害者を明らかに区別することになり私たち家族は容認できるものではありません。
総理が特定失踪者家族と面会する映像が流れれば、それは日本の国内のみならず北朝鮮に対しても、菅政権が全ての拉致被害者救出に向けて強い意志を持っていることを示す分かり易い表明になるはずであり、北朝鮮に対する圧力にもなります。
3.拉致被害者の認定を追加してください。
拉致被害者の認定は2002年小泉訪朝で曽我さん母子の拉致が明らかになった後は田中実さん、松本京子さんが追加認定されただけで、いまだに17人のみに止まっています。前述の「表明書」でも「北朝鮮当局による拉致行為があったと確認された場合には、速やかに(中略)『被害者』として認定することとする」とありますが、田中さん・松本さんの認定は古川訴訟の最中に行われており、政府の表明書を信じ訴訟を取り下げた後は13年間ただ一人の認定もなされていません。
国連のCOIでも被害者は100人以上に及ぶと発表しています。当事者である日本が具体的な被害者氏名を更新しない限り北朝鮮に足元を見られている現実は回避できません。20年近い年月の警察その他による国内調査の成果を拉致被害認定者の追加という形で、明確に実現してください。北朝鮮からの言いがかりを危惧する余り国民の命に係わる問題を疎かにすることのないよう強い意志で施策をお願いします。
4.被害者の現状を認識してください。
政府の発表している拉致の可能性を排除できない行方不明者=特定失踪者は現在875名ですが、そのうち氏名を公開している人と認定被害者を加えるとおよそ540名います。
それらの人々で現在70歳以上になっている人は51%、60歳以上で見ると実に77%に達しています。90歳以上100歳を超えている人も26人おられます。人の命には限りがあります。
待ちわびる家族の高齢化はもとよりですが、この被害者の現実をしっかり認識し、被害者の救出が一刻の猶予もないことを真剣に受け止めて、救出への対策を急いでください。
5.菅総理大臣と加藤官房長官の声を北朝鮮に囚われている拉致被害者に直接届けてください。
そのためには、確実に北朝鮮国内へ届いている電波である特定失踪者問題調査会の短波放送「しおかぜ」で流す必要があります。この放送が妨害電波を受けていることは確実に北朝鮮に届いている証拠で、先方は国民に聞かせたくないから妨害してくるわけあり、妨害電波の枠を超えた北朝鮮国内ではしっかりと受信できているはずで、調査会では妨害の隙を縫って熱心に送信し続けています。
何十年と囚われている拉致被害者が生きる希望を失わないためにも、是非日本国の内閣総理大臣と内閣官房長官の力強いメッセージを届けて下さい。
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北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧(令和2年3月24日現在確認分)
http://araki.way-nifty.com/araki/2020/03/post-f7a8e9.html
着岸漂流一覧と失踪関連地点マップ
https://drive.google.com/open?id=1Nsd5Xf9dqDa6AsYv5_4VspEFmeNh95qS&usp=sharing
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<調査会役員・特定失踪者家族会三役の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等>
※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。
★10月24日(土)14:00「北朝鮮人権シネマフォーラム in 岐阜」(救う会岐阜主催)
・ハートフルスクエアーG(岐阜駅徒歩2分 岐阜市橋本町1-10-23 058-268-1050)
・特定失踪者家族会吉見副会長・調査会代表荒木が参加
・問合せ:090-8336-8621(野原さん)
★10月24日(土)14:00「国民大集会」(救う会・家族会・拉致議連・知事の会・地方議連主催)
・シェーンバッハ・サボー(地下鉄永田町駅下車)
・特定失踪者家族会竹下副会長が参加
・問合せ:救う会全国協議会(03-3946-5780)
★11月3日(火)13:30「拉致問題の早期解決を願う国民のつどいin米子」(政府・鳥取県・米子市・日南町・大山町・伯耆町・鳥取県拉致議連・救う会鳥取主催)
・米子コンベンションセンター(米子駅徒歩5分 米子市末広町294 0859-35-8111 )
・調査会代表荒木・理事石原が参加
・参加申込み:info@sakimori-japan.org
★11月5日(木)19:30「YouTubeライブ 北朝鮮の弱点を探る」(予備役ブルーリボンの会主催)
・調査会代表荒木が参加
・予備役ブルーリボンの会YouTubeチャンネルからご覧下さい。
https://www.youtube.com/channel/UCPrqeCO5CGlj9Imyzz1_XTg
★11月21日(土)15:00「防人と歩む会フォーラム」(同会主催)
・高田馬場F1ビル(高田馬場駅前)
・調査会代表荒木が参加
・参加申込み:info@sakimori-japan.org
★12月5日(土)~6日(日)「第2回 北朝鮮に自由を!人権映画祭」(同実行委員会主催)
・民団大阪ホール(地下鉄谷町線「中崎町」駅2番出口から徒歩3分 大阪市北区中崎2-4-2)
・調査会代表荒木他役員が参加
★12月6日(日)名古屋市啓発行事(名古屋市主催)
・ソレイユプラザなごや(地下鉄伏見駅歩7分 名古屋市中区栄1-23-13伏見ライフプラザ12F 052-684-7017)
吉見美保特定失踪者家族会副会長が参加
★FM「オレがやらなきゃ誰がやる!」
毎週木曜日21:00~、「RADIO TXT FM Dramacity 776.fm」(札幌) 他
副代表村尾がパーソナリティー
インターネット「ListenRadio」で札幌以外でもパソコン・スマホから聴取できます。
YouTube Office Movementのチャンネルからはいつでも聴取できます。
https://www.youtube.com/channel/UCTtzOOIcIOa22_gnLubk8Dg
★代表荒木のYouTubeチャンネル
毎日5~10分配信しています。RadioTalk・GooglePodcastなどでは音声配信で聞くことができます。
https://www.youtube.com/channel/UCSa3H61PRYDyRy4aHvF_VSA
★インターネット放送 channelAJER(チャンネル アジャ)では代表荒木の担当する番組『救い、守り、創る』を送信しています。会員制ですが1回26分の番組の前半は無料で視聴していただけます。
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※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。
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特定失踪者問題調査会ニュース
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