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2022年11月 8日

手作りミサイルとポンコツ戦闘機【調査会NEWS3676】(R4.11.8)

 最近のミサイル乱射について「本当に戦争をやる気だったら北朝鮮はあんなに大騒ぎしないだろう。内部向けではないか」と思っていたのですが、今日バルーンプロジェクト(北朝鮮へのビラ送付)でお世話になっている韓国の李ミンボクさんから来たメールは「我が意を得たり」というものでした。ご参考までご紹介します。ちょっと慌てて意訳したので、間違い等は私の責任です。ご一読下さい。

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北朝鮮の軍事力、どこまでだろうか

李ミンボク(対北風船団長・脱北者)

 今日の主な日刊紙(韓国)に大きな活字で「北朝鮮の恐喝作戦?蔚山沖ミサイル、戦闘機500台出動」というタイトルが目を引いた。

 内容は撃ちもしないミサイルと飛びもしない500機の戦闘機ということだ。ミサイルが底を突き、勝手に落ちるほどボロボロの戦闘機なのだから、むしろ「嘘共和国」の属性通りに嘘で恐喝するというニュアンスだ。

 正しい言葉だ。北朝鮮で生きた者として共感する。

 

 北朝鮮軍事技術の産室は平壌市龍城区域にある国防科学院だ。道を挟んで反対側に私がいた農業科学院の本院がある。1980年公開的な金正日登場とともに統治力の装飾のような「軍事首領」というイメージで表した言葉が「現代戦は弾丸戦争!」だ。「弾丸戦争」とは砲弾とミサイルで決着がつくという意味だ。このような「弾丸戦争」の実務的産室が「砲兵軍官学校」だ。金正日登場とともに名称を一番下の叔父にちなんで「金チョルジュ砲兵軍官学校」と改称した。

 この砲兵軍官学校は平南道銀山郡崇華里にある。私が働いていた農業科学院の畑作物研究所試験圃場の近くだ。砲兵軍官学校の重要性に基づいて軍官学校教授の子供たちも世代を継いで養育しろという金日成教示がある。この教示通り、銀山郡邑専門大学の中に物理科を別々に開設した。私は彼らと同窓のように一つの学校で勉強した。

 1979年、私の試験圃場を通る砲兵軍官学校教授と話したことがある。教授というが高級軍官の制服を着ていた。科学者である私と会話がよく合った。

「現代戦では確率100%の命中率を見せるが、それは90%命中率のミサイルを3発同時に撃つためだ」

「共和国(北朝鮮)はまだ砲弾の弾道曲線の計算ができない」

 これが、その方と交わした話で、はっきりと記憶に残っていることだ。その当時まで弾道曲線を計算するスーパーコンピュータがなかったようだ。 

 1990年代に入って数百万人の餓死者を踏み台にして撃ち上げた「光明星1号」ミサイルを見れば弾道曲線は計算されているようだ。あらゆる欺瞞の中で原子弾も2006年最初の試験に成功した。共産圏の特徴は集中力であり、一部では自由世界を凌駕することもある。1957年に世界初の人工衛星を打ち上げたソ連がそうだった。1964年、数千万人が飢えて死ぬ中で原子弾を成功した中国がそうだった。北朝鮮も同様なのだ。

 しかし、その持続性は別の問題である。特に北朝鮮の経済力水準ではさらにそうなのだ。これについて具体的に経験した脱北者がいる。閉鎖の中でさらに閉鎖された北朝鮮国防分野のあちこちを歩いてみた方だ。この方のご両親は国防科学院研究員であり、その子女として金日成大を卒業し国防科学院の記者だった金ギルソン女史である。

 彼女はこう語る。「北朝鮮のミサイルは10発作ったら1発ぐらいしか正確なものがない。首領様が『ともかく作れ』と言うので手工業で作る。精密部品をペーパー(研磨紙)で削って作る。試作品はいくつか作れてもラインで製作することはできない。戦争で韓国を赤化統一?話にならない。猫が象の耳を殴るようなものだ」

