北朝鮮が日本人女性を拉致する理由【調査会NEWS3464】(R3.7.6)
特定失踪者問題調査会副幹事長 杉野正治
特定失踪者問題調査会に届けられた失踪者と警察庁のホームページに公開されている拉致の疑いのある失踪者は合計で約660名、うち女性は約200名あまりで、およそ3割から4割近くが女性です(もとの資料にもよります)。これが多いのか少ないのかわかりません。大まかに言えば世の中の男女比は1:1なのですから。ランダムに拉致をしていたとすれば少ないとも言えます。それともやはり女性を拉致する何らかの明確な目的があったのでしょうか。
◆「日本人女性」であることの必要性
北朝鮮はなぜ日本人女性を必要としたのでしょうか。
1.日本人に扮して韓国に入国する工作員を養成する
北朝鮮の最大の目的は北朝鮮の政権による韓国との統一です。そのためには韓国で工作活動を行なったり親北朝鮮組織を構築したりするため、まず韓国に入国する必要があります。しかし北から南へは合法的に行けない。そうなると男性であれ女性であれ、日本人に扮するのが最も望ましいということになります。
実際に1988年に大韓航空機を爆破した金賢姫(キム・ヒョンヒ)は、男性工作員とともに偽造のパスポートを携帯して日本人夫婦に扮して大韓航空機に乗り込み、自身が乗り換えたあとに時限爆弾を爆破させました(男性は逮捕時に服毒自殺で死亡)。この金賢姫は、拉致された日本人の教官李恩恵(リ・ウネ)=田口八重子さんと20ヶ月にわたって同居し、「日本人化」の訓練を受けました。日本語やその言い回し、日本人の立ち居振る舞い、日本の流行歌や唱歌など、あらゆることを彼女から教わったと述べています。昭和53(1978)年に拉致された蓮池薫さんらも工作員を養成するための教官として日本語などを教えていたといいます。
日本人だと見られさえすれば、韓国のみならず世界中で信頼されるし、まして日本人夫婦を装えば疑われるリスクもより低くなります。
2.拉致した日本人同士で家庭を築くため
北朝鮮にとって日本人拉致の大きな目的の一つは、工作員の養成とともに日本の高度な知識や技術を得ることです。女性の拉致は、あるいはその人と結婚させることが目的だったのではないでしょうか。
日本人男性を拉致したとすると、彼を北朝鮮に定着させなければなりません。心ならずも北朝鮮に来てしまったその男性は、突然自分の身に降り掛かった境遇から逃れることで頭が一杯で、その能力を発揮するには程遠い精神状態となります。不安定な彼を北朝鮮に留めるためには、結婚して家庭を持つことが一番です。孤独に苛まれながら日々を過ごしているところに日本語を解する妻がいれば、さぞかし心強く感じることでしょう。さらに二人の間に子供が生まれれば、その男性は子供のために必死になって働きます。ただ大抵の場合、子供は幼少期のうちに両親から引き離されて別に住むことになります。こうすることで、北朝鮮は子供を人質にして拉致した日本人をコントロールすることができるのです。
昭和45(1970)年に日本航空「よど号」を乗っ取り、北朝鮮に渡った9名の若い男性たちは、北朝鮮に渡ってまもなく精神的に不安定になったといいます。そもそも日本で「革命」を起こすために、日本の旅客機を乗っ取って共産国に渡り、軍事訓練を受けることが彼らの目的でした。ところが北朝鮮に行ったはいいが日本には帰れない。極度の不安に陥った彼らに、北朝鮮は妻を持たせようと考えました。ハイジャック事件からおよそ5年後の昭和50~51年頃、日本国内で親北朝鮮の活動をしていた女性たちが、第三国を経由するなどして日本を離れ、北朝鮮に渡ってよど号犯らと結婚したのです。また一人は日本から拉致をした福留貴美子さんでした。
昭和53(1978)年の蓮池薫さん・祐木子さん、地村保志さん・富貴恵さんなどの「アベック拉致事件」はよく知られています。これらを含め、昭和40年代後半から50年代末にかけて、アベックや夫婦で失踪するケースは未遂も含めて10数件見られます。これも拉致した日本人を定着させるために、最初から男女を狙ったというということも十分に考えられます。
さらに1978年には韓国の映画監督申相玉(シン・サンオク)と、その元妻で女優の崔銀姫(チェ・ウニ)が北朝鮮に拉致をされました。北朝鮮は崔銀姫を拉致し、これを探しに行った申相玉を拉致しています(二人は後に北朝鮮を脱出してアメリカに亡命し、北朝鮮の実態を描いた映画を作ります)。そこで申相玉は、北朝鮮に拉致されたときに密かに録音した金正日の肉声を公開しています。テープにはこう残されていました。「あなたを我が国に連れてくるよう私が指示した。しかしあなたを連れてくることが困難だったので、まず崔銀姫先生を拉致したのだ」。北朝鮮は拉致をする際も男女の関係を利用したのです。
◆拉致の対象者を見つける
