太平洋側からの上陸【調査会NEWS3414】(R03.3.19)
特定失踪者問題調査会副幹事長 杉野正治
先日、神奈川県の茅ヶ崎で荒木代表とYoutubeライブを行ってきました。
サーフボードを横に積んだ自転車が行き交い、さながらアメリカ西海岸といった雰囲気でしょうか。海岸沿いを通る国道134号線は、お正月には「箱根駅伝」のランナーたちが駆け抜けていく道です。拉致とか北朝鮮の工作活動とかとはあまり関係なさそうに見えます。
しかし太平洋側でも工作員の上陸は間違いなくあったでしょう。
理由はわりと簡単です。「やろうと思えば不可能ではないから」そして「北朝鮮にはそれを遂行する断固とした意志があるから」です。
◆地中から発見された高性能無線機
きっかけは特別調査班が見つけた昭和43年(1968)1月の読売新聞の連載記事です。
昭和42年(1967)5月、当時「パシフィックホテル茅ヶ崎」脇の駐車場で、かつて見たことのない高性能の無線機などが入った漆塗りの箱が掘り起こされた。鉄のサビ具合などから考えても1、2年ほど前のもの」(要約)。さらに「掘り起こされる2日前、その近くで男性が深夜にトラックに轢き殺された。殺された男性は、浜坂事件(昭和36年、兵庫県の浜坂港)で逮捕された北朝鮮工作員の協力者だった」(同)とあります(トラック運転手は同日中に逮捕)。
死亡した男性は、あるいはこれを掘り起こしに来たものの何らかのトラブルでそれができず、結果的にトラックで…なんて考えたりします。
過去に工作員が日本に上陸した際、無線機などを砂浜に埋めたことがわかっています。移動には大きくて重いので、とりあえず埋めておいてあとでこっそり掘り起こそうとしたのかもしれません。しかしこの無線機は、従来比で7~25倍の速さで暗号文を送信できる当時最新鋭の優れものです。
その2年後の昭和44年(1969)11月には、青森県の海岸から上陸した工作員が逮捕され、秋田県能代市内の砂山に埋められた多数の「スパイ道具」の中に、高性能の無線機2台が発見・押収されました(岩崎・能代事件)。
どちらも最新鋭の無線機を配備したので、日本国内に多数潜伏する工作員にそれを渡そうとしたのかもしれません。工作員だけでなく、最新鋭の設備も工作船で運んできていたものと思われます。
◆太平洋側での上陸はあったか?
では、ここが上陸地点であったかどうか、という点についてです。
公になっている太平洋側で発見された工作船は宮崎県沖の日向灘が北限です。ここからさらに関東まで足を伸ばすとなると、朝鮮半島との往復も考えれば4~5000キロの航続距離が必要になってきます。津軽海峡を通るにせよ九州南端を回ってくるにせよ、日本列島を大きく迂回するとなると、難易度は格段に高まります。
航続距離が長くなると、まず発見されるリスクが高まります。工作船の多くは日本の漁船に偽装していますが、漁業関係者は見慣れない漁船を見ると「あいつ誰だ?」と注目を浴びることになり、漁港に入ることは簡単ではありません。また磯やプレジャーボートの釣り人に発見されることだってあります。さらには関東近くで発見された場合は長距離を逃走しなければなりません。
もう一つの問題は燃料です。例えば横浜に展示されている工作船(平成13ー2001年に奄美沖で巡視船と銃撃戦を交わした後に自沈)は、総トン数44トンのうち24トン分の燃料タンクが備えられていました。航続距離は、全速力(33ノット・時速約60km)で2200km、7ノット(海保巡視船の追跡時、時速約13km)で約5600km。ゆっくりであれば関東沖まで往復できそうですが、工作船がそんなギリギリの燃料しか積まないとは思えません。途中で暴風雨に遭うかもしれないし、巡視船に見つかって追いかけられることだって考えられます。燃料は余計に積んでいたでしょう。
だとすると途中で燃料を補給する「中継地」のようなものがあるのかもしれません。そこへ寄港しなくとも、工作船にタンクなどで届けられればよいのです(それでも結構な量にはなるでしょうが)。あるいは、例えば貨物船のような大きな船ならどうでしょう。かつては北朝鮮の貨物船も関東や関西の港に来ていました。そこから沖合で燃料の供給を受ける(もちろんこっそりと)のであれば不可能ではありません。これだと怪しまれるリスクもかなり少なくなるのではないでしょうか。
東京、名古屋、大阪など太平洋側の都会は、人口も多く、大企業や工場が立ち並んでいます。また横須賀をはじめ米軍や自衛隊の基地もあります。潜伏もしやすく、高い技術が集積し、日米の軍事動向をどこよりも気にした北朝鮮にとって、こうしたところへのアクセスは大きなメリットがあると言えます。
◆鎌倉付近から4名が同時期に失踪
もうひとつ気になることがあります。昭和36年12月に掲載された『週刊読売』の記事「消えた二人の美少年」です。
