« 拉致問題と「オールジャパン」(R3.4.5) | トップページ | 映画「めぐみへの誓い」「クロッシング」について(R3.4.6) »

2021年4月 6日

軍事施設と拉致【調査会NEWS3421】(R03.4.6)

特定失踪者問題調査会副幹事長 杉野正治

 北朝鮮は建国(1948)年以来、常にアメリカを敵と考えてきました。東西冷戦、南北分断、ソ連の崩壊と状況は変化したものの、最大の敵がアメリカであったことに変わりはありません。

 韓国はアメリカの傀儡政権、アメリカと同盟関係にある日本についてもその一派とみなしています。特に日本にはスパイを取り締まる法律がなく、東洋人だから外見では見分けることは難しい。戦前に日本で生まれ、日本語を普通に話せる工作員もいる。在日朝鮮人のコミュニティーに紛れて活動することもできる。情報を獲得するには最適な条件が整っているのです。

◆北朝鮮存亡に関わる米軍の情報

 在日米軍の動向や自衛隊の設立への動き、その後の日米同盟の連携は、北朝鮮にとっては東側陣営の一員として、そして自らの国の存亡に関わる、大きな関心事だったと言えます。

 北朝鮮は昭和20年代の建国当初から、日本に浸透してスパイ活動を行ってきました。日本に上陸しようとして検挙された工作員のほとんどが、日本の政治、経済、外交、そして日米の軍事情報を獲得することを目的のひとつに挙げています。

また昭和63(1988)年にはよど号犯の妻八尾恵が神奈川県横須賀市でカフェバーを開き、防衛庁(当時)幹部や防衛大学校の学生などが客として来店していました。北朝鮮の工作員のみならず、日本人もこうした情報収集の一翼を担ったと言えます。

 米軍がソ連や北朝鮮に対してどのような軍事戦略を持ち、どのように展開しているのか。日本の自衛隊との連携はとれているか。日本への核の持ち込みはあるか。潜水艦をいかにして探知するのか。そして平壌への軍事攻撃があるのか…。もちろん情報にはピンキリがあるでしょうが、工作ネットワークの中で収集したあらゆる情報を収集し、整理し、分析するのです。防衛白書などの政府刊行物から新聞や週刊誌記事の収集、専門家の論文や講演会の記録も彼らは欲しがるのです。おそらく想像以上に大掛かりに情報を収集し、それを分析をしているはずです。

◆軍事施設に関連する失踪

 こうした米軍や自衛隊の施設の近くで多数の失踪が起きています。特定失踪者約470名の中で、こうした施設の近くで失踪したり居住していたりした人が百数十名にのぼります。元自衛隊員だった人もいるし、昭和56(1981)年には「米軍基地で働くので戸籍を送ってほしい」と遠く離れた九州の実家に連絡を寄越したのを最後に音信不通になった人もいます。もちろんこれらすべてが軍事情報を得るために拉致されたのではないのでしょうが、何らかの関係を頭に入れつつこれらの失踪を見ていく必要があります。

 ではこれらが北朝鮮による拉致だとすると、どういうことが考えられるでしょうか。

l  米軍や自衛隊がどのような対共産圏・対北朝鮮戦略を持っているのか。戦闘機や空母の配備、新しい兵器の開発、人事、基地の警備状況など、何らかの内情を知る人物に接触したり、場合によっては拉致したりする可能性があります。

l  戦闘機を飛ばしたり艦船を航行させたり無線機を扱ったりと、自衛官には一般の人が得られない特殊な技能を持っている人がいます。そのノウハウのみならず、ときにはそうした技能を持つ人の獲得もありうるでしょう。

l  例えば飛行場の近くであれば戦闘機や哨戒機の発着の具合で、軍の動きをある程度把握することもできます。また通信施設であれば、通信の傍受(もちろん米軍は高度の暗号技術を施しているので難しいでしょうが)や、それができなくとも電波の送受信の急増を捕らえたりすることもできます。有事の際はアンテナを破壊すれば戦闘を有利にすることができます。

l  そのためには基地や施設の警備や周囲の地形をあらあらかじめ把握する必要があります。これらをよく把握する近隣の居住者を拉致の対象者とした事も考えられます。

l  あるいはこうした工作を偶然に目撃して、拉致をされたということも考えられます。ある意味で偶発的な拉致と言えるのかもしれません。実際には見ていなくても、工作員が「見られた」と思ったらその人物を拉致する可能性もあります。

◆核・ミサイルを絶対に手放さない

 大雑把に言えば、世界はアメリカを中心に回っています。世界最大の軍隊の情報は北朝鮮でなくとも欲しがりますし、当然アメリカも防諜に努めています。軍事のみならず、経済、社会もアメリカの動向で世の中は決まってきました。20世紀に共産主義が猛威を奮いましたが、その一翼を担うソ連崩壊で東西冷戦は終結したとも言えます。

 しかしソ連崩壊後も北朝鮮は生き残ってきました。中国やソ連崩壊後のロシアがそのバックアップをしているのが一因です。ただ東西対立時のような十分なバックアップではないと思います。この2~30年、北朝鮮の継続的な貧困や飢餓が解消されないのは、「崩壊はさせないが、脅威となられても困る」という中ロの思惑があるのかもしれません。

 もう一つ、もはや北朝鮮は共産主義国家というより、金王朝による全体主義国家と見た方がいいようです。国家の崩壊は政権の崩壊、すなわちトップの断罪となります。こうなると政権を崩壊させるわけにはいかなくなるのではないでしょうか。金正恩がトランプや文在寅と抱擁しあって「核を放棄するよ」と発言したって、政権が自ら核やミサイルを放棄することは絶対にありません。これらを手放した瞬間に、金正恩政権は終焉を迎えるからです。

