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2021年12月16日

背乗り(はいのり)と拉致【調査会NEWS3540】(R3.12.16)

特定失踪者問題調査会副幹事長 杉野正治

 「背乗り」とは国籍を盗用し、その人物に成り代わることです。旧ソ連の情報機関が編み出した手法で西欧や米国に対して古くから使われました。そのソ連が生み出した北朝鮮の情報機関の工作員は、アジア人の容貌を持ち日本語を操って日本に背乗りを仕掛けてきたのです。日本には戦前から朝鮮人が多く住んでいましたし、日本で生まれ自然に日本語を読み書きできる朝鮮人がいても全く違和感はありません。日本やその同盟国米国の情報を収集し破壊活動を行っていく、あるいは世界中で「日本人」として工作活動ができるのです。

◆「日本人」になること

 いまは随分と少なくなりましたが。高度経済成長期にはビル建設や道路・鉄道の敷設など日雇労働で暮らす人も多く、こうした人たちが過ごす「ドヤ(簡易宿泊施設)街」が全国各地にありました。中には家庭や社会に背を向けて隠れるようにこうしたところに身を投じていった人たちもいました。

 こうした人々に北朝鮮は目をつけたのです。正確に言うと彼らの持つ日本国籍に注目しました。いなくなっても誰も気にかけないし探さない。また届け出る人もいないので、調査会や警察も全く把握できていません。つまり背乗りをされたら拉致の事実は全く明らかにならないのです。のちのち本人がひょっこり姿を現すといけないのでその人を拉致する。場合によっては殺害したということだって考えられます。もしそうだとしたら、通常の拉致よりさらに質の悪い犯行です。これが明らかになっても、いまの法律からすると単なる刑事事件の一つとして取り扱われ、「政府認定拉致被害者」とはならないのではないでしょうか。拉致を含む北朝鮮の工作活動が国家主権の侵害であるという認識を国が持っているのかどうか甚だ疑問です。

 昭和40年代に日本海から上陸しようとして捕まった工作員は、「スパイ訓練の際、身分盗用の手法として役所の戸籍係を買収すると教えられた」と自供しています。過去にこうしたことが行われていたとも考えられます。さらには日本人に帰化した在日朝鮮人に成りすましたり、日本人と結婚して国籍を取得する工作員もいました。過去には「カネのために戸籍を売った」なんて話も耳にしたことがあります。北朝鮮工作員にとって日本国籍はそれほど価値のあるものだと言えるでしょう。

 政府認定の拉致被害者では昭和55(1980)年に大阪で拉致をされた原 敕晁さんです。北朝鮮工作員の辛光洙は、拉致した原さんの戸籍で運転免許証をとり、パスポートをつくって韓国に渡り、ソウルで逮捕されました。また昭和52(1977)年に石川県から拉致された久米裕さんも背乗りが目的だったと見られています(犯人が逮捕されたため)。さらに政府認定被害者ではないものの小住健蔵さんも戸籍を乗っ取られたことが明らかになっています。

◆真正(偽装ではない)の免許証と旅券

 日本人の戸籍を盗用した工作員は、多くの場合まず運転免許証を取得します。運転免許証は最も多くの日本人が所有する公的な資格です。自動車の運転はもちろん、本人確認のため役所の窓口で、銀行で、レンタカーを借りるとき等々、今日でもあらゆる場面で運転免許証の提示を求められます。つまり免許証さえ持っていれば、日本人として大抵のことが可能になります。あるいは年金手帳をつくって日本人化したケースもあります。こちらは顔写真を貼る必要もないし更新することもほとんどないから、免許証よりもある程度誤魔化しが効きます。事実年金手帳を使って日本人化した中国の工作員が捕まっています。

 さらにはパスポートを取得します。海外に渡航できるし、提示を求められても日本のパスポートであれば大きな信用を得ることができます。何より統一を目指す韓国に怪しまれずに入国できます。背乗りをした辛光洙は取得したパスポートで韓国で逮捕されましたが(密告によると見られています)、同様に韓国や世界中の国々に渡航した工作員は他にたくさんいたはずです。

 いずれにしても日本人化さえすれば、捜査する側も追いかけていくことが極端に困難になってきます。目立つこともありませんし、たとえ「怪しいヤツだな」とマークされても、証拠がなければ法廷の場に立たせることすらできなくなるのです。また外国人ではないので「外国人登録証」も不要になります。工作員やその協力者がこれを偽造して所持していた例も多数ありますが、そんなことをする必要もなくなるのです。

 そう考えると背乗りは明るみになっているほんの数件だけではなく、もっとたくさんあったと考えるべきでしょう。拉致の目的の一つとして、マークされずに工作活動を遂行するために日本国籍の取得することは、大いに考えるべきです。日本人拉致を北朝鮮の工作活動と切り離して全く別のことだと考えるべきではありません。

 昨今は官民ともにデジタル化が叫ばれていて、マイナンバーカードも普及しつつあります。もちろん私たちも手続きが大幅に簡略化されるなど便利になるし、役所も管理しやすくなるから労力や予算を大幅に削減できるでしょう。しかし同時に、そのデータを北朝鮮当局や詐欺師グループが入手できたとしたら…ましてや日本国民になりすまして工作員が紛れ込んでいたら…。そうなると背乗り防止どころか「隠れ蓑」にさえなってしまいます。こうなったら工作員を追いかけることは、いっそう困難になるでしょう。

 日本人になりすまして給付金をもらったりワクチン接種をしていたりする工作員も結構いるのではないでしょうか。

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<調査会・特定失踪者家族会役員等の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等> 

※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。

※記載されている参加者は調査会・特定失踪者家族会役員のみです。

★12月18日(土)14:00 拉致問題を考える国民の集いin兵庫・神戸(政府拉致対・兵庫県・神戸市主催)

・場所 兵庫県公館

 市営地下鉄県庁前駅下車 東出口2すぐ(神戸市中央区下山手通4-4-1)

・特定失踪者家族会吉見副会長が参加

★令和4年1月29日(土)14:00 「ふるさとの風」「しおかぜ」共同公開収録 in 金沢(政府拉致問題対策本部事務局・調査会主催)

・場所 金沢市アートホール(金沢駅前 金沢市本町2-15-1 Tel:076-224-1660)

・幹事長村尾・幹事大口が参加

★2月5日(土)北朝鮮人権シネマフォーラム in 三鷹(桐29「めぐみへの誓い」上映実行委員会主催)

・場所 武蔵野芸能劇場(三鷹駅北口直ぐ 武蔵野市中町1-15-10 Tel:0422-55-3500)

・代表荒木が参加

・問合せ 石井実行委員長(070-8308-1413)

★2月19日 益田集会

・代表荒木・幹事石原が参加

★代表荒木のYouTubeチャンネル

 毎日5~10分配信しています。RadioTalk・GooglePodcastなどでは音声配信で聞くことができます。

https://www.youtube.com/channel/UCSa3H61PRYDyRy4aHvF_VSA

★インターネット放送 channelAJER(チャンネル アジャ)では代表荒木の担当する番組『救い、守り、創る』を送信しています。会員制ですが1回26分の番組の前半は無料で視聴していただけます。 

http://ajer.jp

★予備役ブルーリボンの会の動画配信「レブラ君とあやしい仲間たち」

・代表荒木がキャスターをつとめています。

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北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧(令和3年1月22日現在確認分)

http://araki.way-nifty.com/araki/2021/01/post-2e613f.html

着岸漂流一覧と失踪関連地点マップ

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特定失踪者問題調査会ニュース 

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