大澤さんへ理由を示せない新潟県警【調査会NEWS3745】(R5.8.18)
※今日のお話は関連したことをYouTubeの「荒木和博のショートメッセージ」でもお話ししていますので良かったらそちらもご覧下さい。
7月3日付3731号でお知らせしたように、6月30日大澤孝司さんの兄昭一さん(特定失踪者家族会前会長)と支援する「再会を果たす会」の役員・そして私で新潟県警に要請を行いました。その返事が8月2日届きました。
8月2日と言えば私はソウルにいたときで、「良い時期を選んだなあ」と思わずツッコミをいれたくなりました。そういえば田中実さんを兵庫県警が拉致と認めて発表したのは尼崎のJR脱線事故の日でした。朝から事故現場に集中していたマスコミはその後に発表された田中さんの記事は小さく扱わざるを得ず、それまで認めていなかったことについて警察が責任を問われることもありませんでした。まあどちらも偶然なのかもしれませんが。
さて、8月2日の話がなぜ今か、というと、昨日17日付の「新潟日報」に「大沢さん兄の要望に県警回答 『拉致と判断に至らず』 捜査継続 根拠説明なく」という記事が載ったからです。そこにはこんな部分がありました
「今後も判明した事実があれば捜査に支障がない範囲で説明すると伝えた。昭一さんによると『拉致ではない証拠があるのか』と尋ねたが、県警は『捜査に支障がある』として答えを避けたという」
何かギャグみたいな話ですが、結局「捜査に支障がない範囲」というのは存在しないということです。まあ公安関係・特に拉致は東京の警察庁から直轄ですから県警本部長でも全く介入できないはず。こう答えるしかなかったのでしょう。
拉致認定は政府が行うものですが、警察はその前段階で「捜査の結果拉致と断定した」と発表し、しかる後に閣議で決定するという手順です。問題は結局このシステムが機能していないのです。
警察からすれば大澤さんの要請を受けて「拉致だと認識している」と発表した途端、マスコミが県警や警察庁に殺到して「なぜ、今認定するのか」「どうしてこれまでしなかったのか」と聞くでしょう。そのときまさか「知りませんでした」とは言えませんし、「分かっていたけれど、隠していました」とはもちろん言えません。
そうすると、逃げ道は「家族や民間が騒ぐ前から着目していたが、決定的な証拠がなかった。このたび新しい証拠が見つかったので認定に至った」とするしかありません。実際田中実さんも松本京子さんも認定のときにはそういう理屈で発表しています。
このハードルでもエベレスト並みに高いのに、さらに政府からすると認定被害者が増えれば負担が大きくなるし北朝鮮が交渉に乗ってこなくなる。エベレストの上にマッターホルンが乗っかったようなものです。かくして認定は進まない。これは逆に言えば政府の方針が「認定の有無にかかわらず」とか言いながら、実は切り捨てることを常に念頭に置いているからでもあります。
民主党政権の松原仁拉致問題担当大臣当時、松原さんは「準認定」のような道が探れないかと一所懸命にやってくれていました。これは大臣でさえ拉致認定ができないという証拠でもあります(それでも大澤孝司さんと藤田進さんについて退任後ではありますが拉致と認識していたと発表してくれたのは他の大臣に比べれば評価できますが)。
調査会としては現在拉致認定を求めてはいません。ご家族の政府への要請には協力していますがこれはエベレストの上のマッターホルンを越える(認定)のが目的ではなく、その向こうの平地に行く(救出)が目的だからです。道を探せば普通に通れる道路で行ける可能性は十分にあります。飛行機も使えるでしょう。労力はそちらにかけた方が良いという判断です。
もちろん認定が進めばそれに越したことはありませんが、今の状態では本人が帰ってきても「この人が本人であるという証拠はない」とか言いそうです(DNA鑑定すると言えばまた別人のデータ持ってくるかも)。ともかく皆様にはこの構造だけは知っておいていただければと思います。
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・調査会役員・特定失踪者家族会役員が参加
・問合せ 調査会
★10月21日(土)11:00 「『お帰りと言うために』拉致被害者・特定失踪者家族の集い」(調査会主催)
・都民広場(東京都庁前・新宿駅徒歩10分・都営地下鉄大江戸線都庁前下車直ぐ)
・調査会役員・特定失踪者家族会役員が参加
・問合せ 調査会
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・桐生市
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北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧
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