 これは世界2位の軍事力とされるロシアさえウクライナ戦争であの状態なのを見れば十分証明できる。

 歴史的に本当に戦争しようとする者は静かで、むしろ戦争はしないと叫ぶ。大昔の話ではなく朝鮮戦争と1970年代初めの北朝鮮がそうだった。ところが、金正恩は米国まで飛ぶミサイル戦争計画図を公開する。今や勝手に落ちるポンコツ戦闘機を250機飛ばすこともできず500機言葉で飛ばす。蔚山の沖に撃ってもいないミサイルを飛ばしたという。これをもって「恐喝」という言葉も正しいが、平和絶対主義者を狙ったものだ。それより重要な目的は国内の人民だ。何も供給できない状況で、軍事力だけは強いと叫ばなければ体制が維持されないからだ。

 これは今日だけでなく昔から使ってきた手法だ。ただし少し違うのは、昔は音声的に強いふりをしたが、その効果が落ちると今度は、ポンコツ砲で一斉射撃の映像、ミサイルや戦闘機の映像、最新式装備で包装した軍事パレードで見せる。

 閉鎖の中で人民はだますことができる。私たちは彼らが騙されないように目覚めさせなければならない。これが最高の対北戦略だ。

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■調査会の出版『北朝鮮 拉致と工作活動Ⅰ 拉致回廊 日本列島を行く』(杉野正治副幹事長著)。Amazonでお求めになることができます。(オンデマンド出版のため書店ではお求めになれません)

◎書籍版2200円(本体+税)

https://www.amazon.co.jp/dp/B0B37KWH2Y

◎Kindle(電子書籍)版(1400円)

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■拉致問題関連書籍一覧(特定失踪者家族会作成)

http://araki.way-nifty.com/araki/2022/09/post-cf6ae2.html

<調査会・特定失踪者家族会役員等の参加するイベント(拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等> 

※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。

※記載されている参加者は調査会・特定失踪者家族会役員のみです。

★11月12日(土)14:00 映画を通して北朝鮮の人権問題を考える会(北朝鮮人権映画祭実行委員会主催)

・拓殖大学文京キャンパス(茗荷谷駅徒歩5分 東京都文京区小日向3-4-14)

・代表荒木が参加

★11月16日(水)18:30 その後を考える集い32「田中実さんと金田龍光さんを見捨てるのか」(調査会主催)

・小石川運動場2階会議室(地下鉄飯田橋駅徒歩10分 東京都文京区後楽1-8-23 Tel 03-3811-4507)

・代表荒木・幹事長村尾・幹事三浦・常任顧問岡田・特定失踪者家族会竹下事務局長他が参加

★12月3日(土)13:30 「めぐみへの誓いシネマフォーラム in 長岡」(中村三奈子さんをさがす会・新潟県・長岡市・北朝鮮による拉致問題に関する新潟県市長村長の会主催)

・アオーレ長岡(長岡駅徒歩2分 長岡市大手通1-4-10 0258-39-2500)

・代表荒木が参加

★12月10日(土)~11日(日)北朝鮮人権映画祭(同実行委員会主催)

・オルビスホール(六甲ライナー アイランドセンター駅下車すぐ 神戸市東灘区向洋町中2-9-1)

・代表荒木・幹事三浦が参加

★12月22日(木)13:00 拉致問題を考える県民の集い(佐賀県・佐賀県教委・小城市・佐賀県拉致議連・救う会佐賀主催)

・小城市生涯学習センター「ドゥイング三日月」(大寺バス停徒歩9分・小城市三日月町長神田1845 0952-72-1616)

・代表荒木が参加

★代表荒木のYouTubeチャンネル

 毎日5~10分配信しています。RadioTalk・GooglePodcastなどでは音声配信で聞くことができます。

https://www.youtube.com/channel/UCSa3H61PRYDyRy4aHvF_VSA

★インターネット放送 channelAJER(チャンネル アジャ)では代表荒木の担当する番組『救い、守り、創る』を送信しています。会員制ですが1回26分の番組の前半は無料で視聴していただけます。 

http://ajer.jp

★予備役ブルーリボンの会の動画配信「レブラ君とあやしい仲間たち」

・代表荒木がキャスターをつとめています。

https://www.youtube.com/channel/UCPrqeCO5CGlj9Imyzz1_XTg

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※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。 

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北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧

http://araki.way-nifty.com/araki/2021/12/post-1a801e.html

着岸漂流一覧と失踪関連地点マップ

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特定失踪者問題調査会ニュース 

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