要約すると、「昭和36年11月、鎌倉市の海岸から高松康晴さん(当時20歳)と学生(同19歳)の二人の青年が姿を消した」というものです。続けて「昭和36年の始め、月のない暗い夜9時頃、漁船ほどの小舟が由比ヶ浜に入ってくるのを見た」と釣り人の証言が記されているのです。「崖地近くにまでやってくると一人の人間が海に飛び込み浜辺に上がった。船はそのまま沖に引き返していった」。つまりこの記事は「2人の失踪と夜中に現れた不審な船は、何らかの関係がある」と読むべきでしょう。
さらにそのおよそ40年後、調査会に届けられたリストの中で、昭和36年10月1日に齋藤正治さん(同22歳)が隣の逗子市で、12月20日に岩佐寅男さん(同35歳)がほぼ同じ地点で失踪したことがわかりました。つまり昭和36年の10から12月に、このあたりで4名が失踪しているのです。
高性能無線機が発見された「パシフィックホテル茅ヶ崎」は昭和41(1966)年に建てられ、プールやボウリング場やビリヤード場なども増設して「パシフィックパーク茅ヶ崎」と称され、映画スターやミュージシャンなど、各界の一流の人々が集ったようです。もっともホテルの運営会社は昭和45年に倒産し、所有者を幾度か変えた後に廃業してしまいました。ただ建物自体は平成12年に解体されるまで存在したようです。10階建てのホテルは特異な形をしていて、周囲には高い建物もなかったので、営業当時も廃業してからもかなり目を引いた存在でした。
海にはサザン・オールスターズのヒット曲でも有名な烏帽子(えぼし)岩が浮かんでいます。ホテルの建物と合わせて、海の上から恰好の目印になったことでしょう。
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・マスク(2枚+マスクケース):1セット2000円
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★インターネット放送 channelAJER(チャンネル アジャ)
・竹下珠路特定失踪者家族会事務局長兼調査会副代表がゲスト
・増元照明調査会副代表(前家族会事務局長がゲスト)
★3月23日(火)14:00(前に13:00と書いていましたが開場時間で、開演は14:00です) 北朝鮮拉致の真実(多摩市遺族会青年部主催)
・多摩市関戸公民館(聖蹟桜ヶ丘駅徒歩3分 042-374-9711)
・代表荒木が参加
・問合せ 伊野青年部長(080-1131-3609)
★3月24日(水)14:30~ 山下貢さん・田中浩史さん・林雅俊さん現場ライブ
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https://www.youtube.com/channel/UCSa3H61PRYDyRy4aHvF_VSA
★4月2日(金)10:30~ 市川修一さん・増元るみ子さん現場ライブ
・鹿児島県日置市
・代表荒木・副代表増元が参加
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・調査会代表荒木が参加
・問合せ:深野牧師(046-254-7683)
★5月22日(土)北朝鮮人権シネマフォーラム in 鳥栖(同実行委員会主催)
・調査会代表荒木が参加
★5月23日(日)13:30 北朝鮮人権シネマフォーラム in福岡(救う会福岡・調査会主催)
・福岡市健康づくりサポートセンター「あいれふ」
地下鉄赤坂駅徒歩4分(福岡市中央区鶴舞2-5-1)
・特定失踪者家族会吉見副会長・調査会代表荒木が参加
・問合せ 救う会福岡(https://sukuukai-fukuoka.jp/mail)
★代表荒木のYouTubeチャンネル
毎日5~10分配信しています。RadioTalk・GooglePodcastなどでは音声配信で聞くことができます。
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幹事長村尾がパーソナリティー
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※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。
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北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧(令和3年1月22日現在確認分)
http://araki.way-nifty.com/araki/2021/01/post-2e613f.html
着岸漂流一覧と失踪関連地点マップ
https://drive.google.com/open?id=1Nsd5Xf9dqDa6AsYv5_4VspEFmeNh95qS&usp=sharing
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