« 島崎譲・元社会党代議士の著書『再会』はこちらから | トップページ | 寺越事件を隠蔽したもの(R3.9.6) »

2021年9月 6日

日本を舞台にした南北の戦い(終)工作員たちのその後【調査会NEWS3496】(R3.9.6)

特定失踪者問題調査会特別調査班

 北送阻止のため派遣した要員を帰国させようとしたのと時を同じくして韓国内では大統領選挙の不正をめぐって李承晩政権への批判が高まりました。学生のデモに警察隊が発砲して死傷者が出たこと(通称「4・19学生革命」)で世情が騒然となり4月26日に李承晩は大統領職を辞任、ハワイに亡命します。

 

 李承晩が辞任して政治的な空白が生まれていた4月下旬、派遣隊の何名かは潜伏先でスイッチを入れたラジオの短波放送で隠語を使った「撤収命令」を聞き、同時に「5月初めまでに下関に集合」との伝言が派遣隊員に流されました。連絡が届いて下関に集合したのは24名で、下関駅構内にあった伝言板の指示に従い指定された下関駅前の旅館で出国の日を待つことになりました。

 5月3日夜、待機中の旅館に「M」という人物が迎えに来ます。当初2名の派遣隊員がMの道案内で彦島江の浦桟橋に向かい、浮桟橋に係留してあった鮮魚運搬船「新生丸」の船底に身を潜めます。その後次々に派遣隊員が乗り込んできましたが、船底に潜んでいたところを山口県警の警察官らによって全員逮捕されてしまいます。

 逮捕された24人は「出入国管理令違反」の罪で起訴され、当初は執行猶予付きの判決が下されましたが検察側の控訴により昭和35(1960)年12月26日、広島高裁で懲役6カ月の実刑判決が下されました。この間、派遣隊員らは国選弁護人を通じて駐日代表部に助けを求めますが、代表部からは何の音沙汰もなかったといいます。当時李承晩政権を引き継いだ民主党政権は新派と旧派に分裂し、政局が混乱していました(半年後には朴正煕将軍らによるクーデターが起きます)からそれどころではなかったのでしょう。一方「撤収命令」が行き届かず、下関にも集合できず、逮捕を逃れた派遣隊員たちは、元々日本に居住していた者もいて、その後も日本にとどまり続けたようです。

 述べてきた一連の流れについては様々な視点から見ることができます。前にも書きましたが韓国映画「シルミド」をご覧になったことのある方はあのように韓国政府に利用され、捨てられたというイメージを持つかも知れません。そのような側面があるのも事実です。

 一方、南北は帰還事業の始まる6年前まで朝鮮戦争を戦っていました。双方とも食うか食われるかという状況であり、日本の法律がどうとか言っていられる状態ではなかったというのも事実でしょう。もちろん破壊活動や、日本国内での非合法な活動については容認できるものではありませんが、仮に韓国の帰還事業阻止の運動が一部でも成功していれば、日本人家族も含めて9万3千人の悲劇はいくらかでも減じることができたかも知れません。

 「北朝鮮が帰還事業を行ったのだから韓国もやれば良かったではないか」という見方もあるでしょう。実際前に書いたように日本政府はそのような動きもしています。しかし、当時最貧国であった韓国には新たに入ってくる国民を受け入れる余裕はありませんでした。ちなみに帰還事業の初期、帰還船に使われていたのはソ連船でした。経済的には優っていた北朝鮮でもソ連の支援もあって実現したということではないでしょうか。

 もう一つ、この事件は北朝鮮の工作活動に置き換えて考えても興味深いものがあります。帰還事業を妨害するために工作員を送り破壊工作を送るという発想は、ある部分ソウルオリンピック妨害のために大韓航空機を爆破した事件に重なるものがあります。また、送られた工作員の処遇などについては北朝鮮でも同じようなことがあったかも知れません。色々なことを考える材料として、このような事件が半世紀前に起きていたことをご理解いただければ幸いです。(了)