 最近北朝鮮はまたもミサイルを発射してきました。軍事・民生を問わず北朝鮮に渡った情報や技術は軍事技術や工作技術に昇華されます。ノドンやテポドンなどが発射されたころに比べても、射程や精度は飛躍的に向上していますし、核弾頭の小型化にも成功しつつあります。これらの中でも、拉致された日本人の高度な知識や技能が、こうした技術の向上に大いに寄与している可能性があります。

 北朝鮮という名の「怪物」を放っておいた結果、北米大陸や宇宙空間にも届くミサイルを、彼らは開発してしまったのです。

///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

■マスク・ポスターVer. 24と特定失踪者・拉致被害者パンフレット改訂版好評発売中(迷彩マスクは販売終了しました)

・マスク(2枚+マスクケース):1セット2000円

・ポスター(A1版):1枚100円

・パンフレット(A4版20ページ・特定失踪者・政府認定拉致被害者・警察断定拉致被害者・救う会認定拉致被害者の写真と簡単なデータが記載):1冊200円。

 いずれも調査会ホームページからインターネットでご購入いただけます。

https://www.chosa-kai.jp/goods

<調査会役員・特定失踪者家族会三役等の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等> 

※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。 

★インターネット放送 channelAJER(チャンネル アジャ)

・竹下珠路特定失踪者家族会事務局長兼調査会副代表がゲスト

https://youtu.be/KmJaSVAb9E8

・増元照明調査会副代表(前家族会事務局長がゲスト)

https://youtu.be/u3OjhdYrb2o

★4月7日(水)13:00 大屋敷正行さん現場ライブ

・静岡県沼津市

・代表荒木・副幹事長杉野が参加

https://www.youtube.com/channel/UCSa3H61PRYDyRy4aHvF_VSA

★4月11日(日)に予定されていた「国民の集い in 兵庫・神戸」(政府拉致問題対策本部・兵庫県・神戸市主催)は延期になりました。

★5月22日(土)北朝鮮人権シネマフォーラム in 鳥栖(同実行委員会主催)

・調査会代表荒木が参加

★5月23日(日)13:30 北朝鮮人権シネマフォーラム in福岡(救う会福岡・調査会主催)

・福岡市健康づくりサポートセンター「あいれふ」

 地下鉄赤坂駅徒歩4分(福岡市中央区鶴舞2-5-1)

・特定失踪者家族会吉見副会長・調査会代表荒木・幹事冨永が参加

・問合せ 救う会福岡(https://sukuukai-fukuoka.jp/mail)

★代表荒木のYouTubeチャンネル

 毎日5~10分配信しています。RadioTalk・GooglePodcastなどでは音声配信で聞くことができます。

https://www.youtube.com/channel/UCSa3H61PRYDyRy4aHvF_VSA

 ★FM「オレがやらなきゃ誰がやる!」 

毎週木曜日21:00~、「RADIO TXT FM Dramacity 776.fm」(札幌) 他

幹事長村尾がパーソナリティー  

現在休止していますがバックナンバーはYouTube Office Movementのチャンネルからはいつでも聴取できます。

https://www.youtube.com/channel/UCTtzOOIcIOa22_gnLubk8Dg

★インターネット放送 channelAJER(チャンネル アジャ)では代表荒木の担当する番組『救い、守り、創る』を送信しています。会員制ですが1回26分の番組の前半は無料で視聴していただけます。 

http://ajer.jp 

★予備役ブルーリボンの会の動画配信「レブラ君とあやしい仲間たち」

・代表荒木がキャスターをつとめています。

https://www.youtube.com/channel/UCPrqeCO5CGlj9Imyzz1_XTg

----------- 

※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。 

////////////////////////////////////////////////////////// 

北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧(令和3年1月22日現在確認分)

http://araki.way-nifty.com/araki/2021/01/post-2e613f.html

着岸漂流一覧と失踪関連地点マップ

https://drive.google.com/open?id=1Nsd5Xf9dqDa6AsYv5_4VspEFmeNh95qS&usp=sharing

_________________________________________ 

特定失踪者問題調査会ニュース 

--------------------------------------------------------- 

〒112-0004東京都文京区後楽2-3-8第6松屋ビル301 

Tel03-5684-5058Fax03-5684-5059 

email:comjansite2003■chosa-kai.jp 

※■を半角の@に置き換えて下さい。 

調査会ホームぺージ:http://www.chosa-kai.jp/ 

YouTube https://www.youtube.com/channel/UCECjVKicFLLut5-qCvIna9A 

発行責任者荒木和博(送信を希望されない方、宛先の変更は 

kumoha551■mac.com宛メールをお送り下さい) 

※■を半角の@に置き換えて下さい。 

<カンパのご協力をよろしくお願いします> 

■特定失踪者問題調査会■ 

●クレジットカードでのカンパが可能です。ホームページから入って手続きできます。 https://www.chosa-kai.jp/net_de_kifu

●郵便振替口座00160-9-583587口座名義:特定失踪者問題調査会 

●銀行口座 みずほ銀行 飯田橋支店 普通預金 2520933 名義 特定失踪者問題調査会 

●労金口座 中央労働金庫 本郷支店 144093 名義 特定失踪者問題調査会代表 荒木和博 

(銀行口座のカンパで領収書のご入用な場合はご連絡下さい) 

■特定失踪者家族会■ 

郵便振替口座 00290-8-104325 特定失踪者家族会 

銀行口座 ゆうちょ銀行 普通預金 店番128(イチニハチ) 口座番号4097270 特定失踪者家族会

_____________________________________________________

|

« 拉致問題と「オールジャパン」(R3.4.5) | トップページ | 映画「めぐみへの誓い」「クロッシング」について(R3.4.6) »