以前にも述べたように、拉致の対象者を選定するのはそう簡単ではありません。拉致をするためには、対象者がどんな家族構成でどんな生活パターンなのか、あるいは何か悩みを抱えているかなど、その人の詳細を把握する必要があります。あくまで想像ですが、拉致をした男性を北朝鮮に定着させるために、あらかじめ彼から結婚相手として容姿や性格などある程度の好みを聴取し、それに近い女性を拉致するように指令したのではないでしょうか。
失踪した女性は、和裁や洋裁の学校に通っていたという人が数多います。ほとんどが若い女性です。昭和50年くらいまで和裁・洋裁の学校は「花嫁修業」のために多くの女性が通っていました。こうしたところはいわゆる個人情報を持っているし行動パターンも把握している。容姿や性格などもよく知っている。例えば拉致の対象者を探し出そうとする人物が「見合い相手を探してるんだけど、ポッチャリ型でおとなしい感じのいい子はいないかな?」と持ちかけると、教室を経営する世話好きなおばさんは、何十人もいる教室の生徒の中から、提示された条件に近い女性を探し出すのです。すでに「花嫁修業」はできています(※あくまで私のイメージですが)。
もちろんこのお節介なおばさんは、全く拉致の認識はありません。一方でニセのお見合い相手を探すよう依頼した人物は、間違いなく日本国内で活動している工作員か工作補助員です。あるとき、このおばさんが探しだした女性を、これまた拉致した日本人男性と結婚させるために拉致するのです。和裁・洋裁教室に限らず、個人情報を把握できる空間であれば、拉致の対象者を選定することが可能になってくるのです。
日本人女性はホスピタリティーが高く、穏やかで、頭も切れる。化粧やファッションにも敏感で優れたセンスを持っている。日本人女性と家庭を持つことは、ステータスの高さを示すものでもあります。あるいは拉致された日本人同士が、北朝鮮の中で助け合ったり励まし合ったりしながら救出されるのを待っているはずです。その一方、家庭を築くことで祖国日本への帰国がますます難しくなることは、蓮池夫妻、地村夫妻、そして曽我ひとみさんやジェンキンスさんなどを見てもよくわかります。
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★月刊「正論」8月号(7月1日発行)「苦境の拉致被害者へ日本の声絶やさない」
・幹事長村尾が寄稿
★7月23日(金)14:00 維新政党・新風シンポジウム(同党主催)
・きゅりあん(品川区立総合区民会館)
大井町駅前(品川区東大井5-18-1)
・調査会代表荒木・幹事三浦が参加
・問合せ:児玉さん(090-9235-1790)
★8月22日(日) 神戸集会(福岡方式:一般参加とYouTubeライブのハイブリッド開催)
・代表荒木が参加
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★08/28(土) 福島集会(福岡方式:一般参加とYouTubeライブのハイブリッド開催)
・代表荒木・幹事赤塚が参加
https://www.youtube.com/channel/UCSa3H61PRYDyRy4aHvF_VSA
★9月2日(木) 18:30 石川集会(福岡方式:一般参加とYouTubeライブのハイブリッド開催)
・代表荒木・幹事大口が参加
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★9月11日(土)14:00 熱田神宮文化講座(熱田神宮主催)
・熱田神宮文化殿
名鉄神宮前徒歩3分(名古屋市熱田区神宮1-1-1)
・代表荒木が参加
・問合せ 熱田神宮文化殿(052-671-0852)
★9月18日(土)17:30「草莽志塾」(同塾主催)
・かでる2.7(札幌市中央区北2条西7丁目 011-204-5100)JR札幌駅徒歩13分
・調査会代表荒木が参加
・問合せ・出口塾頭(011-737-1798)
※事前申込みが必要です
★11月13日(土)13:30「拉致問題講演会」(群馬県・救う会群馬他主催)
・群馬県玉村町
・調査会代表荒木が参加
・問合せ 群馬県地域福祉推進室(027-226-2518)
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北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧(令和3年1月22日現在確認分)
http://araki.way-nifty.com/araki/2021/01/post-2e613f.html
着岸漂流一覧と失踪関連地点マップ
https://drive.google.com/open?id=1Nsd5Xf9dqDa6AsYv5_4VspEFmeNh95qS&usp=sharing
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