===================================  

<調査会役員・特定失踪者家族会三役等の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等> 

※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。

※記載されている参加者は調査会・特定失踪者家族会役員のみです。

★9月11日(土) 拉致問題を名古屋から発信する9.11オンライン集会(救う会愛知・調査会主催)

・代表荒木・幹事藤沢が参加

https://www.youtube.com/channel/UCSa3H61PRYDyRy4aHvF_VSA

★9月18日(土)17:30「草莽志塾」(同塾主催)

・かでる2.7(札幌市中央区北2条西7丁目 011-204-5100)JR札幌駅徒歩13分

・調査会代表荒木が参加

・問合せ・出口塾頭(011-737-1798)

  ※事前申込みが必要です

★10月30日(土)14:00 熱田神宮文化講座(熱田神宮主催)

・熱田神宮文化殿

 名鉄神宮前徒歩3分(名古屋市熱田区神宮1-1-1)

・代表荒木が参加

・問合せ 熱田神宮文化殿(052-671-0852)

★代表荒木のYouTubeチャンネル

 毎日5~10分配信しています。RadioTalk・GooglePodcastなどでは音声配信で聞くことができます。

https://www.youtube.com/channel/UCSa3H61PRYDyRy4aHvF_VSA

 

★インターネット放送 channelAJER(チャンネル アジャ)では代表荒木の担当する番組『救い、守り、創る』を送信しています。会員制ですが1回26分の番組の前半は無料で視聴していただけます。 

http://ajer.jp

 

★予備役ブルーリボンの会の動画配信「レブラ君とあやしい仲間たち」

・代表荒木がキャスターをつとめています。

https://www.youtube.com/channel/UCPrqeCO5CGlj9Imyzz1_XTg

----------- 

※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。 

////////////////////////////////////////////////////////// 

北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧(令和3年1月22日現在確認分)

http://araki.way-nifty.com/araki/2021/01/post-2e613f.html

着岸漂流一覧と失踪関連地点マップ

https://drive.google.com/open?id=1Nsd5Xf9dqDa6AsYv5_4VspEFmeNh95qS&usp=sharing

_________________________________________ 

特定失踪者問題調査会ニュース 

--------------------------------------------------------- 

〒112-0004東京都文京区後楽2-3-8第6松屋ビル301 

Tel03-5684-5058Fax03-5684-5059 

email:comjansite2003■chosa-kai.jp 

※■を半角の@に置き換えて下さい。 

調査会ホームぺージ:http://www.chosa-kai.jp/ 

YouTube https://www.youtube.com/channel/UCECjVKicFLLut5-qCvIna9A

発行責任者荒木和博(送信を希望されない方、宛先の変更は 

kumoha551■mac.com宛メールをお送り下さい) 

※■を半角の@に置き換えて下さい。 

<カンパのご協力をよろしくお願いします> 

■特定失踪者問題調査会■ 

●クレジットカードでのカンパが可能です。ホームページから入って手続きできます。 https://www.chosa-kai.jp/net_de_kifu

●郵便振替口座00160-9-583587口座名義:特定失踪者問題調査会 

●銀行口座 みずほ銀行 飯田橋支店 普通預金 2520933 名義 特定失踪者問題調査会 

●労金口座 中央労働金庫 本郷支店 144093 名義 特定失踪者問題調査会代表 荒木和博 

(銀行口座のカンパで領収書のご入用な場合はご連絡下さい) 

■特定失踪者家族会■ 

郵便振替口座 00290-8-104325 特定失踪者家族会 

銀行口座 ゆうちょ銀行 普通預金 店番128(イチニハチ) 口座番号4097270 特定失踪者家族会

_____________________________________________________

|

« 島崎譲・元社会党代議士の著書『再会』はこちらから | トップページ | 寺越事件を隠蔽したもの(R3.9.6) »